やり直せますか?冷戦3年越しの愛に謝罪藤堂音(とうどう おと)は、生まれつき耳が不自由だった。
二十歳の時、母親が差し出した妊娠診断書によって、彼女は藤堂家の御曹司である藤堂宗也(とうどう そうや)と結婚することになった。
宗也は彼女を深く嫌悪していたが、家の事情には抗えず、二人は夫婦となった。
結婚後、宗也は他の女性と噂になりながらも、妻である音には一度も優しい視線を向けなかった。
「良き妻」でいようと努め、子どものために耐え続けた音。
だがある日、宗也の初恋の相手が家を訪れ、音が身を削るようにして産んだ息子が、その女を「ママ」と呼んだ。
その瞬間、音は悟る。
宗也の心は、最初から自分に向いてはいなかった。
彼女は離婚届を残し、家を去った。
だが宗也は彼女を追い、冷たく言い放つ。
「音、お前は結婚を遊びだと思っているのか?
離婚したい?
なら二人目を産んでからにしろ」