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スティーヴン・キングの『緑の郷』は刑務所の死刑囚たちが直面する究極の逆境を描く。看守たちの目を盗んで育てたネズミを通じ、人間の尊厳について考えさせられる。
特にジョン・コフィーの超自然的能力と無実の罪という設定が、司法制度の不条理を浮き彫りにする。電気椅子の描写と「天使」と呼ばれた男の最期は、どんな境遇でも人間性を失わないことの美しさを伝えている。看守ポールの老後の回想シーンが、全ての苦悩に意味を見出させる終わり方だ。
ハーレクイン作家の異色作『ザ・シフト』は、末期がんの医師が自ら患者となり医療システムと闘う実話ベースの物語だ。専門家が素人になる苦しみ、治療法の選択肢の残酷さ、家族の葛藤がこれでもかと描かれる。
主人公が抗がん剤の副作用で嘔吐しながらも研究を続けるシーンは、専門知識が無力化される恐怖と希望の両面を伝える。医療従事者としてのプライドと患者としての絶望の狭間で、彼が最後に見つけた答えは意外なものだった。病院の天井を見つめながら考える人生の意味は、読者の価値観を揺さぶるに違いない。
逆境を描いた小説で真っ先に思い浮かぶのは、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』だ。ジャン・ヴァルジャンの人生は犯罪者から聖人への変容そのもので、社会の不正と個人の救済を力強く描いている。
特に、ミリエル司教の銀の燭台を盗んだヴァルジャンが捕まる場面は、彼の運命を変える転機として胸を打つ。その後も追跡するジャヴェール警部との攻防や、コゼットを育てる苦悩は、人間の弱さと強さを同時に浮き彫りにする。泥棒から市長へ、そして隠遁者へという人生の変遷は、逆境を乗り越えるとは何かを考えさせられる。
最後にジャヴェールを助ける場面では、人間の善性がどんな状況でも輝き得ることを示していて、読後感が清々しい。