「……はなちゃんっ!」 「春くん……久しぶりっ!」権堂に連れられ、春希が戻ってきた。パチンっとハイタッチする2人を見て、権堂の頬も緩む。「大雅さんは、無事に……?」「はい。到着時刻は、日本時間の夜中だそうです。時間的に連絡はしないとおしゃってました」「あ、それはもう……」熱を出してから、大雅の変化についていけていない花。名前を口にしただけで赤面してる気がする。「それでは私は、一旦これで」「あ、はい!ありがとうございました」玄関を出ていく権堂を春希と一緒に見送り、花はリビングに戻って腰に手を当て、高らかに宣言した。「今日はお買い物に行かなくてはなりません!」「おかいもの?……にんじんと、たまねぎ?」おもちゃ箱からボールを取り出しながら、首をかしげる春希がひどく可愛い……「うん。あときゅうりとおにくとおさかなも!」今の季節、炎天下を避けると、夜の一歩手前……夕方の遅い時間になってしまうとわかった。「はやくいこう!よるはおまけさんがでるから」……「おまけさん」とは「おばけ」のことだと教えてくれたのは権堂。子供らしい間違いを可愛らしく思う。暗くなる前に帰れるだろうかと不安を抱えながら、春希に手を引かれ、花は玄関の外に出た。……意外と明るくて吹く風も心地良い。「あ、春くん待って!」時間的に子供連れが少ないと思われたスーパーだったが、春希はまるで吸い寄せられるように同い年くらいの子供を見つけ、駆け寄っていく。肉や魚を十分品定めできないまま、春希の後を追った花。「でもりどん(デモリドン)とね〜、さぎゃるん(サギャルン)がたたかったからぁ、でもりるん(デモリルン)ができたの」「ちがーよっ!でもりるんはおとーとだよっ!」……なんの話だかさっぱりわからず立ち尽くす花を横目に、春希と話す男の子の母はにこやかに頷いている……?!異次元の言葉を理解する母に頭が下がる。キャッキャと楽しそうな子供達だったが、ヒートアップしてスーパーの中を駆け回りそうだったので、花の方からサヨナラを伝えた。わずかに名残惜しい雰囲気を感じて嬉しくなる……ところが、再会の機会はその後すぐにやってきた。「あっ!るーきくんだっ!」買い物帰りに通った公園で再び出くわしたのだ。頭を下げ合い、子供たちを見守りながら、少し話す雰囲気になった。「あの、さっきは突然
Last Updated : 2026-08-05 Read more