《sideトア》 私は幼い頃から、人とは違う思考を持っていました。 両親からは変わり者だと言われていましたが、それでも両親は私を愛してくれていたと思います。ですが、そんな両親が亡くなってしまい、私は幼いながらも計算ができたので、商家に雇っていただくことができました。 商家の旦那さんはとても良いおじいさんで、私がすぐに読み書きや計算を覚える才能を認めてくれました。「トアはとても賢いな。だが、商売には向いておらん!」「なっ!?」「壊滅的に接客業が下手じゃ! 人の心も理解しとらん!」「ななな!!! 旦那様、酷くないですか?!」「うむ、酷くない。じゃが、トアはとても賢い。じゃから、学園都市に行って、自分の賢さを活かせる学問を身につけるが良い」 商家の旦那の言葉に、私は嬉しさと寂しさを感じました。 商人として、商家の旦那に恩返しがしたかった。だけど、私は壊滅的に商人としての才能がないそうです。 商家の旦那のお仕事を手伝うことは、商人としてはできません。 でしたら、私には何ができるのでしょうか? 魔力が少ない私には、魔法がほとんど使えません。 商家の旦那に紹介されて、男爵様に後見人となっていただき、私は学園都市に入学することができました。 男爵様に、商家の旦那がかなりの額を積んでくれたのだと後になって知りました。どこまでも感謝しかできません。ですが、私自身も学園都市で暮らすようになって、手持ちの資金が底をつきかけました。 後見人になっていただきましたが、支援は何も得られないので、自分で働いて生活をしなくてはいけません。私は学園に通いながらも割の良い仕事を探して、酒場で働き始めました。 お尻を触られるのは毎日のようで、だけど醜女な私にそれ以上のことを求める人はいませんでした。 ですが、ある時、お酒に酔いすぎたおじさんに無理やり路地裏に連れて行かれました。怖くて、どうすればいいのか困っていた時です。「一度だけだ。フライ・エルトール」 お酒を飲んだ貴族の男性が、私を助けてくださいました。年齢は同じくらいなのに、とても雰囲気のある男性で、おじさんを怖がらせていました。 助けてくださった際にお礼を述べると、とても不思議そうな顔をされました。「支援を受けているんだよね?」「いえ、誰からも支援を受けていません」 男爵様の家にある馬小屋で寝泊
Last Updated : 2026-08-14 Read more