色使いや光の処理も印象的だった。術が発動すると空気が色相を変え、背景のディテールが溶けていくような表現が挿入され、攻撃の重みや異質さを視覚的に伝えていた。音響面では金属音や紙の擦れる音、低音の残響を重ねて“痛み”や“刹那”を強調しており、声の抑揚も含めてキャラの心理を戦闘の一部として描いていたと感じる。全体として、アニメは原作の線的な美学を尊重しつつ、映像ならではの時間操作や音の重ねで' reika no jutsu'を再構築していた。見るたびに新しい発見がある戦闘演出だった。
私はアニメを繰り返し観るタイプで、何度見ても心が引き締まるシーンがいくつかあります。まず最初に挙げたいのは、'Hunter x Hunter'(2011年版)におけるヘブンズアリーナ編。概ね第27話から第36話あたりにかけて、ヒソカの戦闘スタイルや『バンジーガム』の使い方が初めて鮮烈に描かれます。特に第30話前後のやり取りや、第32~33話あたりでの一騎打ちの流れは、技の見せ方と心理戦の密度が高く、観ていてまったく飽きません。