曖昧な運命と複雑な人間関係を描く作品なら、『ヴィンランド・サガ』がぴったりだと思う。
舞台は中世ヨーロッパ。主人公トルフィンが復讐から成長へと至る過程は、『況してや』の重厚なテーマと通じるものがある。特に戦争の
不条理さと個人の葛藤を描く手法は、読後に深い余韻を残す。サガ(伝説)という名の通り、壮大なスケールで人間の業を見つめる視点が魅力だ。
キャラクターの心理描写も秀逸で、善悪の境界が曖昧な点も『況してや』ファンなら共感できるはず。歴史的な背景を下敷きにしながら、現代にも通じる普遍性を感じさせる。