夫と秘書の愛のカップ麺劇場顧客との取引を終えて支店を通りかかった。
そのときふと、残業を頑張っている夫に夜食を届けようと思いついた。
エレベータのドアが開いた途端、カップ麺のにおいが押し寄せてきた。
夫の舟森硯也(ふなもり けんや)と、新入りの秘書が並んでひとつのデスクに腰を下ろしていた。
机の上には、2つ並んだカップ麺。
私はとやかく言わず、アシスタントに命じてカップ麺を2箱差し入れさせた。
「二人ともカップ麺が好物らしいわね。遠慮せずにもっともっと食べなさい。食べ終わるまで退勤しちゃ駄目よ」
人を無理強いさせるのは好きじゃない。
まともな男なんて、ほかにいくらでもいるのだから。