漫画の激しさに圧倒される瞬間がある。絵の密度と音が聞こえてきそうな描写で一気に引き込まれる──それが私が最初に感じた'
hellsing'の魅力だ。
ページをめくるたびに空気が変わるような演出、冷徹でどこかお茶目な主人公、そして暴力描写を恐れずに物語の核をえぐる力強さがある。序盤はホラー的な恐怖と吸血鬼ものの王道を踏襲しつつ、途中から軍事描写や政治の影が絡んでくる。この混ざり方が初心者にとっては刺激的で、単純な「バトル漫画」ではない広がりを見せる。
読むときのコツは、細部に目を凝らすことだ。背景や銃器の描き込み、キャラの視線などが次の展開を予感させる場面が多い。暴力表現やダークなテーマが苦手なら注意は必要だけれど、物語の骨格と独特の美意識を楽しめれば、入門として強烈で忘れがたい体験になる。