ページをめくるたびに、考えさせられる瞬間があるというのが僕の率直な印象だ。ここではテーマ性と物語構造に注目して別の代表作リストと入門ルートを示す。
まずランキング形式で触れると、1つ目は'紙の彗星'。寓意的な設定を通じて問いを投げかける長編で、構成がしっかりしているため中盤以降の展開が読みごたえある。次に'午後の指標'、短めだが象徴的なイメージで読者を包み込む。三番目は'冬のトリッパー'、叙情性が強く詩的な表現が好みなら刺さる作品だ。最後に'約束の
輪廻'、SF要素を取り入れつつ人間関係の深みを描く意欲作。
初心者には『紙の彗星』→『午後の指標』→『冬のトリッパー』→『約束の輪廻』の順が読みやすい。まずしっかりした骨格の作品で作家の核をつかみ、短編で表現の幅を味わい、最後に混合ジャンルで応用力を感じる、という流れを考えた。読後に残る余白が、この作家の魅力だと僕は思っている。