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永遠の密やかな恋人

永遠の密やかな恋人

花辞樹高嶺の花妻を取り戻す修羅場切ない恋逆転片思い幼なじみ愛人クズ成敗後悔
私は兄の親友である嶋谷宏(しまたに ひろし)と三年間恋人関係にあった。けれど、彼は一度も私たちの関係を公にしようとはしなかった。 それでも、彼の愛を疑ったことはなかった。何しろ、宏はこれまでに九十九人の女と関わってきたのに、私と出会ってからは他の女を一瞥すらしなくなったのだから。 私が軽い風邪を引いただけでも、宏は数十億円規模のプロジェクトを放り出し、すぐに家へ駆けつけてくれた。 誕生日の日も、私は嬉しくてたまらなかった。宏に、私が妊娠したことを伝えるつもりでいたのだ。ところがその日、宏は初めて私の誕生日を忘れ、姿を消した。 家政婦の話では、彼は「大切な人を迎えに行く」と言った。 私は胸騒ぎを覚えながら空港へ向かった。そして、花束を抱え、落ち着かない様子で誰かを待つ宏の姿を見つけた。 ――私にとてもよく似た女の子を、待っていた。 後で兄から聞かされた。その女は、宏が一生忘れられない初恋の人なのだと。 宏は彼女のために両親と決裂し、彼女に捨てられた後は心を病み、彼女に似た女を九十九人も傍に置いて生きてきたのだと。 兄がそう語るときの声には、宏への同情と感慨が滲んでいた。 けれど、兄は知らない――大切にしてきた妹の私が、その「百人目」だということを。 私はあの二人の姿を、ただ黙って、長い間見つめていた。そして、迷いなく病院へ戻った。 「先生、中絶手術を受けたいです……」
11.1K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 353 回追加されました
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恩讐の彼方

恩讐の彼方

ちょうどよかった切ない恋愛人ひいき/自己中クズ男カウントダウン
桜木南(さくらぎ みなみ)は、特区の官舍で誰もが知る「棘のある薔薇」だった。 財閥令嬢の出身で、海外留学経験があり流暢な外国語を話し、さらにダンスカンパニーのトップスター。彼女を追う男性は数え切れないほどだった。 しかし彼女は、親同士の命の恩義から、スラム街出身で無骨な警備隊長・北村剛(きたむら ごう)と結婚することになった。 人々は皆、「美しい花が泥沼に捨てられたようなものだ」と噂した。 だが南だけは知っていた。自分が剛に惹かれたのは、最初は顔だったかもしれないが、最後はその誠実な人柄に忠誠を誓ったからだと。 初めての出会い、剛は彼女を下品な冗談のネタにする部下たちを一喝した。 二度目の出会い、南は普段笑わない彼が裏庭でこっそり野良猫の親子を世話しているのを見た。 三度目の出会い、剛は命懸けで暴漢から彼女を救い、片腕が骨折した。 その時から、南は自分が彼に堕ちたことを悟った。 必死のアプローチの末、彼女はようやく念願叶って剛と結婚した。 愛のある結婚だと思っていた。しかし結婚して七年、彼女はようやく気づいた。剛は一台の機械のようだった。 夜の営みさえも毎月決まった時間、決まった場所、決まった体位で。 妊娠しても、彼の計画にないからという理由で中絶させられた。 剛はミスを許さない精密機器のように、すべての物事を規定通りに進めなければ気が済まない男だった。 彼女は、剛が取り乱す姿など想像すらできなかった。 あの日、行為の最中に彼が一本の電話を取るまでは。 山が崩れても顔色一つ変えないはずの男が、初めて慌てふためく表情を見せたのだ。
10.1K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 342 回追加されました
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鷹野社長、あなたの植物状態だった奥様は子連れで再婚しました

鷹野社長、あなたの植物状態だった奥様は子連れで再婚しました

花辞樹(かじじゅ)現代CEO・社長・御曹司後悔離婚後離婚
穂坂景凪(ほさかけいな)は十五年もの長い間、鷹野深雲(たかのみくも)を一途に愛し続けてきた。 しかし、出産の日、彼女は植物状態になってしまった。 その病室で、深雲は彼女の耳元で優しく囁いた。「景凪、もう二度と目覚めないでくれ。お前はもう、俺にとって何の価値もないんだ」 優しくて情の深い夫だと信じていた彼が、自分に向けていたのは、ただ尽きることのない嫌悪と利用だけだったと、景凪は初めて知った。 命懸けで産んだ二人の子供たちは、彼女の病床の傍らで、深雲の初恋の女に向かって、無邪気に「ママ」と呼びかける。 完全に絶望した景凪が目を覚ましたとき、彼女が最初にしたことは、迷いのない離婚だった。 だが離婚して初めて、深雲は気づく。自分の生活の隅々に、景凪の面影が染みついていることを。彼女は、既に彼にとってなくてはならない存在になっていたのだ。 再会した景凪は、トップクラスの医薬専門家として会議に現れ、眩いばかりの輝きを放ち、全ての視線を奪っていく。 かつて彼だけを見つめてくれていたあの女性は、今や彼に一瞥すらくれない。 きっと景凪はまだ怒っているだけ。自分が一言謝れば、彼女は必ず戻ってくる。彼女は自分を深く愛しているのだからと、深雲はそう信じていた。 だが黒瀬家の新当主――黒瀬渡(くろせわたる)の婚約パーティーで、深雲はこの目で見てしまった。華やかなウェディングドレスに身を包んだ景凪が、満面の笑みで渡の胸に飛び込み、その瞳に愛情だけを映している姿を。 深雲の心は嫉妬に狂い、手にしたグラスを握り潰し、流れる血で手が真っ赤に染まっていた……
9.9391.8K ビュー連載中懸疑 としてライブラリに 13.7K 回追加されました
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再婚したら、元夫と息子が泣いてるんですが?

再婚したら、元夫と息子が泣いてるんですが?

鈴木真知子隠し身分強いヒロインCEO・社長・御曹司独立後悔逆転おやこの追悔
氷室彩葉(ひむろ いろは)が流産し、たった一人で絶望の淵にいた日。夫の氷室蒼真(ひむろ そうま)と息子は、彼の「特別な女性」を喜ばせるため、彼女が愛してやまない舞台を観劇していた。 「お前はいつもそうだ。騒いでも意味がない」 「パパ、ママを替えてよ。あの人、すっごくウザいんだ!」 愛する夫は、忘れられぬ女の誕生日を祝い、命をかけて産んだ息子は、自分からすべてを奪ったその女を守ると誓う。 彩葉は血が滲むほど唇を噛みしめて微笑むと、五年もの間自分を縛り続けた結婚という名の牢獄に、自ら別れを告げた。 彼女が出ていってもすぐに泣きついて戻ってくる──そう信じて疑わなかったバカ親子。しかし彼らの予想に反し、彩葉は二度と手の届かない、眩いばかりの存在へと羽ばたいていく。 「社長!奥様がデザインされた車が、我が社の売上を抜き、全国一位に!」 「社長!奥様がAIデザインコンテストで世界一の栄冠を!」 「社長!奥様が、海外の大統領主催の晩餐会に国賓として招かれました!」 腸が煮え繰り返るような後悔に苛まれた蒼真は、息子を引きずりながら彩葉の前にひざまずく。 「頼む、彩葉!もう一度俺を愛してくれ!お前の望むなら、犬にでも何でもなる!」 だが、重いドアの向こう側では、息をのむほどイケメンが彼女の前に跪いていた。男は首元の革の首輪を示すように、ダイヤモンドが散りばめられたリードをそっと彼女の手に絡ませると、狂おしいほどの熱を宿した瞳で囁いた。 「ご主人様。今日から僕は、あなただけのものだ。どうか、そばに置いてほしい……」
10628.7K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 22.0K 回追加されました
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sayu
732話で完結。登場人物一人一人の心情が細やかに表現されていて、わかり易く描かれています。さらに展開も速く、読んでいて飽きませんでした。後半の内容があらすじとは違うストーリー?になっていましたが、総合的には満足して、スカッと読み終えました。ヒロインの周りを固める魅力的な登場人物達のストーリーと、ヒロインカップルのその後や瞳真と万里の成長してからのライバルストーリーとか…シーズン2読んでみたい!! 作者様、シーズン2宜しくお願い致します。そう願うほど面白かったです。
山下美津子
読了しました。エンディングが盛り上がり過ぎて怒涛の展開でした。作者さんがもう終わりたくて仕方がなかったのでしょうな?と、思えるくらいに。皆さんが言われるように髪ゴムの謎とか、るりちゃん、夢ちゃんのハッピーエンドとか、未だ回収されてないフラグが多すぎて不完全燃焼です!北川理がいろはっちを諦めたのか(結構彼のことが気にいった読者が多かったよう)プライドが高過ぎただけの氷室の皆さんのその後とか気になります。まとめて番外編書いて欲しいです。
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凍える愛の終焉に ―さよなら、偽りのマリアージュ―

凍える愛の終焉に ―さよなら、偽りのマリアージュ―

手足あせだく浮気・不倫隠し身分CEO・社長・御曹司天才後悔逆転
「愛されている」という錯覚が、一番の毒だった。 実業家の瀬戸和真(せと かずま)と結婚した際、世間では彼に長年忘れられない「運命の女性」がいると囁かれていた。 けれど、役所に婚姻届を出しに行こうと手を引いてくれたのは彼自身だったし、「あの子とはもう過去のことだ」という言葉を信じたのも、妻である瀬戸実花(せと みか)自身だった。 結婚して三年間。従順な妻を演じ続けていれば、いつか彼の凍った心も溶けるはずだと信じて疑わなかった。 あの日――和真が「かつての恋人」を優先し、実花の父親が受けるはずだった新薬の治験枠を独断で奪ってしまうまでは。さらに彼は、義父の葬儀にまでその女を同伴させたのだ。 「……もう、終わりにしましょう。離婚して」 愛を捨てた実花の再出発。周囲は「瀬戸家に捨てられた哀れな女」だと嘲笑ったが、ほどなくして世界は衝撃に包まれる。 国際的に名を馳せる天才画家『Rose』の正体は彼女であり、政財界に影響力を持つ名家の令嬢、そして国の重要アートプロジェクトのリーダーもまた、実花だったのだ。 かつて見向きもしなかった元夫は、あまりの変貌ぶりに膝をつき、必死に縋り付く。「実花、僕が悪かった……戻ってきてくれ。君と子供を、今度こそ一生大切にするから」 しかし、後悔に震える和真を遮るように、別の男が実花の腰を力強く抱き寄せた。男は彼女の耳たぶが赤く染まるほど甘く深い口づけを落とし、独占欲を剥き出しにして言い放つ。 「勘違いするな。この女に相応しいのは、世界で俺一人だけだ」
1024.6K ビュー連載中懸疑 としてライブラリに 640 回追加されました
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夫と息子に悔いを残させないために

夫と息子に悔いを残させないために

スイカ切ない恋ドロドロ展開強いヒロイン/強気ヒロインひいき/自己中しっかり者婚姻生活家族もの後悔
夫の幼なじみ、高橋花音(たかはし かのん)が不治の病にかかった。 彼女に悔いを残させないように、家族の愛を感じさせてあげたい――そう言って、夫の藤田和真(ふじた かずま)は私のネックレスを彼女に譲り、私の誕生日プレゼントすらも彼女に渡した。 それだけじゃない。私たちの息子までが、彼女のことをこっそり「ママ」と呼んでいた。 「結菜、花音はもう長くないんだ。少し譲ってやってくれよ」 私が少しでも、花音から和真の時間や気持ちを分けてほしいと願ったとき、いつも先に口を開くのは息子の藤田翔太(ふじた しょうた)だった。 「ママ、いつも僕に優しくしなさいって教えてるでしょ?花音おばさん、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだよ。なんでママはいつも意地悪みたいに言うの?」 そう言われるたびに、私は何も言えなくなっていった。 いつしか私は、何も求めなくなっていた。 ある夜、病院から帰ってきた息子が、夫に話しかけているのをこっそり聞いてしまった。 「花音おばさん、すっごく優しくて上品だよね!ママも花音おばさんみたいだったらよかったのに!」 和真は穏やかに笑って、息子の前髪を優しく撫でながら言った。 「お前のママはちょっと厳しいけど、それも全部お前のためだよ。でも花音おばさんが好きなら、パパが彼女をお前の義理の母にしてあげようか?」 ……私が命懸けで産んだ子どもも、私のことを好きじゃなかったんだ。 私はそっと目を伏せ、何も聞かなかったふりをして、静かに寝室のドアを閉めた。 すべてがなかったことのように。 その父子がそこまで私が嫌なら―― 私は静かにこの家を出て、彼らの願いを叶えてあげよう。
45.3K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 1.5K 回追加されました
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婚約者に殺された私が、彼のマフィア兄に嫁ぐまで

婚約者に殺された私が、彼のマフィア兄に嫁ぐまで

フロステッド・キャベツMafiaダブル転生妻を取り戻す修羅場片思いスカッと逆転
父が私に問うた――誰と政略結婚をするつもりかと。生まれ変わった今世で、私はもうレナードを選ばなかった。代わりに選んだのは、彼の実兄――イヴァン・ヴィットリオだった。 父は困惑の表情を浮かべた。シカゴ中が知っているではないか、私とレナードは幼馴染で、十年もの間彼の後を追い続けてきたのだと。ルチェーゼ家の令嬢として、一族の縁組リストには私の名前が彼の隣に刻まれて久しく、誰もが私たちの結ばれることを運命と信じて疑わなかった。 苦笑いが漏れる。前世を思い返せば、私は念願叶ってレナードと結ばれた。けれど結婚後、彼は一度たりとも私に触れることはなかった。何か口にできない病を患っているのだと思い込み、必死になって彼の秘密を守り抜こうとした。 結婚六周年の記念日――その日、偶然にも彼の書斎の金庫を開けてしまった。 中には整然と並べられていた。私が父に頼んで引き取らせた養女との写真の数々が。それどころか、二人の間には既に二歳になる隠し子までいて、三人家族の写真は幸せそのものだった。 その瞬間、ようやく理解した。彼に病気などなかった。ただ一度たりとも、私を妻として見ていなかっただけなのだと。 私から逃れるため、彼は義妹と手を組んで私を殺害した。生まれ変わった今、私は二人の愛を成就させてやることにした。 けれど、ウェディングドレスに身を包み、イヴァンの腕に手を添えて教会へと歩を進めたとき、レナードが銃を手に現れた。狂ったように駆け寄ってくる。 「メドリン!」嗄れ果てた声が、今にも引き裂かれそうに響く。「よくも……っ!」
24.1K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 819 回追加されました
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あなたと歳月に、捧げすぎた愛の代償

あなたと歳月に、捧げすぎた愛の代償

雪たん切ない恋逆転愛人ひいき/自己中不倫妻を取り戻す修羅場
陛下の勅命により、楚煜(そ いく)が鎮南大将軍に任じられたその日。彼は蘇清婉(そ せいえん)を屋敷へ連れ帰り、側妻として迎えると言い出した。 屋敷中の者たちは皆、驚きを隠せず、一斉に私へ視線を向けた。というのも五年前、彼が私を娶ったとき、大勢の人々の前で「生涯、この人ただ一人と添い遂げる」と誓っていたからだ。 その誓いのために、この五年間、私は名家の娘としての誇りも体面も捨て、彼のために権力者たちのもとを奔走してきた。私財を投げ打ち、無名だった彼を今の地位にまで押し上げた。 彼が人にはめられて投獄され、命さえ危うくなったときも、私は正殿の外に三日三晩ひざまずき、命を懸けて助命を願い、ようやく彼を死の淵から連れ戻したのだ。 彼は私をこの上なく大切にし、私もまた、彼を命より大切に想っていた。 だからこそ、その場にいた誰もが待っていた。私が怒りを爆発させるのを。かつて楚煜を守ってきたように、最後の尊厳だけは守ろうとするのを。 けれど、私はそうしなかった。ただ静かに、屋敷を預かる証である鍵を蘇清婉の手に載せた。 「ここまで、主母という役目は十分に果たしました。これからは、この屋敷をあなたにお任せします」 楚煜は一瞬、言葉を失い、やがて冷たく笑った。 「沈蘅(しん こう)、今の俺の立場では、もはやお前に俺を縛れないと分かったのだろう。ようやく物分かりがよくなったな。そうでなくては」 私は彼を見つめ、ふいに笑いたくなった。 彼は知らない。蘇清婉がこの家に入ったその時から、自分の死期も遠くはないことを。 私はもう、今日だけ彼を縛らないのではない。これから先の人生で、二度と彼に手を貸すことはないのだ。
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仇敵の妻〜私を救い出した夫は黒幕〜

仇敵の妻〜私を救い出した夫は黒幕〜

方円切ない恋愛人ひいき/自己中スカッと後悔妻を取り戻す修羅場
我が家が取り潰しに遭った日、死罪を待つ身から高官へと成り上がった幼馴染の塗景(とけい)は、皇帝から賜った死罪を免じる証を手に、皇宮の正殿の長い階段を一段一段、膝をついたまま登り、私・沈卿雲(しんけいうん)を妻に迎えたいと懇願した。 結婚初夜、私たちは寝所で、一晩に何度も重なり合った。 だが、わずか数ヶ月後のこと。身重の体で彼にお茶を届けに行くと、塗景と側近のこんな会話を耳にしてしまった。 「塗様。沈家に、かつてご一族百名余りを無残に殺されたというのに…… 一族の仇を討ち果たしたのち、なぜ仇の娘など救い出し、あろうことか妻に迎えたのですか?」 「復讐のためだ。なぜ俺だけが恨みを背負い、生きた心地もしない地獄を味わわねばならない? 沈卿雲にも、俺と同じ地獄を歩ませる。生きていれば不幸になり、死ぬことも許されない苦しみの中でな」 胸が張り裂けるほどの絶望のなか、私はひどく病弱な息子を産み落とした。 塗景は冷ややかな目で私を見下ろした。 「沈家の血を引く人間とは、どいつもこいつも出来損ないだな。 お前と同じように」 それから6年間。塗景を殺して息子の塗書陽(としょよう)を連れ去ろうと、132回も企てた。 しかし、そのすべてが失敗に終わった。 そしてあの日。塗書陽がうっかり檀木の箱を落として壊してしまった。罰として祠堂(しどう・先祖を祀る部屋)の冷たい床に跪かされたあの子は、意識を失ってしまった。 私はまたしても毒入りの酒を用意し、狂ったように復讐しようとした。 その時、側室の祁絮(きじょ)が塗景の腕の中で甘く笑う声が聞こえた。 「景さん、卿雲さんが命懸けで産んだ子供を、景さんが自分の手で殺したと知ったらどうかしら? 6年間、私たちの子の面倒を見させていたと知ったら、狂ってしまうんじゃないかしら?」
8.5K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 280 回追加されました
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101回目のプロポーズ

101回目のプロポーズ

世界ぶっ飛び幼なじみ逆転ドロドロ展開愛人ひいき/自己中不倫
私、藤堂亜衣(とうどう あい)は、恋人の渡辺颯太(わたなべ そうた)から、これまでに九十九回プロポーズされてきた。そしてそのたびに、彼の幼なじみである葉山鈴(はやま すず)は、決まってうつの発作を起こしたのだ。 颯太が百回目のプロポーズをしてきたときも、その構図は変わらない。 彼はいつものように唇の端に甘ったるい笑みをにじませながら、鈴からの電話に出た。そして、ため息まじりに私のほうを見て言う。 「鈴の具合がまた悪くなった。今日のプロポーズは中止だな」 今日が私の誕生日だってことなんか気にも留めず、彼はテーブルに並んだ料理を手慣れた様子で次々とテイクアウト用に包んでいった。 怒りをぶつけられるのを恐れているくせに、その瞳にはどこかうんざりした色が浮かんでいて、私に向かって説教を始める。 「お前が鈴を妬んでるのは分かってる。でもあっちは病人なんだぞ? お前は軍人なんだし、鈴に譲ってやるのが当たり前だ」 彼は、鈴が箸をつけて残した料理を「全部食べろ」と命じた。さらに、夜中の三時に山を登って、ひ弱な鈴に防寒コートを届けろと私を無理やり行かせた。 鈴のSNSには、颯太と抱き合う写真が挑発するように並んでいる。それでも颯太の口から出てくるのは、やはり私を責める言葉だ。 「そこまで追い詰めないと気が済まないのか?鈴をうつに追い込んで楽しいのか?これが軍人の品位かよ。お前のその意地の悪さ、本当に気持ち悪い」 こうして彼は何度も何度も、私の人間性を疑い、道徳心を踏みにじってきた。 けれど最後の一度だけ、私はただ、手の中の軍の特殊部隊から届いた極秘任務の召集令状に視線を落とし、一言も発さなかった。 颯太は、何も分かっていない。 今度は、私が彼を切り捨てる番だ。
9.4K ビュー完了懸疑 としてライブラリに 368 回追加されました
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