口語作品なら"I felt ashamed"や"I was embarrassed"で軽やかに訳すのが自然だが、古風でじっくりした語り口では"heavenly mortification"のような重い語を選ぶ場面もある。個人的には訳すたびに語感をメモして、同じ原語でも場面ごとに最も響く英語を探す遊びをしている。
Nathan
2025-11-14 04:13:51
翻訳の現場では、瞬間的な語感の取捨選択が勝負になると感じている。短いセンテンスで表現される『忸怩』なら、"ashamed"や"abashed"で十分伝わることが多いが、内面の長い反芻を示すなら"tormented by self-reproach"や"overcome with chagrin"といった言い回しを使いたくなる。
語形の扱いも重要で、名詞としての使い方なら"a sense of mortification"や"a pang of chagrin"と表現できるし、形容詞的に訳すなら"he felt mortified"や"she was chagrined"がある。加えて、訳文の読者層に合わせた語レベルも考慮する。学術的な注釈が許される訳なら"mortification"のような語で深さを出せるが、一般向けにはもう少し平易な語を選ぶことが多い。
「忸怩たる思い」という言葉、日本語ならではの複雑な感情を表す表現ですね。英語で一番近いのはおそらく"a pang of conscience"とか"a twinge of guilt"あたりでしょう。
でも実は、このニュアンスを完全に伝えるのは結構難しいです。"Remorse"や"Regret"は後悔の意味が強すぎるし、"Shame"はもっと外向きの恥ずかしさ。日本語の「忸怩」には、自分の中でもやもやと煮詰まるような感覚が含まれていますよね。
個人的には、"I felt a creeping sense of unease about what I'd done"なんて言い回しがしっくりくる気がします。特に『ノルウェイの森』を読んだ後、この感情を英語でどう表現するかずっと考えていたんです。翻訳版では"a deep-seated awkwardness"と訳されている部分もありました。