若葉は、どちらも選ぶつもりはなかった。これからの人生は、自分で決める。退職まで、あと1週間と3日。土日を除けば、残りはわずか8日だった。若葉は最後まで胸を張り、後ろめたいところなど何一つないまま、安藤グループを去るつもりだった。月曜日、若葉はいつもどおり出社した。今は具体的に任されている仕事もないため、毎日ほとんどの時間を論文や資料を読み、研究することに費やしていた。これまでは出社するたび、周囲から嫌味の一つや二つ浴びせられるのが当たり前だった。ところが、その日は妙だった。周囲の女性たちは若葉を見るなり、まず全身を値踏みするように何度も視線を上下させ、それからようやく目をそらした。若葉が痩せたことに、彼女たちも気づいたのだ。そして認めたくはなくても、痩せた若葉が誰よりも美しく、文句のつけようがないほどの美人であることは明らかだった。「いったい、どうやってあんなに痩せたの?まさか、こっそり脂肪吸引でもしたんじゃない?そうじゃなきゃ、あんな短期間で痩せられるわけないでしょう?」「絶対そうよ。脂肪吸引か、痩せる注射でも打ったんでしょうね。何か特別な施術を受けたに決まってる。あれだけ太ってたうえに、ろくに努力もしない人が、短期間であんなに変われるわけないもの。安藤部長みたいにストイックな人なら分かるけど、あの人には無理でしょう」「どうして急に痩せようとしたか、知ってる?安藤社長の気を引くためらしいわよ。仕事ではもう見込みがないから、痩せて少しでも見てもらおうとしたんですって。でも、本当に身の程知らずよね。安藤部長みたいな女性がそばにいるのに、安藤社長があの人を相手にするわけないでしょう?」「本当よね。そういえば聞いた?この数日で、また安藤社長を怒らせたらしいわよ。社長が激怒して、解雇するって言ったんだって」「さっさと解雇されればいいのに。毎日会社で顔を見るだけでも、気分が悪くなるわ」口ではそう言いながらも、彼女たちは何度も若葉へ視線を送り、心の中で気にせずにはいられなかった。どうして、あんなに肌が白いのだろう。痩せてみれば、身体のラインにも驚くほどメリハリがある。髪まで、つややかでさらさらしていた。とはいえ、どれだけ見た目が変わっても、仕事のできない役立たずには変わりない。どうせ数日後には解
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