「……お見合い?」「そう!悪い話じゃないわよ?相手が誰か知ったら、さすがの花も驚いて腰を抜かしちゃうんだから!」三日月の綺麗な夜だった。私、香坂花の友人、天野瑠璃が、突然見合い話を持ってきたのは……「そんなすごい人なら瑠璃がお見合いすればいいのに」「それがダメなのよ!……私はほら、遊びすぎてるから、父親が紹介できないって!」あははっと明るく笑う瑠璃。……確かに彼女は遊び人だ。裕福で格式高い家のお嬢さまなのに、奔放に遊びまくっている。「それにね、この話は花に来てるのよ。人づてに頼まれたって、お父さんが……」「私がその話を受けると、瑠璃やおじさんたちにいいことある?」「あ……そりゃあまぁ、ね」瑠璃のことだ。いくら父親からの話だとしても、それが私にとって不利益なのだとしたら、こんな風に話して聞かせない。「いいよ。そのお見合い、受けるよ」「花……!」瑠璃の表情がパッと明るくなった。……きっと、おじさんに強く勧めるよう言われているのだろう。「相手が誰か教えてもらったんだけど、それは絶対に言うなって口止めされてるの。でも、会うだけでも価値のある人だから!」お見合いの日にちと待ち合わせの場所をメモに残し、瑠璃は青い目を花に向けて手を握る。「嫌だったら断っていいから。父親に言われているのは、とりあえず花をお見合いに向かわせることなの」「うん、わかった。必ず行くよ。……でも」「でも、なに……?」心配そうに顔を近づけてくるので、その分上半身をのけぞらせた。「青い目、怖いよ?」「えっ?!こんなのただのカラコンだよ?」瑠璃はめいいっぱい目を見開いて、コンタクトを取って見せてくれた。「目も悪くないのにそんなものつけて……体に悪いからやめなよ」「いや!カラコン外したら、恥ずかしくて誰にも会えない……」地団駄を2回踏んで、瑠璃は花の部屋を出ていく。なんでも、クラブに友達を置いてきたというが……どんなクラブ活動をするところなんだろう。「階段から落ちないでね!」踵だけでなく、全体に底が厚すぎる不自然な靴を履いているからヒヤヒヤする。見送って部屋に戻り、メモを見て……花はベランダとは名ばかりの物干し場に出る。「あぁ……本当に今日は綺麗なお月さまだなぁ」やがて、瑠璃に頼まれたお見合いの日がやって来た。お見合いというのは土日など、休日に
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-07 อ่านเพิ่มเติม