บททั้งหมดของ 『大嫌いな生徒会長が義兄になりました ~学校では天敵、匿名では親友、家では恋愛禁止です~』: บทที่ 11 - บทที่ 20

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第11話 新しい母を好きになってもいいのか

第11話 新しい母を好きになってもいいのか 顔も本名も知らない相手から、亡くなった家族について尋ねられたとき、安易な励ましほど危険なものはない。 大丈夫だと言い切るのは簡単だが、その大丈夫を信じられずに苦しんでいる人へ、明るい言葉だけを差し出しても救いにはならない。場合によっては、苦しみを理解する気がないと言われたように感じさせてしまう。 午前零時さんから届いた文章を前にして、私は何度も返信を書いては消した。『先ほどは、新しい家族について尋ねられても、うまく答えられませんでした。少しだけ、僕の話を聞いてもらえますか』 その書き出しに続いていたのは、彼がこれまで私へ見せなかった迷いだった。『父が再婚し、新しく母になった人と暮らし始めました。その人は優しく、無理に母親らしく振る舞おうともせず、僕が距離を置いても責めません。料理を作ってもらったり、帰宅を待っていてもらったりすることを、最近は心地よいと感じています。でも、その人を家族として好きになるほど、亡くなった母を裏切っているような気持ちになります。新しい母を受け入れることは、亡くした母を忘れることなのでしょうか』 最初に浮かんだのは、忘れるわけがないという答えだった。しかし、母親を亡くした経験のない私が、それを簡単に断言するのは違う気がした。 私の両親は離婚している。父との記憶には、楽しかったものだけでなく、いまでも触れたくないものが混じっているが、死によって永遠に会えなくなったわけではない。午前零時さんが抱えている喪失を、自分にも分かるとは言えなかった。 私は分からないことを分かったふりで包まず、正直に書くことにした。『私は母親を亡くした経験がないので、あなたの気持ちが分かるとは簡単に言えません。ここから書くことも、当事者ではない人間の考えです。もし違うと思ったら、無理に受け入れないでください』 そこまで送ると、午前零時さんから間を置かずに返事が届いた。『分かったふりをせずに聞いてもらえるだけで助かります。続けてください』『私は、新しい人を好きになることと、亡くなった人を大切に思うことは、同じ席を奪い合う
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-27
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第12話 夕食の席で泣く理由

第12話 夕食の席で泣く理由 夕食の献立一つで家族関係にひびが入る可能性があるのなら、煮込みハンバーグは、もう少し危険そうな見た目をしているべきだと思う。 けれど、深い鍋の中で赤褐色のソースに包まれている八個のハンバーグは、家族の古い記憶へ触れる料理とは思えないほど穏やかだった。弱火で煮込まれたソースからは、炒めた玉ねぎときのこの香りが立ち上り、表面に浮かんだ湯気まで夕食の温かさを主張している。「お母さん、どうして四人家族なのに八個も作ったの?」「一人二個ずつ食べてもいいでしょう。それに、もし失敗していたら、大きさの違うものを食べ比べてもらおうと思って」「同じ鍋で煮込んでいるんだから、大きさを変えても味はほとんど同じでしょう。緊張した結果、材料を倍にしただけではないの?」 私が尋ねると、母は鍋の前でお玉を握ったまま、気まずそうに目を逸らした。図星らしい。 店で何種類もの焼き菓子を作り、季節限定の商品まで一人で考える母が、家庭料理の一つでここまで落ち着きを失うのは珍しかった。味見はすでに五回以上しているのに、そのたびに塩を足そうか、甘みを加えようかと悩み、最後には最初の味へ戻したいと言い始めている。「もう何も入れないほうがいいよ。さっき和臣さんが味見したとき、おいしいって言っていたでしょう」「和臣さんは、私が作ったものなら少しくらい焦げていても、おいしいと言うから参考にならないのよ。優しい人だけれど、料理の審査員には向いていないわ」「新婚の夫に対する評価としては満点なのに、味見係としては不合格なんだね」 その和臣さんは、つまみ食いの回数が多すぎるという理由で、十分ほど前に台所から追い出されていた。現在は食堂で新聞を広げているが、ときどき扉の隙間から鍋の様子を窺っているので、反省しているようには見えない。 私は皿を並べながら、鍋の横へ置かれた小さな紙を確かめた。そこには母の字で、使った材料と分量が細かく記されている。亡くなった怜央の母親が残した料理ノートは、和臣さんが元の保管場所へ戻していた。母が参考にしたのは「煮込みハンバーグ」という料理名と、それが怜央の好物だったという事
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-28
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第13話 お兄ちゃんと呼ぶ練習

第13話 お兄ちゃんと呼ぶ練習 母から「家でだけでも、怜央くんをお兄ちゃんと呼んでみたら」と提案された瞬間、たった一つの呼び名が、煮込みハンバーグよりも飲み込みにくいものとして食卓の中央へ置かれた。「無理です。昨日まで学校で敵対していた生徒会長を、今日から自然にお兄ちゃんと呼べるほど、私の順応力は高くありません」「俺も反対です。本人が嫌がっている呼び方を、家族らしく見せるためだけに強制する必要はないと思います」 私と怜央が続けて拒否すると、母は傷ついた顔をするのではなく、予想していたとばかりに頷いた。どうやら、最初から一度の説得で成功するとは考えていなかったらしい。「強制するつもりはないの。ただ、ひまりが家でも『御影先輩』と呼んでいると、ここが学校の続きみたいに聞こえるでしょう。外では秘密を守らなければならないからこそ、家の中には二人が家族でいられる時間があってもいいと思ったのよ」「お母さん、その言い方は少しずるいよ。そんなふうに言われたら、私が家族を拒絶しているみたいに聞こえるでしょう」「拒絶しているとは思っていないわ。戸惑っていることも分かっているつもりよ。ただ、呼び慣れる前から諦める必要もないでしょう。試してみて、本当に嫌ならやめればいいの」 和臣さんも、母の隣で穏やかに続けた。「僕たちが婚姻届を先に出してしまったことで、二人に心の準備をする時間を与えられなかった。その点は何度でも謝るよ。だから、明日から完璧な兄妹になってほしいとは言わない。ただ、呼び方を一度試してみるくらいなら、後戻りできると思うんだ」「呼び方に後戻りという表現を使われると、何か重大な契約を結ぶように聞こえます」 怜央が眉を寄せると、私はすぐに頷いた。「その意見には賛成します。うっかり一度お兄ちゃんと呼んだだけで、以後は生涯その呼び名を使用するものとする、なんて付則を追加されては困りますから」「誰もそんな約束を求めていない。それに、君は契約書へ書かれていないことまで警戒しすぎだ」「契約書を三ページにした人から、警戒しすぎだとは言われたくありません」「
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-29
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第14話 家族写真は近すぎる

第14話 家族写真は近すぎる 日曜日の朝、母は私の髪にリボンを結びながら、三度目の「もう少しだけ」を口にした。最初は毛先を整えるだけだったはずが、前髪の向きを直し、耳の横を編み、最後には自分の使っているヘアスプレーまで持ち出している。鏡の中の私は、家族写真を撮りに行く娘というより、店頭へ出す前の仕上げを施されている焼き菓子に近かった。「お母さん、写真館に着くまでに私が完成するかどうか、そろそろ心配になってきたんだけど」「完成はしているのよ。ただ、せっかくだから、あとで見返して残念に思うところを減らしたいでしょう。このリボン、もう少し右のほうがいいかしら」「左右の差を覚えているうちに出発できれば、それで十分です」 私は膝に置いていたバッグを持ち上げた。薄い水色のワンピースは、去年、母と二人で買ったものだった。試着室から出ると母がひどく嬉しそうに笑ったので、値札を見ていったん戻しかけた手を止め、そのまま選んだことを覚えている。 今日も母は同じ顔で私を見ていた。ただし、その隣に並ぶ予定の人数は、あのときより二人増えている。 玄関へ下りると、怜央が靴を履いて待っていた。白いシャツに紺のジャケットという、ごく普通の組み合わせなのに、制服姿とは違って見えて、私は階段の最後の一段で歩調を緩めた。いつもきちんと結ばれているネクタイがないだけで、学校という場所から抜け出してきた人のように感じられる。 こちらに気づいた怜央も、ほんの少しだけ目を止めた。「その靴、歩き慣れているものか。写真館までなら問題ないが、帰りに買い物をするなら、替えを持っていったほうがいい」「朝いちばんの感想が履物の安全確認なのは、ある意味、期待を裏切りませんね。大丈夫です、底もかかとも確認しました」「それならいい。……その色は、似合っていると思う」 言い終えるより先に玄関の扉を開けられたので、私は返事をする機会を逃した。あとから褒めるくらいなら最初からそう言えばいいのにと思ったが、最初に言われても、きっと同じように困っただろう。 外の空気が少し冷たかったので、頬に残った熱は、
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-30
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第15話 停電の夜

第15話 停電の夜 充電器が床へ落ちた音は、思っていたより大きかった。 机の下へ手を伸ばせば拾える距離なのに、私は椅子に座ったまま、自分の膝を押さえていた。窓の外にはまだ夕方の明るさが残っている。真っ暗ではないし、家には怜央もいる。それくらい分かっているのに、足の裏が床へ貼りついたように動かなかった。 スマートフォンの画面をつけると、写真館で選んだ家族写真が浮かび上がった。四人とも笑っている。その明るさがいまはまぶしくて、私は画面を伏せた。 雷が遠くで鳴り、雨が窓を叩き始めた頃、廊下から足音が近づいてきた。「ひまり、停電した。そっちは怪我をしていないか。何か落ちる音がしたけど」「充電器を落としただけだから、大丈夫。片づけるから、少し待って」 普段どおりに返事をしたつもりだったが、最後のほうで声が細くなった。怜央はすぐに立ち去らず、扉の向こうで一度だけ床を踏み直した。「片づけはあとでいい。懐中電灯を持ってきたから、扉を開けられるか?」 私は机の端につかまって立ち上がった。たった数歩の距離を歩く間も、窓が光るたびに肩が強張る。扉を細く開けると、床へ向けられた懐中電灯の光と、その上に立つ怜央の姿が見えた。 彼は私の顔を見て、何か言いかけた。しかし、代わりに差し出されたのは、小さな電池式のランタンだった。「これは置いて使える。眩しければ、明るさを一段落とせるから」「ありがとう。家の電気が消えると、意外と暗くなるものね。昼間は窓が大きすぎるくらいだと思っていたのに」「ひまり、手が震えている」 取っ手を受け取ろうとしていた指が止まった。隠せていると思っていたわけではないが、言葉にされると恥ずかしかった。「少し驚いただけです。高校生にもなって停電が怖いなんて、そんなに珍しいものを見つけた顔をしないで」「珍しいとは言っていない。落とすと困るから、床に置くぞ」 怜央は敷居の外へランタンを置き、私が持ち上げやすいよう取っ手を起こした。こちらへ踏み込んでこないことにほっとした途端、今度は彼が立ち去ることが怖くなった
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-10-01
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第16話 契約違反一号

第16話 契約違反一号 翌朝、いつもより早く目を覚ました私は、枕元のランタンを消してから、しばらく雨の音を探していた。聞こえてきたのは庭の鳥と、階下で食器の触れ合う音だけだった。カーテンの隙間には朝日が差し込み、昨夜、あれほど遠く感じた扉も、いまは数歩先にある普通の扉へ戻っている。 怜央に借りた充電器を返そうとベッドを下り、扉をそっと開けたところで、私は足を止めた。 廊下の壁にもたれたまま、怜央が眠っていた。 膝から滑り落ちた問題集が足元で開き、片手にはシャープペンシルが残っている。座布団からはみ出した脚は窮屈そうに曲がり、首は見ているこちらまで痛くなりそうな角度に傾いていた。学校で姿勢の悪さを指摘する生徒会長が、まさか自宅の廊下でこんな寝方をしているとは、誰も思わないだろう。 私はしゃがみ込み、まず問題集を拾った。昨夜は閉じられていたページまで書き込みが進んでいる。それを見た途端、少しだけ嬉しかった気持ちが、申し訳なさに押し退けられた。「怜央さん、朝です。自分の部屋へ戻ってって言ったでしょう」 声を落として呼ぶと、彼の眉がわずかに動いた。目を開けるまでに少し時間がかかり、焦点の合わない視線が私の顔で止まる。「雷は……もう鳴っていないか」 起きて最初に確かめることが、それなのかと思った。「とっくに晴れています。それより首は大丈夫? 昨日の写真館で撮ってもらった顔と、別人みたいになっているけど」「何時だ。俺は、少し目を閉じただけのつもりだったんだが」「その少しの間に、地球は律儀に回転したみたいです。もう六時を過ぎています」 怜央は腕時計を見ようとして首を動かし、途中で顔をしかめた。その反応に思わず手を伸ばすと、彼は「大丈夫だ」と言いながら壁へ手をついたが、立ち上がりかけたところで再び座布団へ戻った。「今度はどうしたの。大丈夫と言うたびに、できないことが増えているように見えるけど」「脚が痺れている。少し待てば戻るから、腕を引かないでくれ」 私は差し出しかけた手を引っ込め、隣にしゃがんだ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-10-02
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第17話 学校では他人です

 二時間目が終わったとき、ノートには板書の途中から、同じ言葉が二度書かれていた。 読み返しても、どこで書き間違えたのかよく分からない。私は消しゴムを持ったまま考え込み、隣の席の生徒が立ち上がる音で、ようやく授業が終わっていることに気づいた。窓から差す光はさっきと同じなのに、目の奥へ刺さるように感じられた。「ひまり、保健室に行こう。さっきから教科書の同じところを見ているし、顔も赤いよ」 美緒が机の横へ来て、私のノートを覗いた。普段なら誤字を見つけて笑うところだが、今日は何も言わず、机に転がっていたペンへ蓋をした。「次の授業まで休めば、少しは戻ると思う。お昼に出す確認用の資料があるから、そこだけ終わらせたいの」「それ、昨日の元気なひまりが決めた予定でしょう。今日のひまりに引き継ぐ前に、体調について申し送りをしてほしいな」「私の中に担当者を二人作らないで。連携が取れなくなりそうだから」「いま、取れていないんだよ。口は働いているのに、手が止まっている」 美緒に指摘され、私は握ったままだった消しゴムを見た。反論する材料が、見事に自分の手の中にあ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-10-03
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第19話 義兄の看病は細かすぎる

 次に目が覚めたとき、窓に映る部屋のほうが、外の景色より明るくなっていた。机の隅には小さな照明がついていて、カーテンの向こうから、車が坂を上っていく音が聞こえる。喉はまだ痛いけれど、布団から腕を出すのさえ億劫だった夕方よりは、少しだけ体を動かす気になれた。 枕元の水を飲んでいると、お腹が鳴った。寝る前には桃のゼリーだけで十分だったくせに、私の胃は回復の手柄を独り占めする勢いで働き始めている。 スマートフォンで母に起きたことを伝えると、ほどなく廊下から足音がした。ただし、ノックに続いて聞こえたのは、母ではなく怜央さんの声だった。「夕飯、少し食べられそうか。美月さんが、卵の雑炊ならあると言ってる」「食べたい。自分で下りるから、置いておいてもらっていい?」「持ってくる。階段を往復する元気があるなら、その分を食べるほうに使ってくれ」 それには素直に甘えることにした。さっきまでなら、自分でできると言い張っていたかもしれないけれど、足を布団から出した途端に床の冷たさを思い出し、私の自立心はあっさり引っ込んだ。 少しして入ってきた怜央さんは、湯気の立つ器を載せた盆を机に置いた。卵の黄色に、細かく刻んだ青菜が混じっている。だしの匂いを吸い込むと、急にお腹
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-10-05
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第20話 匿名の相手に兄の自慢をする

 翌朝、私は学校を休んだ。 熱が下がりきっていなかったこともあるけれど、制服に着替えるところを想像しただけで疲れたので、母に休もうと言われたときには素直にうなずいた。昨日あれだけ人の手を借りておいて、また途中で動けなくなるのは嫌だったし、何より、布団が私を手放す気配を見せなかった。 怜央さんは登校前、扉の外から声をかけてきた。「学校から必要な連絡があれば、帰ってから伝える。放課後レターの資料も、今日は開かなくていいから」「その言い方だと、私が隠れて仕事をする人みたいなんだけど」「違うなら安心した。じゃあ、いってくる」 反論する前に足音が遠ざかった。枕の下には、昨夜から気になっていた再開案の印刷物が一枚だけ挟まっている。見つかっていないはずなのに、私は誰もいない部屋でそれを抜き出し、机の引き出しへしまった。 代わりに目に入ったのが、昨日の看病の予定表だった。 母が書き足した、怜央さんも早く寝ること、という項目の隣に、鉛筆で小さく『できました』と書いてみる。ところが、子どもの宿題を採点しているようで落ち着かず、すぐ消した。消し跡を指で払っ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-10-06
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