結婚10年、夫に隠し子がいた結婚七年目。御堂蒼真は平穏すぎる日々に退屈し、外で倉田結衣という女子大生を囲っていた。
か弱く儚げな結衣は、その身体で彼を骨抜きにし、一ヶ月もの間家に帰らせなかった。私がいくら呼び戻そうとしても、全くの無駄だった。
息子の三歳の誕生日。私は高熱で火のように熱くなった我が子を抱きしめ、別荘の外にひざまずいて蒼真に帰ってきてほしいと泣き叫んだ。
だが蒼真は、ガラス窓の向こう側で、狂ったように何度も結衣の身体を求めていた。
息子は、彼らの甘い嬌声が響く中、私の腕の中で静かに息を引き取ったのだ。
葬儀の日、蒼真は私を抱きしめて号泣し、家庭に戻って私だけを愛し抜くと誓った。
私はそれを受け入れた。
息子の最期の願いが、パパとママに仲直りしてほしいというものだったからだ。
四年後。息子が通うはずだった幼稚園が、ある動画を公開した。
動画の中では、蒼真が美しく着飾った結衣の肩を抱き、その腕には三歳くらいの男の子が抱かれていた。
男の子は満面の笑みでカメラに向かってトロフィーを掲げている。
「パパ、ママ、僕たちって世界で一番幸せな家族だね!」