「……待て」低く呟いたあと、氷室さんは額を押さえた。「準備がない」それでも離れない腕だけが、矛盾してる。身体を少し起こす。腕を伸ばして、氷室さんの頬を手のひらで触れた。唇を重ねる。彼の身体に、力が入るのがわかった。「だいじょうぶ」告げた直後、口角が自然と上がった。鎧を解いた皇帝の、堪えるその瞳が愛おしくて、目が勝手に細くなる。「……そうか」低く呟くと、また唇が重なった。知らぬ間に身につけていたものを脱いだ彼が覆い被さった。脚に、下腹部に、胸に重なる肌が嬉しくて。体温に包まれるのが嬉しくて。彼の背中に触れる指が爪を立てた。彼の背中に私の爪の跡を、たくさん残したい。ふっと目を細めた彼は、深い息を吐いた。「後悔、するなよ」「するわけ、ない……はあっ……あんっ!」硬い質量が、ゆっくりと奥へ押し入ってきた。「や……ひ、むろ、さん……焦らしちゃ、やだ……」泣きそうな声で懇願する。表情を変えないまま唇を重ねた彼は、またゆっくりと動かす。じれったさに、下腹部の奥が昂る。だめ。ちょっとしか、動いてないのに。少しずつ、律動が早まる。その度に、はしたない声が喉奥から漏れ出る。腰が勝手に動く。彼自身を求めるように、膣内《なか》の、いいところに自ら導くように。だめ、気持ちいい。もっと、深く繋がりたい。いつもは静かな部屋に、いやらしい水音が響き渡る。この音だけで、気が狂いそう。私、こんなに淫乱な動き、できたんだ。応えるように、彼も動く。肩に落ちる汗が、こんなに嬉しいなんて。「……はあっ……ああっ……ひ、むろ、さん……」激しい律動の最中、彼の名前を呼んだ。「……瑛《えい》」「……え?……ふあっ、あんっ!……ああっ……」膨らみの先端を律動と同時に摘まれ、脳に更に強い快楽が走った。「名前で、呼んで……りお」「え……えい……はあああんっ!……んんうっ!」一番激しい律動と共に弓なりになった私は、意識を手放した。「……好きだ」──遠くに、氷室さんの低い声が聞こえた気がした。暗闇の中で、目を覚ました。月明かりがぼんやりと、部屋の中を照らす。カーテン、閉めてなかったか。──動けない。何で?裸、だ……。この腕……。そうだ、私。氷室さんと、しちゃったんだ。堪える氷室さんを溶かしたくて。鎧を脱がせたくて。今後ろからこの身体
Última atualização : 2026-09-16 Ler mais