生まれ変わって家族から逃げたら、みんな後悔し始めた
生まれ変わった私は、家族と恋人を蛇蝎のごとく避けている。
彼らが私の誕生日を祝おうとすれば、出張だと嘘をついた。
両親が実家に戻ってこいと言えば、即刻自分でマンションを買った。
恋人からプロポーズされても、その足で別の男と婚姻届を出した。
前世、妹と二人で洪水に流され、私は運良く木の枝に引っかかり助かったが、妹は溺れ死んだ。
すると両親は私の首を絞め、罵倒した。「お前のせいで、瑠奈(るな)が死んだんだ!」
恋人は何事もなかったかのように私を慰め、そのまま結婚した。
しかし結婚記念日、家族旅行で乗ったクルーズ船のデッキから、私は彼ら自身の手で突き落とされた。
「お前も味わうがいい、溺れ死ぬのを!」
そうだ、彼らは全員、瑠奈妹が死んだのは私のせいだと思っていたのだ。
恋人が心の底から愛していたのも、ずっと瑠奈妹の方だった。
だから今世は、自分のために生きる。
再び目を開けると、私は、瑠奈妹と二人川に落ちたあの日に戻っていた。