元神の狼少女と神の見える少女〜1000年の孤独から、現代の愛と幸せを知る物語〜

元神の狼少女と神の見える少女〜1000年の孤独から、現代の愛と幸せを知る物語〜

last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-07
Oleh:  ユウキ・アカツキOngoing
Bahasa: Japanese
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1000年間、神様としてのルールを守り続け現代まで存在している狼の土地神である澪。 今まで、変わることなく限界し続け人間の移り変わり代わりなどを眺めていた澪はこれからも土地神として役目を果たすのだと思っていた。 しかしある日…… 神が見えるという謎の少女が澪の元を訪れた時、物語が動き出す。 その少女の名は葵。 葵はどうやら、澪のことを知っているようで、式神になって欲しいと契約を持ちかけるが…… 元神の少女と陰陽師との心温まる現代ファンタジー、ここに開幕!!

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Bab 1

第1話土地神様と陰陽師の末裔

浮気する男は皆、携帯を二台持つものなのか。九条薫(くじょう かおる)は知らなかった。

藤堂沢(とうどう さわ)がシャワーを浴びている時、愛人から自撮りが送られてきた。

清楚な顔立ちの若い女性だった。だが、年齢に不釣り合いな高級そうな服を着ていて、どこか落ち着かない様子だった。

「藤堂さん、誕生日プレゼント、ありがとうございます」

九条薫は目がしみるまで、それを見つめていた。藤堂沢の傍に誰かいることは薄々気づいていた。だが、こんな女性だとは思ってもみなかった。心に痛みを感じると同時に、夫の好みに驚いた。

ああ、ごめんなさい。藤堂沢の秘密を見てしまった。

背後から浴室のドアが開く音がした。

しばらくして、藤堂沢が水滴を纏いながら出てきた。真っ白な浴衣の下から、鍛え上げられた腹筋と逞しい胸板が覗き、男らしい色気が漂っていた。

「まだ見てるのか?」

彼は九条薫の手から携帯を取り上げ、彼女を一瞥すると、服を着始めた。

妻に秘密を見破られたという気まずさは、彼の表情にはちっともなかった。彼の自信は経済力からきていることを、九条薫は分かっていた。結婚前は有名なバイオリニストだった彼女も、今は彼に養われているのだから。

九条薫はその写真のことを咎めなかった。咎める権利など、彼女にはないのだ。

彼が出かける準備をしているのを見て、彼女は慌てて口を開いた。「沢、話があるの」

男はゆっくりとベルトを締め、妻を見た。ベッドの上での彼女の従順な姿を思い出したのか、鼻で笑った。「また欲しくなったのか?」

しかし、その親しげな態度は、ただの遊びに過ぎなかった。

彼はこの妻を真剣に愛したことは一度もなかった。ただの事故で、仕方なく結婚しただけだった。

藤堂沢は視線を戻し、ナイトテーブルの上のパテック・フィリップの腕時計を手に取ると、淡々と言った。「あと5分だ。運転手が下で待っている」

彼の行き先を察し、九条薫の目は曇った。「沢、私、働きたいの」

働く?

藤堂沢はベルトを締め、彼女をしばらく見つめた後、ポケットから小切手帳を取り出し、数字を書き込んで彼女に渡した。「専業主婦でいる方がいいだろう?仕事は君には向いていない」

そう言うと、彼は出て行こうとした。

九条薫は彼の後を追いかけ、縋るように言った。「大丈夫!働きたいの......私はバイオリンが弾けるんだから......」

男は聞く耳を持たなかった。

彼の目には、九条薫は甘やかされて育った、頼りない女に見えた。飼い慣らされて、外で働くことなど到底無理だと思っていた。

藤堂沢は腕時計を見て言った。「時間だ!」

彼は未練なく出て行こうとした。九条薫は引き留めることができず、彼がドアノブに手をかけた時、慌てて尋ねた。「土曜日はお父さんの誕生日なんだけど、時間あるの?」

藤堂沢は足を止め、「まあ、考えておく」と言った。

ドアが静かに閉まり、しばらくすると階下からエンジンの音が聞こえ、次第に遠ざかっていった。

数分後、使用人が階段を上がってきた。

夫婦仲が良くないことを知っている使用人たちは、伝言を伝えた。「ご主人は重要な用事があるので、H市に数日行くそうです。それから、たった今会社からご主人の着替えが届きました。クリーニングに出しますか?それとも奥様が洗濯なさいますか?」

九条薫はソファに正座していた。

しばらくして我に返り、彼女は小さな声で言った。「私が洗う」

藤堂沢はドライクリーニングの溶剤の匂いが苦手なので、スーツやコートを含め、彼の服はほとんど九条薫が手洗いしてアイロンをかけているのだ。

それ以外にも、藤堂沢は色々と要求が高かった。

彼は外食を好まず、寝室が少しでも散らかっているのを嫌った。そのため、九条薫は料理、整理整頓、生け花などを習い......完璧な専業主婦になっていった。

彼女の人生は、ほとんど藤堂沢で埋め尽くされていた。

しかし、藤堂沢はそれでも彼女を愛していなかった。

九条薫は俯き、小切手を見つめた。

去年、彼女の実家は破産し、兄は勾留され、父は急病で毎月200万円以上もの医療費がかかることになった。実家に帰るたびに、おばさんからは藤堂沢からもらうお金が少ないと文句を言われる。

「彼は藤堂製薬の社長で、資産は何千億もあるんだ......彼の妻なんだから。彼のものは、薫のものじゃない?」

九条薫は苦笑いをした。

藤堂沢のものが、どうして彼女のものになるというのだろうか?

藤堂沢は彼女を愛していない。普段は冷淡で、彼らの結婚生活にはセックスはあっても愛はない。彼は彼女に子供を産ませることすら許さず、毎回セックスの後には避妊薬を飲むように言うのだ。

そう、彼女は薬を飲まなければならない。

九条薫は薬の瓶を探り当て、一粒取り出して、何も感じずに飲み込んだ。

薬を飲み終えると、彼女は小さな引き出しを静かに開けた。中には分厚い日記帳が入っていて、ページを開くと18歳の九条薫の藤堂沢への溢れるばかりの恋心が綴られていた――

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第1話土地神様と陰陽師の末裔
『澪《れい》…澪は絶対に人間の前に姿を出しちゃいけないよ』『どーして?おかあさま』『それは、ウチ達が神様だからよ。だから決して人間に姿を見せたらウチ達やその人間にも不幸が降り掛かってしまう。それを避けるためなのよ』『ふーん』『今はわからなくていい、だから大人になったらわかるかもね。だって、うちのれいは凄いんだから』 なんて…昔お母様に言われたことを不意に思い出した。 あの後なんて言ってたんだっけな。 今はもう覚えてない。 だって凄い小さい時だったんだから。 でも、どうしてだろ。 お母様が亡くなった後もこの約束というか契というか… それをずっと守り続けている。 だからこそ、人間がどんなものかなんて今はわかるけれど触れることも見ることも出来ない。 なんせ、神は人間と触れてしまったら消えてしまうのだから。 夜 この暗い暗い夜の帳が降りている中、本来なら誰も居ないと思うはずなのだが。 今は、こんなにも明るくなっていてとても信じられないけれど昔はほんと辺り一帯が暗くなって提灯の灯りがないと山の闇に飲まれてしまうことが多かったのだが…… この、奇っ怪な建物が乱立したこの土地を見て驚きというものが隠せないが今ではもう慣れてしまったものの。 夜のこの暗い闇の中を歩き回る人間たちとそれを照らし出す無数の光がとても当たり前になっているのがほんとに今でも驚きだ。 昔では到底考えることが出来なかったが人々の成長によって生まれたそれらはほんとに凄いと私は今でも思う。 それに、人間同士の大きな争いの後瞬く間にこんなものが出てきたのだから。 ほんとに凄いなとつくづく思う。 そんな事で驚くのも束の間。 もっともっと大きい物も出てきたり、電車と呼ばれる箱のものが人を乗せて動く場面を目撃したり、はたまた空には鳥のような…&hel
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第2話土地神様と葵の目的
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ー数日後ー 「はぁ……はぁ……」 やばい……段々神力の維持が困難になってきた…… これは……ほんとにまずい…… この土地に神力を注ぎ込みすぎたか…… それとも……やっぱり、人間になるのか…神としての役割を終えて……死ぬのか…… どっちか、なんてわかるわけが無い。 実際、お母様がどうして死んじゃったのか……そんなの今になってもわかんない。 1000年生きてきたけれど手がかりすらない。し……ウチも見つけようとしたけれど今となっては知らない子の方が多い。 もう、陰陽師や色んな妖怪との戦い、はたまた神の力を使い果たして消えてしまった子の方が多い。 だからこそ昔のことを知っていて尚且つ強大な力を持っている神として残っているのはもうウチしかいないし…… どうしようかな…… いやいや…そもそもそれどころの話じゃないだろう…… 今は自分の身体の心配をするべきだ。 こうして……今にでも死にそうな身体をしているのに何も出来ないだなんて…… 終わりもいい所だ…… 「もう…このまま…誰にも見つからずに…死ぬのかな……」 その方が、この土地にも迷惑をかけないし……ちゃんと力を使い果たして死んだ方が…… いいのかもしれない…… 「そう思ったはいいけど……」 眠気、怠さ、神力がどこかに持ってかれる感覚といい…… ほんとにこれ…… 並の神が耐えられるものなの……? 完全に…殺しに来てる気がするんだけど…… もう、耐えることすらできない気がする…… 詰みだ。 これは……詰んでしまった。 何も出来ずに
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