面白いことに『日を跨いで読んだ本』を英語で表現すると『Page-turner that kept me up all night』のような全く異なる構造になる。日本語の主語省略と英語の主語必須の違いがここに現れる。『跨ぐ』という行為の主体が、英語では必ず『I』や『We』で明確化されるため、自然と表現が能動的になる。
アニメ『鬼滅の刃』の英語字幕で『夜を越える』が『Survive the night』と訳されていたのを思い出す。この場合、生死をかけた闘いという文脈が訳語を選んでいる。『日を跨ぐ』の英訳は、それが日常的な行為か非日常的な体験かで180度変わる。
友達と話し込んでいたなら『Lost track of time』、重要な仕事なら『Continued into the early hours』。日本語の豊かな時間感覚を、英語の合理的な時間概念にどう落とし込むかが腕の見せ所だ。特に『跨ぐ』という動詞の持つ、軽やかでありながら確かな越境感をどう表現するかが鍵。
『跨ぐ』の持つ軽やかなイメージを英語で再現するなら『Bridging two days』が詩的で良い。ただしこの表現はビジネス文書には不向きだ。技術文書なら『Carry over to the next day』が正確で、若者同士の会話なら『We totally skipped sleep』とスラング化することも。
『日を跨ぐ』という日本語のニュアンスを英語で表現するのは結構難しい作業だ。『Stay up past midnight』が最も直訳に近いが、状況によっては『Pull an all-nighter』(徹夜する)や『Work into the next day』(次の日まで作業を続ける)とも訳せる。
重要なのは、単に時間を越えるという物理的事実よりも、その行為に伴う継続性や意図をどう伝えるかだ。例えば『The meeting spanned two days』ならば会議が日程をまたいだ事実を淡々と述べ、『We talked until the wee hours』とすれば夜更かしの親密な雰囲気が伝わる。翻訳は常に文脈との綱引きだ。
英語で「夜が更ける」を表現する際、単純に時間の経過を示すだけではニュアンスが伝わりません。最も近い表現は 'the night grows late' でしょう。ここでの 'grows' は時間の進行とともに夜の深まりを感じさせる動詞です。
文脈によっては 'the night wears on' も使えますが、こちらはやや疲労感や単調さを含む場合があります。詩的な表現を求めるなら 'the night deepens' が夜空の色の変化を連想させて美しいです。翻訳する際は、日本語の持つ情緒的な余韻をどう英語で再現するかが鍵になります。