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合唱でパート譜を配る機会が多い立場から、印刷の実務的な流れを具体的にまとめておく。まず原譜を手に入れたら、パートごとに抽出する作業が必要で、『Finale』のようなソフトでは自動でパート譜を生成できるため非常に助かる。私は指導時にパートごとの音域や見やすさを確認して、必要ならト音記号とヘ音記号の切り替えやオクターブ表示を行うことが多い。
次に配布形式の選択だ。譜面の余白を広めに取って書き込みスペースを確保し、リハーサル時に指示を書き込みやすくしておく。ページめくりが多くなる箇所には改ページを蛇足なく調整し、リハーサル中の中断を減らす。PDFで保存したら、プリンタの両面設定や縦横方向の向きを確認してから大量印刷に進む。最後に一言付け加えると、著作権が絡む場合は必ず確認して、必要なら許諾を取るのが信頼されるやり方だと感じている。
譜面の用紙出力で失敗しないコツは、事前にレイアウトを細かく確認することだ。ソースがデジタルならフォーマットを確認しておく。MusicXMLやMIDIがあると『Sibelius』などの譜面ソフトで開いて編集でき、拍子や調をその場で直してからPDFに出力できる。私の場合、伴奏譜は歌い手が見やすいように小節ごとに改ページを調整し、ページの終わりで歌が切れないように注意する。
プリンタ設定も重要で、スケールを100%に固定して拡大縮小を避けると実際の音符の大きさが変わらない。紙質は厚め(80g/m2以上)を選ぶと破れにくく破損も防げる。複数パートを配るならパート名やパート譜番号を明記して、配布時に混乱が起きないようにしている。短い練習用なら白黒印刷で十分だが、強弱記号や指示を色分けしたいときはカラー出力も検討するとよい。
急いで伴奏譜だけをプリントしたいとき、ブラウザで完結する手段が便利だ。オンライン譜面サービスの『Noteflight』ならブラウザ上で譜面を編集し、そのままPDFにエクスポートできるので、ソフトをインストールしなくても対応できる。私も外出先のPCで伴奏譜を編集してPDF化し、すぐにコンビニで印刷することが何度かあった。
実際の出力では、ページ幅と余白の設定を事前に行い、複数段組みや小節の詰め過ぎに注意する。プリンタ側のドライバで両面印刷や用紙種類を指定すれば、耐久性も上げられる。簡易的にはグレースケールで印刷してインク節約、重要な指示は鉛筆で追記するのが手早い。必要な分だけ素早く出すなら、この方法が一番ストレスが少なかった。
楽譜をきちんと印刷して手元に置くと、歌いやすさがぐっと変わる。初心者向けにはまず入手した楽譜がどの形式かを確認するのが肝心で、PDFならそのまま、画像や紙ならスキャンしてPDF化するのが手軽だ。私は昔、手書きの譜面をスキャンして『MuseScore』に取り込んで調整した経験があるが、これで余白や段組みを直せると印刷が格段に見やすくなる。
次にページ設定。日本の一般的な用紙サイズはA4だから、ソフトのページサイズをA4に合わせ、上下左右の余白を3〜10mm程度に設定すると歌詞や小節が切れにくい。音符が小さすぎると読みにくいので、譜面サイズやフォントを拡大して見やすくすることをおすすめする。両面印刷にするか片面で挟むかも、実際の使い方に合わせて決めるといい。
最後に実際の印刷。プレビューでページ順や改ページ位置を確認してからPDF化し、家庭用プリンタかコンビニプリントで出す。『讃美歌21』などの既成の讃美歌集を扱う際は著作権に注意しつつ、練習用なら可読性を重視して調整するのが僕の流儀だ。慣れてくると、ちょっとしたレイアウト変更だけで歌いやすさが大きく変わるのが面白いよ。