火葬の日にも来なかった夫、転生した私を追いかける
六年間の結婚生活――あったのは夜の狂宴だけで、昼のぬくもりなど一度もなかった。
寺原真衣(てらばる まい)は彼を心から愛し、どんな苦しみも甘んじて受け入れていた。
実の娘は「パパ」と呼ぶことさえ許されず、代わりに彼のずっと憧れ続けている女性の息子は、彼の膝の上で「パパ」と呼ぶことを教えられていた。
一族は養子を宝物のように大切な後継者とし、血のつながった子は、人目にさらせない汚点として扱われていた。
彼女と娘が命を落とし、彼が自ら火葬許可証に署名して、息子を憧れの女性の帰国祝いの宴に出席する――そんな日が来るまで。
心からの想いは、決して同じ心で返ってはこない。冷酷な人間には、もともと心なんてものはないのだと、彼女はようやく悟ったのだ。
人生をやり直し、屈辱と冷たさだけのこの結婚を捨てると決意した。
前の人生では、愚かにも学業を諦め、専業主婦として家族のためにすべてを捧げた。
だが今世では、迷わず離婚届を突きつけ、娘を連れて泥沼から抜け出し、もう一度キャリアを掴み、頂点へと舞い戻る――そう心に誓った。
真衣が出て行って一週間、高瀬礼央(たかせ れお)はただの我がままだと思っていた。
真衣がいなくなって一ヶ月、礼央はまるで気にも留めず、好きにさせていた。
真衣が去って何日目か……彼は業界トップクラスのエリートが集まるパーティーで、彼女の姿を見つけてしまった。
真衣は仕事一筋、娘は新しいパパ探しに夢中だった。
気づけば、真衣と娘は本当に自分を必要としていなかったのだ。
礼央はとうとう理性を失った。
冷酷で高慢だった彼は、世間の視線も顧みず、母娘を目の前で引き止め、必死に懇願した。「お願いだ、ここに跪くから……もう一度、俺を愛してくれないか?」