001 正直に言えば、これまでの人生で、未来の自分の時間について考えることに膨大な時間を費やしてきた。 どのくらいかと言えば、二十五年という人生の中で、少年時代も青春時代も十歳のところで止まったままになっているほどだ。 もうすぐ三十路に差し掛かろうとしているのに、将来について迷っている若者たちのプレッシャーを、一部の親御さんたちよりもずっとよく理解できる。 まあ、似たようなことを経験してきたからだろう。 大人である自分たちの考えが間違っていると言いたいわけじゃない。自分たちの世代には自分たちの世代の考え方があるし、新しい世代には新しい世代の考え方がある。 俺はどちらの味方もしないタイプだ。ただ、選べるなら勝ち組の側につく。 青山アキトという人間がどんな人間かと聞かれても、うまく答えられない。しかし、 俺は自分がどんな人間で、どんな考えを持っているか、知っている。 そして、周りの人間にどうやって嘘をつくかも。 002「今日はなんでそんなしょんぼりしてんの」 体に悪いアルコールを注いでいるバーテンダーがそう言った。 今の俺は六本木のあるバーのカウンターで、犬みたいにぼんやり座り込んでいる。 次々と数を減らしていく歓楽街の中で、今俺が利用しているミッドナイト・ポリゴンは、日本の経済状況に真っ向から逆らうかのように開店してまだ数ヶ月しか経っていない店だ。しかし店内の雰囲気とここの飲み物は客を惹きつける魅力に溢れており、俺のように決まったものが好きな人間も例外ではない。 社会人になって二年が過ぎた俺にとって、仕事のストレスとプレッシャーは少しずつ積み重なっていき、気づけばいつも酒で終わっていた。 知り合いの中で、ほとんどの友人はとっくに出世している。大企業の役員になった奴もいれば、お坊っちゃん学校の校長になった奴もいるし、海外で働いている奴もいる。いつまでもパッとしない会社員でいるのは俺くらいだ。 変わりたいと思ったことは何度もある。しかしそのたびに、「お前には無理だ」という現実に顔面を叩かれてきた。 諦めているわけじゃない。ただ、こうのんびりだらだらした生き方も悪くないかと思うことがある。朝起きて、飯を食って、タクシーで会社に行って、夕方に帰る。たまに会社で寝ることもある。毎日そんな繰り返しだ。 そのうち俺も少しずつ大人にな
Última actualización : 2026-10-22 Leer más