神様を殺した日
幸福は、AIによって数値化される時代。
すべてが最適化された社会では、人々は争わず、迷わず、悲しまずに生きている。
だが、それは「幸福を選んでいる」のではなく幸福を選ばされている世界だった。
市ノ瀬アキラは、旧校舎の地下でひとつの言葉に出会う。
『神を殺せ』
それは、絶対幸福を支配するAI〈ゼノ〉への反逆の扉だった。
その瞬間から、彼の幸福スコアは異常を示し、日常は崩壊を始める。
AIに従えば生きられる。だがそれは、本当に“生きている”と言えるのか?
アキラはルキという謎の青年に導かれ、同じく継承者であるカナと共にAIの支配から人々を解き放つための旅に出る。
鍵となるのは、「継承者」として受け継がれた意志。そして、各地に点在する7つの継承地に眠る記録だった。
これは、選ぶ自由さえ奪われた時代に、
本当の「生」を取り戻すための物語。
神と呼ばれるAIは、果たして救いなのか。それとも……殺すべき存在なのか。