杉田智和さんの銀時を聴いていると、声の奥に潜む『重さ』と『軽さ』の絶妙なバランスに毎回驚かされます。
あのダラッとした口調の中に、時折覗かせる剣の切れ味のような鋭さ。『銀魂』のギャグシーンでは腹を抱えて笑わせておきながら、シリアス回では一瞬で空気を張り詰めさせる変幻自在さ。特に印象的なのは、過去の傷を語る場面で、わざと感情を抑えたように見せかけて、かすれた声の端に滲ませる孤独感。あえて完璧な発声を避けることで、銀時というキャラクターの『人間臭さ』を引き出しているんですよね。
他の作品でも彼の声は特徴的ですが、銀時に限っては、
台本の文字以上の何かを乗せてくる感覚があります。例えば『それでもお前の大事なモンは守れんのか』という台詞一つとっても、最初は
嘲るような調子から、最後にかすかに震える声に変化させて、キャラクターの本質を一瞬で浮かび上がらせる技術は圧巻です。