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5月の図書室、君と勉強する時間

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-06-02 08:00:23

5月も下旬に差し掛かり、校庭の新緑が一段と濃くなっていた。中学1年生の蒼人と空は、サッカー部に入部してからさらに仲を深めていた。部活の練習で一緒に汗を流し、帰り道に他愛もない話をしながら笑い合う日々。そんな中、初めての中間テストがやってきた。クラスではテスト範囲のプリントが配られ、先生が「ちゃんと勉強するように!」と念を押す。蒼人は勉強はそこそこ得意だったけど、空は少し苦手意識を持っているようだった。

放課後、教室で空がテスト範囲のプリントを眺めながらため息をついていた。

「ソ:うわー、数学、範囲広すぎ…俺、方程式とか全然わかんないよ」

空がプリントを机に広げて頭を抱える。蒼人は隣で教科書を整理しながら、空の困った顔をちらっと見た。

「ア:空、勉強すれば大丈夫だよ。…一緒にやる?」

「ソ:え、マジ? 蒼人、頭いいもんな! 助けてくれー!」

空が目を輝かせて蒼人の腕をつかんだ。蒼人はその勢いに少し驚きながらも、なんだか嬉しくて小さく笑った。

「ア:うん、いいよ。図書室で勉強しよう。静かだし」

「ソ:やった! 蒼人、最高! 俺、蒼人にめっちゃ感謝してるからな!」

空が笑いながら蒼人の肩をポンと叩く。その手が触れた瞬間、蒼人の胸がまたドキッとした。テスト勉強なのに、なんでこんなに緊張するんだろう。

二人はランドセルを持って図書室に向かった。5月の夕方、図書室は静かで、窓から差し込む陽光が木の机を温かく照らしていた。蒼人と空は奥の席に並んで座り、教科書とノートを広げた。蒼人は数学の教科書を開き、空に方程式の解き方を教え始めた。

「ア:ほら、ここの問題。まず、xをまとめて…こうやって移項するんだよ」

蒼人が丁寧に説明しながら、空のノートに解き方を書き込んでいく。空は真剣な顔で蒼人の説明を聞きながら、時々「へえー」と感心した声を上げた。

「ソ:蒼人、めっちゃわかりやすい! 俺、こんなの初めてわかったかも!」

「ア:よかった…じゃあ、次はこの問題やってみて」

蒼人が問
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  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   抵抗の灯火

    教室に閉じ込められた蒼人と空は、クラスの男子3人による不穏な行動に直面していた。教室は夕陽に染まり、鍵のかかったドアが二人の脱出を阻んでいた。蒼人の制服は男子AとBによって半ば脱がされ、シャツが肩までずり落ち、肌が露わになっていた。男子Aが蒼人の腕を強く握り、男子Bが嘲笑を浮かべながらさらに制服を剥ぎ取ろうとしていた。 「男子A:ほら、顔立ちが女みたいなんだから、ちゃんと男かどうか確認してやるよ。空とくっついてるのが怪しいだろ」 「男子B:遊びだよ、気楽にしろ。制服全部脱がしてやろうか?」 蒼人の心は恐怖と屈辱でいっぱいだった。律が以前同じような目に遭った記憶が蘇り、涙がこぼれそうになった。 「ア:(律と同じ…! やめてくれ…男だって分かってるだろ…ソラ、頼む…)」 蒼人は体を捩って抵抗しようとしたが、男子Aの力に押さえつけられ、動くことができなかった。シャツがさらにずり落ち、冷たい空気が肌に触れるたび、羞恥が深まった。一方、空は男子Cに押さえつけられ、制服越しに下腹部を弄ばれていた。男子Cの指が不快な感触を残し、空の顔は怒りと屈辱で歪んだ。 「男子C:お前、蒼人を守ろうとするけどさ、こっちも楽しませてくれよ。恋人同士って気分はどうだ?」 「ソ:(アオ…! 許せない…力及ばない…でも、なんとかしなきゃ…)」 空は歯を食いしばり、腕を振りほどこうとしたが、男子Cの力に抗えず、悔しさで胸が締め付けられた。恋人である蒼人を守りたいという思いが、空の心を燃やしていた。蒼人は空の視線を感じ、恋人としての絆にすがるように目を合わせた。 「ア:ソラ…! 助けて…」 その声に、空の闘志が再び湧き上がった。男子Cの隙を突き、空は腕を振り払い、蒼人のもとへ駆け寄った。 「ソ:アオ、大丈夫だ! 離せ!」 空の叫び声に、男子AとBが一瞬動きを止めた。空は蒼人の腕を掴み、力いっぱい引き寄せた。蒼人は空の体にしがみつき、恋人としての安心感に涙が溢れた。

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   不穏の影

    翌朝、校門をくぐるや否や、蒼人は空の明るい声に迎えられた。空の誕生日の朝で、蒼人の心は昨夜渡したペアルックのパジャマのプレゼントを思い出し、少しドキドキしていた。朝日が校庭を照らす中、空が駆け寄り、満面の笑みを浮かべた。 「ソ:アオ! 昨日はありがとうな。あのパジャマ、めっちゃ気に入ったよ。恋人からのプレゼントって特別だ。青とグレーのストライプ、俺の好みにぴったりだった」 空の笑顔が朝日を反射し、蒼人の胸を温かくした。ペアルックのパジャマを手に持つ空の姿が頭に浮かび、恋人としての絆がさらに深まった気がした。 「ア:良かった…ソラ、喜んでくれて嬉しい。俺も一緒に着るの楽しみにしてるよ。一緒に寝るイメージがもう浮かんじゃってさ」 「ソ:(アオの想いが伝わってきて…恋人として幸せだ。ペアルックで一緒に過ごす未来、楽しみすぎる)」 二人は自然と肩を寄せ合い、教室に向かって歩き出した。その仲睦まじい姿は、いつも通りの光景だったが、恋人としての特別な愛情が漂っていた。教室に近づくにつれ、蒼人の手が空の手に触れ、そっと指を絡ませた。空もまた、その手に力を込めて応え、二人の絆が静かに確認された。教室に入ると、その様子をクラスの男子たちが目ざとく見つけた。蒼人と空の仲がいいことはクラス内でよく知られていたが、恋人関係に発展していることはまだ秘密だった。休み時間になると、男子たちの軽いからかいが始まった。 「男子A:おいおい、蒼人と空、またくっついてるじゃん!」 「男子B:ほんとだよ、羨ましいくらいだぜ。」 男子たちの笑い声が教室に響き、蒼人と空は顔を見合わせ、照れ笑いを浮かべた。 「ア:(ソラとの関係、知られちゃうのはちょっと恥ずかしいけど…恋人として幸せだ)」 「ソ:(アオとこうやって見られるのも悪くないな。恋人として誇らしいし、守りたい)」 二人はその場を笑いで流したが、男子たちの視線はどこか好奇心に満ち、からかいのトーンが少しずつ変化し始めていた。しかし、教室の空気は徐々に不穏な影を帯びてきた。

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   誕生日の前夜

    空の誕生日の前日、サッカー部の練習が終わり、足早に自宅に帰った。汗にまみれたユニフォームを脱ぎ、蒼人はスウェットに着替えた。机の上には、「ペニクロ」で母と共に選んだペアルックのパジャマが入ったプレゼントだ。リボンが丁寧に結ばれ、蒼人の心には愛しい恋人・空への想いが詰まっていた。練習中の空の笑顔や、パスを合わせる時の息の合った連携が頭をよぎり、胸が温かくなった。 「ア:(空…明日が誕生日だ。ちゃんと気持ちを伝えたい…)」 準備を終え、蒼人は勇気を振り絞って空の家に向かった。秋の風が頬を撫で、プレゼントを抱きしめる手が少し震えた。空との関係が恋人として深まった今、このプレゼントで愛を確かめたいという想いが強かった。空の家に着くと、ドアをノックし、緊張した声で呼びかけた。 「ア:ソラ…いる? ちょっと渡したいものがあって」 ドアが開き、空が汗を拭きながら愛らしい笑顔で現れた。 「ソ:お、アオ! こんな時間に珍しいね。何か用?」 蒼人は少し照れながら、プレゼントを差し出した。 「ア:明日が誕生日だから…これ、プレゼント。特別なものを贈りたくて。開けるのは明日でいいから」 空は目を丸くし、箱を受け取った。頬がほんのり赤らみ、愛情に満ちた眼差しを蒼人に向けた。 「ソ:マジか! アオ…ありがとう。プレゼントもらえるなんて、めっちゃ嬉しいよ」 その笑顔に、蒼人の心はさらに高鳴った。空への深い愛情と、カップルとしての絆が溢れ、言葉に詰まった。 「ア:(空…お前の笑顔が一番の宝物だ。明日、喜んでくれるかな。恋人として…)」 少し立ち話をした後、蒼人は「じゃあ、また明日な。愛してるよ」と囁き、空の家を後にした。帰り道、夕陽が沈む空を眺めながら、プレゼントが空の手に渡った喜びと、恋人としての新たな一歩への期待が混ざり合った。 一方、空は自分の部屋に戻り、ベッドに腰を下ろした。プレゼントを見つめ、蒼人からの贈り物という特別な気持ちに胸が高鳴った。ワクワクしながらリボンを解き、中から現れたのは、深い青とグレーのストラ

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   贈り物の思い

    律の家を訪問してから1ヶ月が経ち、10月中旬の肌寒い風が吹き始めた頃、蒼人は空の誕生日が近づいていることに気付き、母と共にプレゼントを買いに出かけた。街の中心にある「ペニクロ」という大手服屋にたどり着いた。店内は秋らしい暖色系のディスプレイで彩られ、様々な服が整然と並んでいた。蒼人は空の好みを思い浮かべながら、母と一緒に店内を歩き回った。空との絆を大切に思う気持ちが強く、今回のプレゼントでその想いを伝えたいと心から願っていた。 「母:蒼人、空くんってどんな服が好きだったかしら? 普段のカジュアルな感じかしら?」 母の穏やかな声に、蒼人は少し考え込んだ。空の笑顔や、サッカー部での自然体な姿が頭に浮かんだ。 「ア:うん、シンプルなデザインが好きみたいだね。でも、ちょっと特別感のあるものがいいかな。空にはいつも助けられてるから、特別なものを贈りたいんだ」 母は頷き、二人で店内をさらに探した。すると、ペアルックのパジャマコーナーに目を留めた。深い青とグレーのストライプが入ったセットが、棚に並んでおり、その上品なデザインが蒼人の心を掴んだ。空と一緒に着るイメージが頭に浮かび、ペアルックというアイデアが妙に心を温かくした。 「ア:心の中では、(ペアルック…空と一緒に着たら、なんか嬉しいな。絆がもっと深まる気がする…)」 母が笑顔で近づいてきた。 「母:いい選択ね。ペアルックって、友達同士でも特別な感じがするわ。空くん、絶対喜ぶと思うよ」 「ア:ありがとう、母さん。空にはいつも支えられてるから、ちゃんと気持ちを伝えたいんだ」 試着室に足を運び、蒼人は自分のサイズと空のサイズを確認した。鏡に映る自分の姿に、想像する空の姿を重ね合わせた。深い青のストライプが空の落ち着いた雰囲気によく合いそうだと感じ、胸がときめいた。ペアルックを着て一緒に過ごす未来を思い描き、恋愛感情のような温かい気持ちが湧き上がってきた。試着を終え、袋に丁寧に包まれたパジャマを手に持つと、蒼人の手が自然と震えた。 「ア:心の中では、(空…このパジャマで、もっと近く

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   逃避と羞辱,静寂の誘惑

    蒼人と空は、教室での異様な雰囲気に耐えきれず、足早にその場を後にした。律がクラスメイトに囲まれている光景が目に焼き付いて離れず、蒼人の心は罪悪感と無力感でいっぱいだった。見過ごすしかなかった自分の選択に苛まれながら、廊下を急ぎ足で進んだ。 「ア:(律…ごめん…俺、逃げちまった…何で動けなかったんだ…)」 空もまた、気まずそうに黙り込み、時折振り返る仕草を見せた。 「ソ:蒼人…あれ、酷かったな。放っとくのも辛いけど…どうすればよかったんだろう」 二人は校門まで急ぎ、夕陽が沈むグラウンドを横目に立ち止まった。蒼人の頭には、宿泊学習での律との触れ合いや、律のボクサーパンツの感触、プールでの濡れた姿がフラッシュバックしていた。その記憶が、教室での律の苦しみと重なり、心をさらに乱していた。 「ア:(律のあの顔…俺が助けてやれなかった…でも、この気持ち、止められない…)」 一方、教室では律の状況がさらに悪化していた。クラスメイトたちは、遊び半分で律をからかってたエスカレートし、特に股間に集中していた。一人が律の肩を掴み、笑いながらズボンに手をかけた。 「クラスメイトA:おい、律、暗い顔してると面白くないぜ。ズボン脱がして、俺たちを興奮させてみろよ」 「クラスメイトB:ほら、ブリーフ下げて、 ち〇こ丸出しでな!」 別のクラスメイトがズボンを一気に引き下ろし、律のブリーフまでもが足首までずり落ちた。白い肌が露わになり、股間が教室の明かりに晒され、クラスメイトたちの下品な笑い声が響いた。 「クラスメイトC:おお、律のち〇こ、やっぱりちっちぇ! もっと見せて見ろよ!」 一人が律の両手を押さえつけ、別のクラスメイトが股間に手を伸ばし、直接触り始めた。 「クラスメイトD:お前、硬くなってるじゃん! さらに触ってみようぜ」 さらに一人も、律のち〇こを直接指で撫で始めた。 「クラスメイトE:反応してる! 気持ちいいだろ、律? もっと触ってやろう」 律は羞恥と恐怖で

  • 蒼人と空、君と過ごしたあの季節   揺れる心と孤立

    最近、クラスに異変が起きていた。律が更衣室やプール時間の出来事でクラスメイトの標的となってしまい、笑いものや陰口の対象になっていた。最近の些細な態度や発言が誤解を招いたらしい。律は普段の明るさを失い、教室の隅で一人うつむいて過ごすことが増えていた。 「リ:(何で…俺、何もしてないのに…みんな、冷たい…)」 蒼人はその様子を遠くから見つめ、胸が締め付けられる思いだった。宿泊学習での律との特別な時間が頭をよぎり、声を掛ける勇気が出ないままだった。 一方、蒼人と空はサッカー部で部活も懸命に頑張っていた。朝のランニングから始まり、夕方の練習まで、汗と笑顔が交錯する中で二人の絆はさらに深まっていた。パスを合わせるタイミング、ゴール前での連携など、蒼人の心を温かくしていた。 「ア:(空との連携…やっぱ最高だな…この感じ、ずっと続けたい)」 空もまた、蒼人とのコンビネーションに満足げに笑みを浮かべ、励ました。 「ソ:蒼人、今日のシュート決まったな! 動きが鋭いぜ、また明日も頼むな」 「ア:ああ…お前のおかげだよ。もっとやろう」 しかし、蒼人の心はプレーに集中できなかった。 宿泊学習での律との絡みが頭から離れなかった。 特に、2日目の夜、律のシミがついたボクサーパンツを持ち帰ってしまったこと。その柔らかい感触や、律の無防備な寝顔が脳裏に焼き付いていた。さらに、プール授業での律の濡れた体、ぴったりと張り付いた水着が水面に映える姿が、蒼人の心を乱していた。 「ア:(律のボクサーパンツ…あのプールの時…何でこんなに気になって離れないんだ…)」 練習中、ボールをキープするはずがミスを連発し、コーチから厳しい声が飛んだ。 「コーチ:蒼人! 集中しろ! 何だその動きは、チームの足を引っ張るな!」 空が心配そうに近づき、肩を叩いた。

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