子宮外妊娠だなんて、全部あなたの嘘だった
妊娠三ヶ月目、私は医師から子宮外妊娠と診断された。
夫は取り乱し、あちこちに頭を下げて手術の手配に奔走していた。
「君さえ無事なら、それでいい。たとえ自分の子どもじゃなくても、養子を迎えれば同じことだよ。
つかさ、君を失うなんて、絶対に無理だ……!」
私は自分が情けなくてたまらなかった。子どもすら産めず、夫に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
――けれど、そんな私の背後で、夫が別の女性と話しているのを聞いてしまった。
「大丈夫。もう彼女には『子宮外妊娠で産めない』って伝えてある。
これから養子縁組の書類にサインさせる。あとは君を家に迎え入れる段取りをするだけだ。
祐くんは俺のたった一人の息子なんだ。俺の財産はすべて、彼に継がせる」
その瞬間、私はすべてを悟った。
――愛していたはずの夫は、ずっと前から私を裏切っていたのだ。すでに「もう一つの家庭」を持っていたなんて。