「おはよう、麗奈さん」 「世那、起きてたの?」 「うん。麗奈さんの寝顔眺めてた」 「またそんなこと言って……/」 私は言葉とは裏腹に、顔が熱くなるのを感じた。それを誤魔化す為に、私はスマートフォンの電源を入れた。 「なにこれ……」 「どうしたの?」 「恭吾からの着信が……」 世那は私のスマートフォンの画面を覗いた。そして、呆れたようにため息をついた。 「兄貴、何を考えてるんだか。麗奈さん、着信拒否にして、ブロックもしよう」 「でも、そうすると世那に迷惑かけない?」 「俺なら大丈夫。むしろ、俺に電話かけて欲しいから」 私は世那の言葉に背中を押され、早速、恭吾をブロックした。すると、案の定、その数分後に世那のスマートフォンが鳴った。もちろん、相手は恭吾だ。世那は通話ボタンを押し、私にも会話が聞こえるようにスピーカーにしてから話し始めた。 「もしもし」 「世那か?麗奈が居なくなった。電話も繋がらないし、メッセージも無視されてる」 「兄貴、昨日のこと忘れたの?兄貴の自業自得だろ」 「それは……だとしても、麗奈は俺の婚約者だ。勝手なことをしていい理由にはならない」 世那の隣で二人の会話を聞きながら、私は恭吾に腸が煮えくり返りそうになった。ここまで自分勝手だったとは。恭吾は、私の事を何だと思っているのだろう。 「それで、兄貴の要件は何?何もないなら切るけど」 「世那に麗奈の事で頼みたいことがある」 「麗奈さんの?」 「ああ。俺から何を言っても麗奈は信じないだろう。でも、昔から麗奈の事を慕ってる世那の言葉ならあいつも聞く耳を持つかもしれない。詳しいことは、今日、〝新生〟で話そう。12時でどうだ?」 「ああ。その時間なら行けるよ」 「個室を予約しておく」 「うん、分かった」 話を終えると、世那は通話を切った。その表情には怒りが滲んでいた。 〝新生〟とは、高級中国料理店だ。天野家御用達のその店に、私も恭吾とよく行ったものだ。わざわざ、その店の個室に世那を呼び出して、一体、恭吾は何を話すと言うのだろうか。 「世那、今日、私も連れてって」 「でも、きっと、兄貴はろくな事を考えてないよ。今だって、麗奈さんの事を散々馬鹿にした。一緒に来たら麗奈さんが傷つくだけだよ」 「だとし
최신 업데이트 : 2026-10-04 더 보기