アリアド王妃のお茶会で起きたことは、参加していた夫人達によって瞬く間に噂として広がっていった。 その結果、聖女アリサへの不信感を口に出す者が現れたり、聖女に関する良くない噂も立ち始め……反対に、今まで悪女として嫌煙されていた私の元へは、次から次へと夜会やお茶会への招待状が届くようになっていた。(誰も彼も、態度があからさますぎるのよね) 小さく溜め息をつきながら、それを隠すため手に持ったグラスを傾けた。 燦々と日が差し込む、サロンでの、立食形式のティーパーティー。 ふわりとしたチュールフリルが、私にしては少し可愛らしすぎるような、そんなラベンダー色のデイドレスを着て、ジュリエッタはある伯爵家へと来ていた。(お母様のお友達からの招待で、断れもしなくて来たけど……) 窓際で日を浴びながら、足元で大きく欠伸をするのは、まるで黒豹のような姿のロロだ。 いつも護衛として何処へでもついてきてくれるミオだが、今日に限って外せない用事が出来てしまい、「ならば俺が護衛をしよう」と、ロロは人型ではなく、威圧感増し増しの獣姿でついてきたというわけだ。 最初、会場に入れてもらえないのでは、と心配したが、ロロが神獣だということは周知の事実だったので、どうぞどうぞと止められることもなくこの場にいる。 まあ……足下にこんな大きな獣を従えているせいか、周りに他の貴族や令嬢が寄り付かないので、誰とも話せず暇すぎるのだが。 時折、ちらちらと視線を感じはするが、実際に話しかけてくる猛者は居ない。アリアド王妃の茶会について、色々なことを根掘り葉掘り聞かれるよりは良かったのかもしれない、と、前むきに考えることにした。(さて。きちんと顔は出したんだし、そろそろ帰ろうかな……) 誰とも話さず、ロロとひなたぼっこをするだけなら、早く屋敷に帰りたい。(この飲み物が空になったら帰ろう) 手に持ったグラスには、まだ少し、薄い金色のシャンパンが残っている。 日差しをキラリ、と反射した輝きに、また彼のことを思い出してしまって、チクリと胸が痛んだ。 このところ
최신 업데이트 : 2026-09-23 더 보기