LOGIN堪え性もなく、気楽に道楽息子を気ままにやっていたら、何やら色んな人に尊敬されていた。 そんなお気楽転生もありかな?
View Moreローズガーデンの陣地内。 そこには予想外の来訪者が待っていた。 アクアリス・ネプチューナ。 その名前を聞けば、誰もが一目置く存在だ。鯨族の人魚姫であり、蒼海歌《ブルーシー》派閥のリーダーを務める彼女は、その美しさと強大な魔力で知られている。 彼女は、私のクラウンであるセシリアや、護衛を務めるエリザベートと共にお茶を飲んでいた。その光景は、場違いなほど優雅で平和的だった。「お帰りなさいませ、フライ様」 セシリアが微笑みながら立ち上がる。エリザベートも少し笑みを浮かべているが、どこか警戒心を隠しているようだった。「やあ、ただいま。二人とも」「フライ様、お帰りなさいませ」「フライ様」「うん。どうやら来客を待たせてしまったようだね。アクアリス・ネプチューナ様が来ているとは聞いていなかったけれど、これは光栄だ」 私は彼女たちの座るテーブルに近づきながら、軽い調子で言った。アクアリスは立ち上がり、私に向かって小さく礼をする。その仕草は気品に満ちていた。「突然の訪問、無礼をお許しください。少しお話ししたいことがありまして」 彼女の冷静な声は耳に心地よかったが、同時に計算されたような冷ややかさも感じられる。「それは嬉しいね。けれど、貴族や派閥のリーダー同士がこうして会う場合、普通は少し緊張感が伴うものだ。でも、君は随分とリラックスしているみたいだね」 私は彼女の意図を探りながら、笑顔で答えた。「ここに来た時、貴方の陣地を制圧することもできました。でも、それをしなかったのは、貴方と直接話したかったからです」 アクアリスの言葉に、一瞬、周囲の空気が引き締まった。エリザベートの眉がピクリと動き、セシリアが穏やかに微笑みながらも視線を鋭くする。「へえ、つまり意表を突かれたってことか。だけど、なぜ話をしたいなんて思ったんだい?」 私はその言葉の裏にある意図を探るように、彼女を見つめる。アクアリスは一瞬だけ間を置き、再び穏やかな声で答えた。「興味があったの
ラドンが咆哮を上げ、フリーダムがその背に立つ。 その手には巨大な槍が握られ、威圧的な視線が私を射抜いていた。自由同盟のメンバーたちは周囲に散らばり、この決闘を固唾を呑んで見守っている。「ラドン様とオレが相手だ。これで勝てると思ったら大間違いだぜ!」 フリーダムが笑いながら槍を振り上げた。その姿には、自信と誇りが滲んでいる。「うん、いいね。やっぱり竜騎士ってかっこいいや。ファンタジーって感じがして楽しいね。やっぱり、こういうのってワクワクするんだよね。さて、どちらにも挨拶をさせてもらうよ」 私は静かに、その辺で拾ってきた木の棒を構え、ラドンの動きを見据えた。 ラドンが太い足で地面を蹴り、戦車が向かってくるような迫力で突進してくる。その巨体が影を作り出し、私たちの周囲を覆い隠すような錯覚を与える。「ラドン! やっちまえ!」 フリーダムの指示で、ラドンがその鋭い爪を振り下ろしてきた。一撃が地面を揺るがし、砂煙が立ち上る。「ふむ、迫力があるね。でも、君たちのリズムは単調すぎるよ」 私は軽やかに動き、爪の一撃をかわす。その間に木の棒を振り、ラドンの前足に軽い傷をつけた。「ぐおおおおお!」 ラドンが痛みを訴えるように叫ぶ。その隙を見逃さず、私は一気に距離を詰める。「フリーダム、君もそろそろ動くべきじゃないかな?」 私は微笑みながら、彼に声をかける。「クソッ!? ラドン様の動きを余裕で躱しやがって! 調子に乗るなよ!! ラドン様の動きにオレの攻撃が加わることで、オレたちは完成するんだ!」 フリーダムがラドンの背から飛び降り、地面に着地する。槍を構え、私に向かって突撃してきた。 その槍を躱していると、ラドンが背後から巨大な尻尾を振って攻撃を仕掛けてきた。「力で証明するってのは、こういうことだろうが!」 フリーダムが槍を振り回し、猛然と襲いかかる。その動きに合わせて、ラドンが荒々しく尻尾や爪を振るう。 それらの一撃一撃が重い。人とドラゴンが共闘
二日目の朝を迎えた。気持ちのいい朝だ。青空が広がっていて、森の中は静かでいい。魔物の襲撃もなく、穏やかな一日を迎えられた。 お酒を常備するのを忘れたのが悔やまれる。 だが、一週間、もしくはそれより早く決着がつくかもしれないなら、その期間だけでも禁酒としよう。 さて、人数は最も多く、陣地も二倍に増えた。 そして、落とし所は昨日のうちに話し合った。 このままゆるりと待っているだけでも良さそうに思えるが、それではつまらない。「ゲームを運営だけが動かすなんて、つまらないことはしないよね。僕は遊びが好きで、適当にこの世界を謳歌すると決めたんだ」 自分の死が待っているとしても、その時まで楽しく過ごして満足したい。 運営側から、クラウン・バトルロイヤルの二日目の説明が届いた。『参加者各位、これより特別ルールを発動します。代表者戦を実施します。各チームの代表者を選出し、中央エリアにて戦闘を行ってください。勝者は、敗北した代表者が属するチームのメンバーを配下として獲得します』 この発表により、中央エリアに進むための動きが活発化する。「代表者戦か……面白いけど、参加する必要はないよね。バクザン、平民同盟の中から一人を選んで参加させてあげて」「いいんですか?」「ああ、勝つ必要はないからね」「分かりました!」 ノクスが眉をひそめる。「いいんですか? 俺が出ても」「いいんだよ。ただの余興だからね。平民同盟の子に注目を集めさせてあげよう」 ノクスの肩を叩いて、今回は出番がないと伝える。「僕たちが中央に向かって戦うなら、他のチームの注目を集めるだけだよ。みんなが殴り合いを始めている間に、僕たちは別のことをする」「別のこと?」 そう言って、私は地図を広げ、指で自由同盟の陣地を示した。「自由同盟だな。フライの兄貴、いよいよ乗り込むのか? 初日は随分と暴れていたみたいだぜ」 バクザンが嬉しそうに拳を鳴らす。
《side フライ・エルトール》 奇襲作戦は成功だね。初日から「ローズガーデン、ここにあり」と、力を示すことはできた。 だが、所詮は最弱の平民同盟を倒しただけと思われるだろう。 平民同盟を率いていたリーダー、セレナーデさんは、三つ編みにメガネをかけた委員長タイプの女性だった。 彼女の采配に無駄がなかったからこそ、奇襲は上手くいった。 平民同盟の陣地を手に入れると同時に、失格になった者以外は、新たな仲間として私たちの陣営に迎え入れることとなった。 これにより、私たちは元々の森に加え、岩場という地形的にも優位な拠点を手に入れることができた。 ただ、少人数で領地を管理することは、あまり得策ではない。 そんなことを考えながら、私は彼らを一つにするための言葉を紡ぐべく、皆を森の広場に集めた。「よく集まってくれた。新たな仲間たちもよろしく頼む。指揮官を務めるフライ・エルトールだ。今後は私の指示に従ってもらうことになる」 私は視線を巡らせながら、柔らかな口調で話し始めた。集まった人々は、元々の仲間と、今回仲間に加わった平民同盟のメンバーたちが入り混じっている。「今後は仲間として協力してもらうつもりだ。ローズガーデンチームは女性が多く、調査や裏方などを務める者も多いため、君たちのような戦える人材には大いに期待している!」 平民同盟のメンバーたちは、まだ少し緊張した様子だったが、期待していると声をかければ、嬉しそうに頬を緩める。「そして、ここにいる皆に伝えたい。僕たちはもう、敵同士ではない。一つの目標を共有する仲間だ。だからこそ、これからの戦いに協力して挑んでほしい。初日を終えて、明日からの戦いに備えよう」 その言葉に、元々の仲間たちの中から賛同の声が上がる。ジュリアが一歩前に出て、モフモフの耳をピンと立てながら言った。「私もそう思うのです! 一緒に戦う仲間が増えるのは嬉しいことなのです!」 ジュリアの明るい声が、場の雰囲気を少しだけ和らげたようだった。「フライの兄貴、あんたについていくぜ!」