「アルヴァロ。先程の話だが」 装飾店を出た後、城下町の広場で焼き菓子を食べながらフェルナン陛下は徐に口を開く。 (えっ。先程の話?) 私は焼き菓子の露店の前で、「マドレーヌにするかフィナンシェにするか悩ましいですね」と二人で盛り上がった話のことかと思い、手元のマドレーヌを見やる。 今更、「俺もマドレーヌが良かった、交換してくれ」と言われても困る。こちらはほとんど胃袋に収めてしまったのだ。 私が「欠片でよろしければ」と無礼承知で提案すると、フェルナン陛下は「なんの話だ」とやれやれと肩を竦めて笑った。 「装飾店でお前が言っていた『遠くから想うだけで十分』という話だ」「あぁ、それですか」 私が、ぜんぜん「先程」の話じゃないじゃないですか、という言葉を胸に飲み込んだのは、フェルナン陛下が少しかしこまった口調のように感じられたからだ。 そこで私はハッとした。 「えっ! もしかして、女体化した私に惚れてしまわれました⁉」「そういう話ではない。俺はお前が男だろうが女だろうが、見る目を変えはしないからな」 バッサリ。ちょっとがっかり。 「しっかり萌えてるくせに……」 真っ先に衣装店に連れて行き、ミニスカートとニーハイブーツを購入したのはどこの誰だ。 しかし私の納得の有無など気にせず、陛下は構わず話を続ける。 「もしかして、お前には好きな者がいるのか?」「マジで恋バナですか?!」「ふざけずに正直に答えろ。主命令だ」「私じゃなかったら、パワハラとセクハラで訴えられてますよ?」 と
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-08-31 อ่านเพิ่มเติม