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紅の月、籠の鳥

紅の月、籠の鳥

■「なぜここに来たのだろう。どうしてここにいるのだろう」 自ら館に囚われる少年と、彼を慈しむ主の紳士。 二人の歪んだ愛の先に待つのものは、幸福か、破滅か。 完璧紳士×おっとり少年のダークファンタジーBL。
BL
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正義のヒロインとあの日の約束

正義のヒロインとあの日の約束

※本作は旧タイトル『ホーリーソウル』として公開されていた作品です。 恋と使命のはざまで揺れる、正義のヒロインの物語―― 木立あゆは、気弱だけどまっすぐな女子高生。 天界から選ばれ、人々の魂を蝕む“魔族”とたったひとりで戦っていた。 そんな彼女の前に、幼い頃の思い出の人――大川大地が現れる。 お互いにずっと想い合っていたはずの二人。けれど、あゆは彼のことを思い出せなかった。 それでも彼は、彼女のそばにいようと決める。 魔族は人の心の弱さに入り込み、魂を奪う存在。 あゆは、悪に堕ちた者たちの心に触れ、寄り添い、救いの光を灯していく。 忘れた恋と、背負わされた使命―― 揺れながらも、あゆがたどり着く“答え”とは。
恋愛
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レティアの虹色の冒険

レティアの虹色の冒険

レティアは祖父母に育てられた幼い少女。ある日、偶然にもかつて両親を奪った魔王を討伐してしまい、レベルが異常に上昇する。強大な力に戸惑いながらも、周囲に迷惑をかけぬよう魔法の制御を試みるレティア。やがて彼女は、自ら創り出した虹色の魔法生物と心を通わせ、敵すらも仲間にする力と優しさを身につけていく――これは、静かな森の奥で芽生える、無垢なる少女の冒険と成長の物語。
ファンタジー
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事故の日、彼の心は別の女へ

事故の日、彼の心は別の女へ

三年前、私は首都K市の大物、仲田純也(なかだ じゅんや)に薬を盛った。 あの夜、狂乱の果てに――彼は私を罰したのではなかった。 むしろ、彼は私の腰を強く抱きしめ、私の足が立たなくなるまで激しく突き、何度も何度も耳元で「姫」と呼んでくれた。 私が彼に告白しようとしたその瞬間、彼の憧れの人である倉下舞子(くらした まいこ)が戻ってきた。 彼は舞子のために、私が交通事故に遭うのを、母の遺品が野良犬に投げ与えられるのを黙って見過ごした。さらに、私が留置場に送られることさえ許した…… しかし、私が完全に心を閉ざし、H市へ飛び、別の誰かと結婚しようとしたとき――純也はK市の街中を探し回り、私を見つけるために必死に奔走していたのだった。
Short Story · 恋愛
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紙の蝶

紙の蝶

高木慎吾と婚姻届を出した年、私・清水花音は、大学院の一年生だった。 戸籍課を出ると、彼は会社の経営に戻るため急ぎ足で去り、私は学業へと駆け戻った。 再会は数か月後の冬休み。 胸を躍らせ、重いスーツケースを引きずって彼のもとへ向かった。 けれど扉を開けたのは、鮮やかな顔立ちの女だった。 彼女の視線は険しく、「あなたは?」と警戒の色を帯びていた。 私が答えるより先に、慎吾はその背後から姿を現した。 彼は私を見つめ、複雑な顔をしながら口を開いた。 「ただの親戚だ。しばらくうちに居候している」
Short Story · 恋愛
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永遠の桜の恋物語

永遠の桜の恋物語

 時は大正時代。とある日不思議な笛の音色に導かれた青年、宮森司は、満開の桜の下で天女のような絶世の美女に出逢う。どうやらその美女は桜の精霊らしくて……。  これは桜の精霊と優しい青年が送る、切なくて儚いラブストーリーである。散りゆく桜のような一瞬の恋物語を楽しんでいただけたら幸いである。 ※表紙イラストはイラストレーター「ヨリ」氏からご提供いただいた。ヨリ氏は保育士をしながら作品制作を行っている。 氏のInstagramアカウントは@ganga_ze
恋愛
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昨日の影、過去の風

昨日の影、過去の風

彼氏の誕生日パーティーの主役席で——私は、ひとり三時間も待ち続けていた。 華やかに着飾り、主役として登場するはずの彼——桐生律真(きりゅう・りつま)は、一本の電話で病院へと呼び出されていた。電話の相手は、彼が長年心に秘めていた初恋の人、藤崎詩織(ふじさき・しおり)。 足を捻ったという口実で、詩織は病院の個室で彼を待ち構え、自ら仕掛けたカメラの前で——彼にキスをねだった。 その唇が深く重なる頃——「足が不自由で立てない」はずの律真が、何の躊躇もなく立ち上がり、詩織を壁際に押し付けた。 「律真……どうして高梨文咲(たかなし・ふみさき)には、足が治ってることを隠してるの?」 詩織の問いに、彼は熱を帯びた声で囁いた。 「知られたら、結婚しろって騒ぎ出すに決まってるだろ。 あいつなんか、ただの無料の家政婦だ。俺が妻にする価値なんてない」 そして——彼と詩織は激しく絡み合い、詩織は私が心を込めてデザインした純白のウェディングドレスを身に纏いながら、カメラ目線で勝ち誇った笑みを浮かべた。 画面は、淫らな水音と共に途切れた。 そうか。彼は、最初からずっと私を騙していたんだ。 私は、彼のために作ったバースデーケーキを無言でゴミ箱に投げ捨て、震える指先で母にメッセージを送った。 「お母さん。わかった。お見合い、行くよ」
Short Story · 恋愛
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愛のタイムリミット

愛のタイムリミット

綾野隼人(あやの はやと)が初恋の人・藤宮玲(ふじみや れい)が離婚したと知った夜、隼人は酔いつぶれるまで酒をあおった。 私・綾野依織(あやの いおり)が夜中まで世話をしているあいだに、ふと隼人のスマホのアルバムを開くと、中はその女の写真でぎっしりだった。 翌朝、酔いが覚めた隼人は「俺たち、ちゃんと式を挙げ直そうか」と私に言った。 それが、その女を国内に呼び戻すための餌だって、私はすぐに分かった。 私は笑って、その申し出を受け入れた。 ただ、隼人が式場の契約書に署名していく、その束の中に、一通だけ、離婚協議書をそっと紛れ込ませておいた。
Short Story · 恋愛
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結婚した8年目、夫が彼の彼女を公表した

結婚した8年目、夫が彼の彼女を公表した

結婚して8年目、実力派俳優の彼は堂々とトップ女優の神崎心(かんざき こころ)との交際を宣言した。 さらに、彼女と一緒に「養子」の誕生日を祝った写真まで公開された。 いつものように電話で問い詰めることはせず、静観していた私だったが、彼のほうが落ち着かなかったようで、先に弁明してきた。 「これは僕たちが養子にした子だ。誕生日に父親として顔を出さないのはおかしいだろう?」 私の声は静かだった。 「養子なんてつまらないわ。離婚届にサインして、彼女と二人で子供を作ったらどう?」
Short Story · ラノベ
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髪を剃った君の左耳~ピアスホールに残った俺たちの十年

髪を剃った君の左耳~ピアスホールに残った俺たちの十年

慶林寺の副住職・隆寛(りゅうかん)は、剃り上げた頭と黒い僧衣の下に、ひとつだけ過去を残している。 左耳の、小さな穴。 大学時代、その耳に初めてピアスを通し、息を止めさせたのは、今や商社マンとなった浩人だった。 出家前夜まで激しく求め合いながら、「お前の未来の邪魔にはなれない」と笑って去った隆寛。 数年後、上司の葬儀で再会した二人は、僧侶と故人の部下という仮面を被ったまま、視線だけを交わす。 寺を継ぐ責務、空白の時間、修行で燃やそうとした恋情。 敬語と礼儀で固めた距離の内側で、まだ耳はあの頃と同じように震える。 いずれ、祈りと欲のどちらかを捨てなければならないのだろうか… 答えは、まだ雨音の向こうに隠れている。
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