表現の自由を守るための現実的な戦術を考えると、まず自分の核になる部分をはっきりさせるのが出発点だと感じる。
私の場合、作品のテーマや譲れない表現について書き出して優先順位を付ける。制作中に意見が飛び交うとき、そのリストが判断基準になってくれる。たとえば『Neon Genesis Evangelion』のように、制作者の強いビジョンがある作品は、
妥協点を決めたうえで本質を守ることで独自性を保っている気がする。
資金面や配給の圧力に抗うための実務的な方法も用意しておく。小規模な試作を作って反応を見る、契約でクリエイティブコントロールを明確化する、信頼できるチームと早い段階で合意を作る──これらを組み合わせることで、
忖度を減らしつつ現実と折り合いをつけられる。最終的には、自分が何を守るかを明確にしておくことが最大の防御だと実感している。