安全に作業するコツを順を追って説明します。まず
千枚通しを使う前に必ず道具の点検をしてください。柄が緩んでいないか、先端にひびや曲がりがないかを目視で確認し、刃先が錆びていたら布と軽い研磨で整えます。保護具は必須で、飛散や木くず対策として保護メガネをかけることを勧めます。作業着は袖や紐のないもの、手袋は指先の感覚が重要なので厚手でなくフィットするもの、あるいは付けない選択も考えますが、いずれにせよ「引っかかり」が発生しないことが重要です。作業台は安定させ、必要ならバイスやクランプで材料をしっかり固定してください。
作業手順は段階を追って行うと安全です。まずマーキングを行い、千枚通しを使う位置に対してフランク(受け材)を当てておくと貫通しても下地を傷めず安全です。私は硬い材に使うときは、いきなり強く押すのではなく、軽く位置を決める→少しずつ押し込む→必要ならねじる、という「段階的な進め方」を心がけています。持ち方は柄を握り込まず、掌の付け根で押すイメージで力を入れるとコントロールしやすく、急に滑って指を刺すリスクを減らせます。もう片方の手は必ず材料の逆側やクランプ操作用に置き、千枚通しの刺さる方向に手を置かないようにしてください。貫通が必要な場合は、先にドリルの下穴を使うか、千枚通しで浅く位置決めしてからドリルに切り替えると無理な力が不要になります。
作業中や後片付けも安全対策の一部です。使わないときは先端を被せる鞘に入れるか、先端を下に向けないよう収納します。柄に油や接着剤が付いて滑りやすくなったら拭き取り、定期的に研磨して切れ味を保つことで余計な力をかけずに済みます。万が一刺してしまった場合は、まず出血を止めて傷口を清潔にし、深ければ無理に異物を抜かず医療機関受診を検討してください。破傷風予防接種の有無も確認しておくと安心です。
最初は端材で何度か練習して感覚を掴むことをおすすめします。千枚通し自体はシンプルな道具ですが、ちょっとしたコツ一つで安全性と精度が格段に違います。自分の作業環境に合わせて道具の手入れと固定方法、手の位置をルーティン化しておけば、日々の木工作業がずっと快適で安全になります。