裁かれた罪と、真実の愛の夜明け
「御影柊夜(みかげ しゅうや)は妻を命よりも愛している」――世間はそう噂した。彼は星野凛音(ほしの りおん)のために身を挺して刃物を受け、土下座し、涙を流したこともあった。
だが、凛音の母が何者かに轢き逃げされ集中治療室へ送り込まれ、兄が強姦の濡れ衣を着せられて投獄された時、その元凶である白鳥瑠奈(しらとり るな)は、あろうことか柊夜によって帝都郊外の邸宅に囲われ、この上ない寵愛を受けていた。
彼は瑠奈に触れることすら惜しみ、瑠奈のために自制心を保ち、欲求を押し殺していた。
瑠奈を刑務所に入れないため、彼は凛音に告訴を取り下げるよう強要した。その結果、凛音の母は病院で惨死し、兄は実刑判決を受けた。
瑠奈が家に上がり込み、凛音の子供を死に追いやり、凛音を棒で打ち据えて関節をことごとく砕いた。
その一切を、柊夜は黙って見ていた。
それだけでなく、瑠奈のために自らの手で一面のバラ園を作り上げ、かつて凛音と分かち合った愛の記憶を、その鮮やかな赤で塗り潰した。
周囲が「やりすぎだ」と忠告しても、彼は冷笑を浮かべるだけだった。
「どうせ、凛音は俺から離れられない」
やがて絶望した凛音は、一枚の離婚届受理証明書だけを残して姿を消した。
彼はパニックに陥り、凛音を見つけ出すために帝都中を隈なく探し回った。
再会した時、凛音は別の男の手を引き、柊夜を見るその瞳には愛の欠片も残っていなかった。
過去に彼が与えた傷を、凛音は一つ残らず倍にして返す。
彼が今手にしているすべてを、少しずつ奪い、破壊し尽くす。
彼は目を赤く腫らし、凛音の視線が一度自分に注がれることだけを願い、持てるすべてを投げ出した。
だが、凛音が望むのは――彼との永遠の復讐劇だけだった。