駄作と呼ばれる作品には、実はストーリーテリングにおける貴重な反面教師が詰まっている気がする。例えば、キャラクターの成長が描かれずに突然強くなったり、伏線が回収されずに放置されたりするパターンは、物語の基本構造が崩れている典型例だ。
『とあるラノベ作品』で主人公が最終回でいきなり無敵の力を得た時、読者は納得感より困惑を覚えた。これは、力量の成長過程を丁寧に描く『ハンター×ハンター』のギンや『スラムダンク』の桜木と比較すると、その差は歴然だ。駄作の失敗から学ぶべきは、読者の感情を無視した都合の良い展開は、どんなに派手なアクションでも感動を生まないという事実。
ストーリーに深みを持たせるには、単なる出来事の羅列ではなく、キャラクターの内面と出来事の因果関係を丁寧に紡ぐ必要がある。駄作はこのバランスが崩れた時、どんなに美しい絵や豪華な声優陣でも作品を救えないことを証明している。