冨岡義勇と胡蝶しのぶの関係は、'鬼滅の刃'の中で最も謎に包まれたダイナミクスの一つだ。彼らは同じ鬼殺隊の柱として互いを尊重しつつ、根本的に異なるアプローチで任務に臨む。しのぶが優しさと戦略性を兼ね備えた手法を取る一方、義勇は
孤高を貫き、感情を表に出さない。この違いが信頼を築きつつも、時に深い溝を生む。
特に印象的なのは、無限列車編後のやり取りだ。しのぶは義勇の無口さに苛立ちを覚えつつ、彼の実力を認めている。一方、義勇はしのぶのチームプレー重視の姿勢を理解できない節がある。ファンフィクションでは、このすれ違いを『信頼しているからこそ傷つけ合う』というテーマで掘り下げる作品が多い。
ある作品では、二人が過去の任務で共に戦った経験を通じて、表面上の対立の裏に強い絆が存在することが明かされる。しのぶの死後、義勇が彼女の形見の髪飾りを肌身離さず持ち歩く――そんな描写は、言葉にできない悔恨と尊敬を感じさせる。