author-banner
城間ようこ
城間ようこ
Author

城間ようこ의 작품

翼君は僕だけのセラピスト!

翼君は僕だけのセラピスト!

葉弥将志はアラサーの売れっ子純愛小説家だが、職業病というべきか、首から腰までとにかく凝っている事で悩んでいた。 かといってマッサージサロンに行くのも躊躇われる。かつてマッサージサロンに行ったものの、凝りすぎていたためスタッフが苦労し、その姿に心苦しくなったのだ。 しかし凝りは辛い。そこで、息抜きのマンガアプリから女性用風俗のセラピストを見かけて、マッサージの施術から始まるサービスかと興味を持ってしまった。 そして男性なら力も強いし体力もあるのだからと、女性用風俗を検索して「翼」というセラピストを指名してしまう。 出逢った翼はサイトの一覧で見るより爽やかな印象で、何よりかっこよくて柔和な雰囲気だった。 将志は翼からマッサージを受けて、身も心も解れるのを感じる。 しかし、何度かリピートしてメッセージのやり取りもしている中で、翼が将志に驚くような「お願い」を持ちかけてきた。 「俺を買って下さい」──将志は翼と契約し、翼を助ける為に同居まで始める。 さすがは元人気セラピストなフェロモン盛り盛りの翼と、物慣れないで何かと胸が高鳴り慌てふためく将志の、二人が織り成す大人の凸凹純愛BL!
읽기
Chapter: 初体験への挑戦、覚悟
純愛小説家の葉弥将志はとにかく困っていた。一日中パソコンに向かっているからか、首も肩も背中も腰も凝っていてバキバキするし痛い。「今回は……これかな……」フリマアプリで検索した安眠枕を購入する。これで何個目だろう。すっかり安眠枕ジプシーだ。良さそうなものはたくさんあるけれど、あまりお高いものは失敗した時に後悔しそうで購入出来ない。必然的にお手頃価格の枕ばかりを購入するが、すぐにへたれてしまう。「もう、思いきって高いの買った方が特なのかな」けれど勇気が出ない。合わなかったら無駄になる。「……とりあえず銭湯行こうかな……」行きつけの銭湯にはマッサージチェアが置いてある。昔のマッサージチェアがどんな物だったか知らないが、何やらタイムマシンのようにゴツい代物だ。将志はそのマッサージチェアのリピーターだった。しかし、問題もある。──近所の銭湯で置いてるマッサージチェア、あれ気持ちいいけど力加減が設定出来ないからかな、終わった後は体のあちこちが痛むんだよなあ。一回三百円で十五分、値段を思えば十五分の間の極楽分は仕事をしてくれている。──そもそも、僕の体にマッサージチェアが合ってないのかも。ぶっちゃけ、標準より筋肉も脂肪もない。ああいう物は人並みな人間を基準にしているかもしれない。かといって、マッサージサロンには行きづらい。将志とて、行った事はある。しかし、その時はスタッフが終始「固い」「ツボに指が入らない」と言われ続けて──それでも気持ちよかったのでまた行ったら、後輩らしきスタッフに回された。その時は、さすっているのか揉んでいるのか分からないような、少しの気持ちよさもない施術で懲りた。「何か良い方法はないかなあ……」呟きながら、スマホのマンガアプリを開く。息抜きになるので、毎日必ず何かしら読んでいる。小説家ならば読むべきは小説だろうが、メンタルが弱いのか、影響を受けやすいから、気になるジャンルの作家が書いた小説もなかなか読めないのだ。──それにしても、最近はマンガアプリに闇がちらつく……。ここのところ、よく見かける女性用風俗ネタは女性がセラピストに入れ込んで泥沼になるものばかりだ。──でも、これ、マッサージから施術を始めるみたいなんだよな。そこは大変魅力的だ。──それなら高いお金を払うんだし、マッサージだけお願いしても許さ
최신 업데이트: 2025-09-11
Chapter: プロローグ・どろどろに汚れるほどの愛
──この愛が、いつか色褪せるものなのだとしたら。その時は、僕の心全てが消えてなくなればいい。どうか君が消してくれ。君の手で、僕を変えた君の手で。* * *「……信じられない」ぽつりと、将志が呟いた。それは断罪かと、翼が覚悟する。「信じられない。……あんなにひどい事をした君が、心に住んでて……僕はそれを憎めないんだ」将志が続けた言葉は、翼にとって、にわかには信じられない言葉だった。「僕は──何で君をこんなに好きなんだろう?」「──将志さん、それは……」将志がはっと顔を上げて翼を見つめる。ひどい顔をして、美しく澄んだ瞳で。「こんなのが愛なのか?自分じゃ消せない気持ちが溢れてとまらないのが愛っていうのか?」翼は、将志の震える声ごと抱きしめたい衝動に駆られた。力いっぱい抱きしめて、唇から漏れるもの全てを吸い取りたい。「将志さん、すみません。……愛してます」「……知らなかった。こんな、どろどろに汚れて壊される愛なんて。君のせいだ……」「すみません。それでも将志さんへの心を偽れません」「──君が僕をこうしたのなら、責任をとってくれないか」将志の瞳は熱に浮かされたように潤んでいた。心の底から沸き上がる熱が、将志をそうさせた。「君は僕だけが動かせる。そうだろ?」それは、取り結んだ関係。いつしか変化した二人の間でも、形を変えて定まっている事実。「僕を最後まで愛して、何もかもが終わる時まで離れないでくれ」「……将志さんは、それを望んでますか?本当に?」「の、望んでる。……信じられないくらいに、君がいなくなる未来が怖い」もう駄目だった。翼は腕を伸ばして将志を抱き寄せる。将志のうなじに顔をうずめて、石鹸と肌の匂いが混ざる将志だけの匂いに酔った。「……俺はあなたを愛します。俺の一番は、いつだって将志さんなんです。いつの間にか、何より誰より一番になってました。……好きです、世界で一等好きです」「し、……信じていいんだな?」「信じて下さい。将志さんの心に巣食った俺は、将志さんを裏切りません」こくり、と小さく将志が頷いた。同時に、息を呑む音がした。「……キスしても、いいですか?」翼が顔を上げて真っ向からねだる。将志の頬が真っ赤に染まった。
최신 업데이트: 2025-09-11
闇より冥い聖女は復讐の言祝ぎを捧ぐ

闇より冥い聖女は復讐の言祝ぎを捧ぐ

「私は許さない、今生こそは悪女として生き延びる」 始まりは、いつも王国歴五百六十八年四月十五日。 主人公の公爵家令嬢ガネーシャ・ダント・フォクステリアは十四歳。父からファルス子爵家より異母兄妹を引き取る事にしたと告げられて、反発と抵抗の為に絶食を続けて二週間が過ぎた時。 そこから何度生き直しを繰り返しても、最後は十六歳の終わりに悪女と罵られ、果てに魔女として火刑に処されてしまう。 今回も同じ結果だった、そう絶望するガネーシャに異母妹のダリアが囁きかける。 それは、ガネーシャに復讐を誓わせるに十分な言葉だった。 火刑に処され、また生き直しが始まったと知るガネーシャは、いつもの繰り返しとは決定的に違う状況を知る事になる。 復讐の為に異界の者と手を組み、善良な令嬢として振る舞いながら、ダリアを超える悪女になって彼女を火刑台に送ってみせる──そう心に決めるガネーシャ。 一方でダリアもまた、忌まわしい行動によってガネーシャに立ちはだかる。 母の異なる姉妹による、駆け引きと水面下での戦いの結末は? うんざりする程まで処刑されてきたガネーシャが、新たに生きる人生は? 悪女として生きる事も恐れない乙女の快進撃。
읽기
Chapter: 第35話
──これで、あとはダリアに王太子殿下との子が宿るのを待つだけね……。「あれだけ人目もはばからず逢瀬を重ねてるんだから、近い未来のことだろうね」王太子殿下もどうしようもない方だと言わざるを得ない。婚約者を差し置いて浮気相手にのぼせ上がるのはともかく、避妊もしないなんて。──まあ、構わないわ。それよりも、第三王子殿下は私が未来の聖女だと知っても、意外なことに驚かなかったのよね。「そこには、いかにも国を思う聖女らしい行動をしてきた、ガネーシャの実績があるからこそだよ」──そう言われると照れくさいわ。でも、汚染された水も安全な水にできることを知って、喜んでくれた……。「多くの民が救われるからね」──けれど、なぜ井戸水は汚染されたのかしら?これは素朴な疑問だった。工場汚染でもない、王都での汚染は普通に考えてありえない。それについて、ベリテが声を低めて答えてくれた。「──ダリアだよ。闇の精霊を使役するために、王都に瘴気を集めた結果だ」──あの、実の母を死に追いやった闇の精霊ね……そうまでして……民を苦しめてまで、己の利を求めるなんて……なんて、おぞましい子だこと……。だから、私という聖女も覚醒するのだと納得がいく。国難に面したときに現れる存在だから。「そうだね、──だから、もう終わらせないといけない」──ええ。終わらせるわ。必ずよ。そのためにも、私は貞淑で慈悲深い令嬢として振る舞い続け──王太子殿下に浮気された令嬢とか、妹に婚約者を寝盗られた令嬢だとか、そんな言われ方をする余地も与えなかった。もちろん、民のために活動することも怠らない。今や私が作らせる石鹸や洗髪粉は、香料などの配合具合によって貴族向けから庶民向けまで幅広い。貧民には、香料や保湿剤を使わないものを、無償で提供して使わせているのよ。おかげで衛生観念が広まり、不潔からくる病はなりを潜めた。皆が私の働きを称賛してくれる。──その一方……王太子殿下は、ダリアの誕生日パーティーでしでかした失態が水面下で広まり、このことは国王夫妻も頭を悩ませているとか……。「しかも、多額の血税を浮気相手へのプレゼントに使い込んだことを、第三王子が証拠も揃えて提出してあるから、もう崖っぷちだろうね」──そうね、もはや、王太子殿下は最後の一本の藁で崩れる荷馬と変わらないわ。私はベリテとやり取りして、
최신 업데이트: 2025-10-01
Chapter: 第34話
私が上級悪魔と契約している──そのやり取りを、白い世界で見ていたのよ。ダリアたちの勘違いには笑うしかないわ。それはともかく、不思議に思うことがある。白い世界に行くための砂糖菓子は、なくなることも減ることすらもない。「どうしてかしら?口にすれば、その分減るものでしょう」私の疑問に、ベリテが答えた。「それはね、ガネーシャが正しい道を歩んでいるから、その証だと思えばいい」──正しい道……。「私は復讐に心を滾らせて、ダリアと王太子殿下を地獄に落とそうとしている悪女なのに?」「彼らは絶対的悪だ。君が繰り返し火刑に処されたあと──聖女が出現しないがために、国は滅びの道を歩むしかなかったんだよ」──聖女は国難を救う導きの光……私が今生で覚醒したとして、具体的に何ができるかはまだ分からないけれど、国に必要なものが火あぶりにされていたことになるのよね。「とりあえず、今後について話そう。彼らの誤解をどう使うか」「……ダリアならば、メイドを脅して噂を流せと言うわね」「そうだろうね。──ただし、ガネーシャのように抱き込んで言いふらさせはしないだろうし、聞かなければ折檻でもする、屋敷から追放もする」「力で服従させようとするわけね。あさましいこと」私はミーナのことを思い出しながら、虫酸の走る思いになった。それに気づいてか、ベリテは気を取り直させるように言ってくる。「その点、ガネーシャは平民から支持を得ている今があり、貴族たちからも好感を持たれている事実がある。相手の悪意も上手く使えば好機にできる」「……ならば、好きにさせてみましょうか。国民感情とダリアの流す噂を衝突させるのよ」企みに本気のいたずらな笑みを浮かべた私へ、ベリテは興が乗った様子で笑みを返してきたわ。「いいね。悪評高いダリアと、支持されているガネーシャ。噂で一騎打ちさせたら、今までの根回しの効果も確かめられる」「ええ。ダリアがどれほど悪女として周知されているか……私を陥れることしか考えず、何も成してこなかった重みが彼女にのしかかるわ」想像しただけで黒々とした心も踊る。私は白い世界から戻り、心をときめかせながら眠りに就いた。そうして翌日になり、ダリアはさっそくメイドたちを脅し始めた。「ご容赦くださいませ……私ごときにはガネーシャお嬢様を貶める言葉など……」「お嬢様?──私も同じ公爵家の
최신 업데이트: 2025-09-27
Chapter: 第33話
ダリアと王太子殿下には好きにさせておくと決めると、週に一度のお茶の席の日には必ず王太子殿下が王城を抜け出し、ダリアと密会するようになった。ダリアが当て擦りと挑発のためにやっているのはお見通し、誰が乗ってやるものですか。もっとも、これも予想の範囲内よ。むしろ、王太子殿下の失態になるもの、好都合だわ。私は第三王子殿下と情報をやり取りして、表向きは妹に婚約者を寝盗られた令嬢を装いつつ、裏では二人を追い詰められるように事を進めていた。すると、ある夜の晩餐でダリアが卑屈なほど躊躇いがちに言い出したの。「……お父様、私も十六歳の誕生日を迎えますわ。当日は催しを何か出来たら嬉しく思うのですが……」すると、お父様の言葉も待たずにマストレットが口を挟んできた。「誕生日といえば、ガネーシャは湯水のように金を使って祝わせています。なのにダリアは……不公平かと思います」──何を言っているの?私は自分で稼いだお金で使用人たちに料理を振る舞っているだけだし、依頼する王都のレストランにも、潤うように報酬を支払っているわ。それは、お父様も似たようなことを考えたらしい。渋面で口を開いた。「ガネーシャは私財を投じて、高貴なるものの義務を果たしているだろう。ダリアにマストレット、お前たちにそれが可能となる才覚はあるか?尽力をしてきたか?」──これはお父様の言う通りよ。私は浪費をしてなどいないし、家門の名声を高める結果になるよう、考えを巡らせて動いているもの。「それに、ダリアもマストレットも、今現在ただのお荷物にしかなってないからね。役に立つ働きがないから賞賛もないのに、僻んで妬むのは一人前だ」──まったくよ。褒められたいなら真っ当な働きをするべきでしょうに。すると、マストレットは羞恥で顔を真っ赤にして黙り込み、ダリアは声を震わせて言い募った。「私にはお姉様のような才覚もございません……ですけれど、公爵家の娘として……どうか、ささやかなパーティーだけでも……そこで他家の令嬢方とも親しくなれましたら、私も貴族として活動できるようになりますもの」「ダリア、お前も私の娘だ。誕生日のパーティーくらいは開いてやる。──ただし、恥の上塗りにならぬようガネーシャに手伝わせる。いいな?」「……はい……ありがとうございます」恥の上塗り……お父様も言うものだわ。まあ、ダリアは王太子殿下と
최신 업데이트: 2025-09-14
Chapter: 第32話
ダリアをどう陥れようか、どんな落とし方にしようか、私なりに色々考えてみた。結論は、貴族も平民も合わせて、世論を使い続けること。まだ存在しない世論は、この手で作り出す。自己保身や自己満足、あるいは野次馬としての娯楽感覚で、他者を傷つけても罪悪感を抱かない人間なら、いつの世も必ずいるわ。私も繰り返してきた人生で散々苦しめられたもの。──だから、今生ではそれを利用する。皆に悪役となってもらおうじゃないの。見境なく、誰かしらに八つ当たりして鬱憤を晴らしたい人たちには、私の奏でる復讐の音で踊ってもらうわ。「それは、ダリアを人々の娯楽のタネにするって意味だね?」──そうよ。考えてもみて。誰も傷つけずに済むのは、人や他のものに牙を向けることのない、物言わぬ愛玩動物の生涯くらいのものでしょうけど……その点で、ダリアはあまりにも私に悪いの牙を向けすぎたわ。報いは受けさせる。「ガネーシャ自身は手を汚すことなしに、だよね?」──もちろん、そうでなければ。だから皆に踊ってもらうの。幸い、ダリアは禁忌を犯しているから、何の気兼ねもないでしょう?──そのためにも、何か決定的な事件が起こればいいのだけど……取り返しのつかないようなことを、ダリアと王太子殿下が仕出かしてくれれば。「二人の間に不義の子ができるとか?」──さすがに、それはないわよね?廃人状態でも一国の王太子殿下が、避妊もせず未婚の令嬢と……なんて。「まあ、普通はね……」ところが、ある日の晩餐で驚くべき事実が分かった。その晩餐は、いつになく豪華で──ダリアの好物ばかりが並んでいたの。当然、不思議に思った。ダリアの振る舞いで褒められるところなんて、ひとつもなかったもの。「今夜は随分豪勢なお料理が多いのですね?」慎重に言葉を選んで疑問を口にすると、ダリアがわざとらしく頬を染めながら答えてくれた。「お恥ずかしいですわ……実は、私、月のものが始まりましたの……」──え?今になって始まるだなんて遅いわね?元いた家は裕福ではなかっただろうけれど、日々の食事に困るほどではなかったでしょうに。──ベリテ、こういうのは個人差があるとは聞いていたけれど。「どうやら、ダリアは嘘をついているわけでもなさそうだよ」──ベリテは天使として長い時間を生きてきたから、人間も相当見てきたのよね……?「うん。だから、この
최신 업데이트: 2025-08-26
Chapter: 第31話
──『兄上には、想う方の生家の跡取りとなって頂き、幸福に添い遂げさせようと考えております。どの令嬢にも望む結末を迎えられますよう』ナプキンに隠されていた、第三王子殿下からの書簡には、そうしたためられていた。──つまり第三王子殿下は、廃太子に追い込む覚悟を決めたのね。加えて、王籍も剥奪する方向で動くようだわ。私は簡潔な返事をすることにした。携帯用のペンとインクならば用意があるので、書簡の隅に書いて再びナプキンにしのばせる。──『王宮の使用人たちを使ってくださいませ。あのものたちならば、わたくしが温室で受けている扱いを目にしております』これで、王太子殿下とダリアの件は一層二人の首を絞めるはず。私は一人、温室でのお茶をゆっくり頂いて帰宅した。すると、通りかかったダリアの部屋の前で、異様なかっこうをして雑巾がけをしているメイドを見かけたの。「──あなた、どうして服が全体的に湿っているの?」見過ごせなくて声をかけると、メイドは一瞬怯えた目をしたけれど、それから低く答えた。「ダリアお嬢様が……」「ダリアがあなたをずぶ濡れにしたの?」「いえ、あの……実は、ダリアお嬢様のお支度には、毎朝メイド三人がかりでコルセットを締めるのですが、その間ずっと怒鳴られ続けて……」「まあ……コルセットを締めるだけで、令嬢なのに怒鳴り声を……」「それだけでは済みません。お支度を終えると、手際の悪さを責められて……冷たい井戸水を桶で三回浴びてから仕事に戻るよう命じられるのです……」あまりにも残酷で、私は眉をひそめた。「……それは、いつから繰り返されてきたのかしら?」「はばかりながら、ガネーシャお嬢様が十五歳のお誕生日を迎えられましてから……毎日でございます」つまりは、私がダリアの振る舞うスープの邪魔をしてからなのね。なんという陰湿な執念なの。「私はもう十六歳よ?……それほど長く、メイドに虐待を……」「メイドたちは、もう耐えられません……ダリアお嬢様の暴言にも、腰周りの太さにも……」──太さ……メイドには悪いけれど、吹き出しそうになってしまったわ……。あの子、言われてみると、迎え入れられてから──毎食、卑しいほど肉料理を食べているものね。「まあ、笑いたい気持ちも分かるよ。ダリアって、鴨肉や豚肉の脂を特に好んでるよね。余計に太る原因を作ってるんじゃないかな?」
최신 업데이트: 2025-08-25
Chapter: 第30話
運命を決める十六歳を迎えて、私はベリテと話し合っていた。──聖女とは、そもそもどういったものなのかしら?「まず、魂に宿っている光属性の魔力が目覚めを迎える。この属性の魔力は、聖女や聖人しか持ちえないし、そうした人間が生まれることも稀だね」──光属性の魔力……魔力だなんて、おとぎ話のようだわ。人間が持ちうるものなの?「ごく稀にね。だからこそ、尊ばれる。……光あるところには影が出来る事には気づけないまま」──影?光属性の魔力には、何か裏があるというの?ベリテの言うことはもっとものようにも思えるけれど……影とは何かしら。「聖女は怪我や病を治癒出来るし、浄化の力で豊穣ももたらせる──それは知っているよね?でも、実はそれだけじゃない」──あら?そうなると、聖女に光と影が宿るということ?私は光の聖女に相反する影の存在が覚醒すると思ったのだけれど。「それはないよ。影になる闇の魔力は悪魔しか持たない。──聖女はね、怪我や病や大地の穢れ、そしてその苦しみを取り出して癒し、取り出したものは致死性のない毒薬として、小さな瓶詰めにして保管出来るんだ」──聖女が、毒を持てる?意外だけれど……そうね、持てたら使いようによっては……私の復讐に役立ってくれそうだわ。もちろん、ダリアを追いつめるために。心身ともに絶望させることを目的にね。──良いことを聞かせてもらったわ、ありがとう。お礼を言う私に、ベリテは改まって問いかけてきた。「王太子はベリタの力でダリアに魅了されて操られてる。それは本来なら本意ではないだろう?──ガネーシャには彼に同情する気持ちはある?」──いいえ、少しも。地位に慢心して驕れるものに、王としての器はないわ。王太子殿下は出逢ったときから、人を見下して傲慢に振る舞うことの間違いを省みようともしていなかったもの。「そう、それなら構わないよ。──前世での復讐を果たすのに、同情心は妨げになるから」──そうね……幸い、私にはない感情だけれど。……ねえ、ベリテ。思いついたことがあるわ。聞いてくれる?「ダリアを追いつめるための布石だね?協力者として聞かせてもらうよ」私はにこりと笑んで、ベリテに計画を話したわ。──そして数日後、お茶会を庭でひらいた。集まる令嬢達は流行りに敏いものだけを招待して。「本日はようこそお越し下さいました。……季節外れの暑さ
최신 업데이트: 2025-08-23
君の魂は金色に輝く

君の魂は金色に輝く

母親から受け継いだ異能でクライアントからの依頼をこなす高校生の勇人。 異能とは、魂の色が見える力だ。 母親から聞かされてきた、運命の人は魂が金色に見えるという夢のような話を胸に、いつか出逢えたらと願ってきた。 そして、ある依頼の場で、金色に輝く魂の持ち主と出逢う。 それは、一流企業の御曹司で住む世界の違う大人の男性、優和だった。 迷い戸惑い、ぶつかってみて、あろう事か優和は勇人に同居を持ちかける。 お互いに運命の人かどうかを確かめる為の同居、それは二人に何を芽生えさせるのか? 唯一無二の純愛を捧げる物語。
읽기
Chapter: Part優和「獲物か仔猫か運命か」
 * * * 勇人は通学電車で休めただろうか。不意に狼狽えていた姿が思い浮かび、からかわれた小動物みたいな反応で面白かったと、微かだが優和の目もとに感情が表れる。 甘える事を知らない子どもの相手をするのも、存外悪くない。それも、勤勉な勇人なら甘ったれには変貌しないと想像がつくからこそ。 ──早朝から出社していた優和は、お堅い年寄り相手の会議に出てから、社内の業務をこなしていた。 忙しくて昼食を忘れた事を勇人が知ったら、次は弁当まで用意し始めそうだ。──が、優和からすれば、十分な朝食をとった効果で活力もキープ出来ているので問題はない。 今日は早めに上がって、あいつを食事に連れ出そうと思いつく。色々な店に行ってみれば、何が好物かも分かるだろう。 食べたい物でもいい、何かを欲しがる、ささやかなわがまま程度は許容範囲だ。ぜひとも言えるようになってもらいたい。「──あれ、機織さん表情が柔らかくなりましたよね。いい事でもあったんですか?」「表情?鏡は毎日見てるが、自分じゃ特に変化は感じないぞ」 会社の営業部で仕事の話が済んだ後、唐突に指摘されて優和は首を傾げた。「そういう無自覚っていうか、無頓着なところは変わらないんですけど、ふとした時に優しくなるんですよ」「優しく、ね……まるで以前の俺が鉄面皮だったみたいだな」 優和本人は自分が女性に塩対応をしている自覚があるので、これは自嘲に近かった。「そこまでは言いませんよ。──で、誰が鉄の機織さんを変えたんですか?」「結局、鉄扱いしてるだろうが。……まあ、訳あって知り合った奴がそこそこ気に入って、面倒見てることくらいか?」 誰が、と問われて思いつくのは勇人くらいだ。彼以外に優和の日常を変えたような人物はいない。 正直に答えたつもりだが、相手は納得がいかないのか、更に食い下がってきた。「それだけですか?何か、肌も容姿もイケメンに磨きがかかってますし、前より健康的に見えますし、実際調子良さそうじゃないですか」「体調は確かに良いな。そいつが色々考えてくれてるからか?……おい。何だよ、その顔」「いえ、機織さんって女性には誰が相手でも、嫌な顔を見せずに紳士っぽく振る舞いますけど、特定の誰かの面倒を見たり、誰かから尽くされたりするのは煩わしく思ってそうだとばかり」 優和からすれば、こいつ本当に俺を心まで鉄面
최신 업데이트: 2025-09-15
Chapter: 初めてすごす休日の二人きり
 * * * 翌朝、平日と同じ時間に目を覚ました勇人は、隣で眠る優和の寝顔を間近に見る事となり、彫刻みたいな美貌の威力と、それが近すぎる威力で飛び起きそうになった。 ──堪えろ、駄目だ、優和さんを起こさないように静かに抜け出すんだ。 どくどくと激しく脈打つ心臓を押さえながら、寝起きでも何とか理性をフル稼働させる。 物音を立てないように、刺激しないようにとベッドから出て立ち上がり、忍び足で振り返りながら寝室を出た。 ──任務達成。 はあ、と長く息をつく。よくこんなに出せる程の空気が肺にあったものだ。 ──ええと、洗顔、歯磨き、着替え、それから朝食作り! 美人は三日で飽きるとか嘘だと思い出しながら、手早く支度してキッチンへ向かった。 献立なら決めてあるし、難しい料理でもないので、手際よく用意出来た。 ──ご飯はタイマーにしておいたから美味しい状態で出せる。それにしても、高そうな炊飯器なのに新品みたいに傷がなかった……。 ともかく優和の起床を待っていると、いつの間に身支度を整えたのか、きっちりした姿で優和が現れた。「勇人、おはよう。早いんだな、日曜だろ?」「おはようございます。優和さんこそ、日曜なのにお仕事があるでしょう。──あの、朝ご飯、出来てますよ」 彼の反応が気になるし、緊張して言いにくかったものの、かろうじて普通に言えた。 テーブルに着いた優和に、ほんのりと湯気を立てる朝食を差し出す。「朝早く起きて、大変だったろ。──梅茶漬けと、何かの味噌汁か?」「とろろ昆布のお味噌汁です。朝はお味噌汁が良いんですよ、代謝も免疫力も上がりますし、脳の働きも良くなるのでお仕事も効率よく始められます。とろろ昆布なのは、優和さんがお酒を呑むので……昆布は体内の水の巡りを良くしますから、血流を良くするお味噌汁との相性も良いですし、それに、野菜の青臭さとかが苦手な人には特にお勧めです。旨みがあるので」「……その説明、女子力高すぎないか?」 優和が驚いているのか呆れているのか分からない面持ちになっている。確かに、一般的な男子高校生が披露する蘊蓄ではないかもしれない。 だけど、これにはれっきとした理由がある。「あの、これは父が母を亡くした後、しばらくお酒が増えていたからなんですよ?やっぱり息子としては心配になるじゃないですか?」「それで酒呑みの体に
최신 업데이트: 2025-09-03
Chapter: 何もかもが特別なもので
 * * * もしかしたら、一瞬だけ寝てしまったかもしれない。そんな空白の時間から、夕食の支度だと身を起こす。 幸い、時刻は支度にちょうどいい。 キッチンでエプロンを着け、手を洗って料理を始めた。 まず、細かく刻んだネギは水に晒して余計な辛味を取っておく。代わりに大根おろしは大根の下の方を使う。 あとは花かつおで旨みと風味を足した。わさびは好みに合わせて使ってもらえばいい。 蕎麦は乾麺なので茹で時間が長いが、茹で蕎麦よりも弾力があり喉越しも良い。茹で時間をきっちり守って、流水で洗う。 それらを丁寧に盛り付けて、テーブルに並べた。 ──さて、優和さんを呼びに行かないと。 あらかじめ教わっていた部屋に行き、そこで思わず立ちすくむ。 ──何だろう、ドアをノックするだけなのに、どきどきする。 優和が部屋で何をしているか、ドア越しでは何も分からない。もし仕事に集中していたら邪魔にならないか?これが躊躇わせる。 かと言って、もたもたしていたら用意した蕎麦が不味くなる。せっかく家で食べる食事なのだから、美味しく食べて欲しい。 思いきって軽く三回ノックすると、ドアの向こうから優和の声が返ってきた。「勇人か?」「はい。──優和さん、今大丈夫ですか?夕飯の支度が出来ましたけど……」「ああ、今行く。企画書には目を通したところだ」 どうやら仕事を邪魔せずに済んだようだ。勇人はほっと胸を撫でおろして優和を待った。「待たせたな。──それにしても、家で飯なんて一人暮らしを始めてから一度でもあったか、記憶にない」「でしたら、今日は記念日ですね」「記念日、な。まあ勇人と二人になる記念日としても残せるといいな」「う……残してみせますからね」 口ごもりながら反駁すると、優和がいたずらめいた笑みで応えた。「楽しみだ」 ──どこまで本気なのか分からないんだよなあ。 それも、いつかは読めるようになるのだろうか? そこまで親しくなる未来──まだ思い描けないが、未来はいつだって未知数だ。 冷やし蕎麦を並べたテーブルに二人で着いて、勇人が簡単に説明した。「薬味には、ネギと大根おろしと花かつおを用意しました。つゆが市販品なので、優和さんの口に合うか分かりませんが……」「いや、市販品でも気にはしない。美味くなるようにリニューアルが繰り返されてるしな。薬味はどこ
최신 업데이트: 2025-08-19
Chapter: 思いきって提案してみる
「──あの、簡単なものなら作れるので、朝食だけでも僕に用意させてもらえますか?」 「朝はコーヒー以外口にしないが……」 「それじゃ健康に良くないです。一日の始まりには体に優しい食事が必要です。せめて、これくらいはさせて下さい」 「……勇人がそう言うなら、断る程の理由もないから構わないが。ただし、疲れてる時は絶対に無理するなよ?」 「分かってます」 頷いてもらえて、少しほっとする。 ──晩酌するなら、朝は体をリセット出来るもので始めないと。 勇人は気を取り直して、父親と暮らしていた頃の経験から献立を考え始めた。 簡単に作れて、口にしてもらいたい物なら、いくつか思い当たる。 ──これで優和さんが喜ぶかは分からないけど。 心は知らないが、肝臓になら喜ばれるはずだ。 「そうしたら、必要な物の買い出しですね。あ、今夜の夕飯は僕に作らせて下さい。作りたい物があるので」 「いやに意欲的だな。──近くにショッピングモールがある。そこで間に合うか?」 ──モールで良かった、庶民に甘くないタイプのデパートじゃない。 「はい、大抵は揃います」 「なら、俺が車を出す」 「ありがたいです」 その買い出しも、契約書の通りなら優和が財布を出す事になるのが気にかかるものの、いつまでもくよくよしていては、当の優和が不快になってしまう事なら予想出来る。 ──ここは割り切ろう。 勇人はそう考える事にした。 そして買い出しに出る前に冷蔵庫を確認すると、見事に並べられたビールと簡単なツマミしかなかった。 ──食事を一緒にしたのは二回だけだけど、もの慣れた雰囲気だったし……多分食事は外食がほとんどなんだろうな。いや、それでもこれはあんまり。 「……何で所狭しと瓶ビールが並んでるんですか……」 「ビールは缶より瓶の方が美味いだろ」 「美味しさの問題じゃありません、冷蔵庫の中身の問題です」 「言っておくが、食事では好き嫌いなんてしてないからな?野菜も全く美味く感じないが、出されれば残さない」 「その分自宅で不摂生ならマイナスです」 「風呂上がりの冷えたビールは譲らないぞ」 「……晩酌の他にも呑んでるって事ですね?」 「ビールは酒じゃない、炭酸麦茶だ」 「酒呑みの言い分は聞いてたらキリがありません
최신 업데이트: 2025-08-08
Chapter: 契約から始まる秘密の関係
 しかし、その考えは優和も予想していたらしい。「安心しろ、俺は少年趣味なんてないし、第一、未成年に手を出す程飢えてない」「そう、ですか……」 ──そこは安心、したけど……つまりは恋愛対象として全く見られてないって事でもあるわけで……。 勇人自身も今はまだ優和に対して明確な感情は芽生えていないが、歯芽にもかけられていないのは、何となく遣る瀬なくなる。 しかし、それを置いても二人で一つのベッドで眠るのは、急速に距離を縮めすぎにも思う。「──あの、緊張して寝つけなくなるかとも思うんですけど……」「慣れろ。美人は三日で飽きるとも言うだろ。見慣れれば大した事はない」 優和はさらっと言うが、そんなに簡単な話ではない。「同じ寝室はともかく、せめて僕には別に布団を敷いて……」「寝室が手狭になるから断る」「や、この部屋十分広いじゃないですか……」「俺はこの広さが当たり前になってるから、布団なんて敷いたらむさ苦しくてかなわん」 ──駄目だ。説得しようにも優和さんが頑固すぎる。僕には慣れろって言うくせに、こっちの意見に対しては譲る気配が皆無だ。 もはや諦めるしかないのか。肩を落とす勇人に、優和が話題を変えてきた。「──それで?相変わらず俺の事が金色に見えてるのか?」 魂の色を言っているのだろう。「はい、うるさいくらい金色です。遮光カーテンで簀巻きにしても透けて見えそうです」「簀巻きってお前……」 どうやら、意図せずして意趣返しになったらしい。 だが、そこで溜飲を下げた勇人に、優和は黙ってやられてはいなかった。「まあいい。お前、金色がうるさくても寝ろよ?これから毎晩同じベッドで寝るんだからな」「う……」 ──さすがはドSスパダリ、僕より遥かにうわてだ。 ドSが復活した。「一応聞くが、寝つけば魂の色も見えなくなるよな?」「それは意識がない状態なので、視力も働きませんし……」「ならいい。──お前が眠った頃に俺も寝る」 突然の譲歩だ。ありがたい話かもしれないが、それはそれで心配になる。「そしたら、優和さんが寝不足になりませんか?」「どうせ晩酌してから寝るのがルーティンだ。それに俺の睡眠時間は基本的に短いんだよ」 ショートスリーパーというものだろうか?「健康寿命が短くなりませんか?」「まだ二十代半ばに向かって言うことじゃないぞ」
최신 업데이트: 2025-07-21
Chapter: 全てが異次元で、しかも危機が
 * * * 引っ越しの準備は進んで、勇人が優和の家に行く日が来た。 この日は幸い優和の仕事が休みで、荷物は引っ越し業者が運ぶが勇人の事は優和が車で連れて行ってくれるという。 それにしても、勇人には一流企業の御曹司が住まう家というのが想像もつかない。 ──ご両親と同居してるとしたら、まず挨拶して、それから……。 慌ただしい中だが、心も忙しない。 ──家を出る日は、もっとずっと先の話だと思ってた。いつか異能者として一人前になって、大人になって誰かと出逢って結婚して……そんな未来の話で。 そう考えているうちにも、引っ越し業者がてきぱきと荷物をトラックに積んでゆく。 優和が迎えに訪れたのは、それが一段落ついたところだった。「優和さん、おはようございます」「おはよう、本当はもっと早めに来たかったんだが、朝イチで目を通さないといけない書類を渡された。待たせたろ」「いえ、心の準備をする時間が持てました」「……かなり緊張してるな」「それは、よそのお宅で暮らす事になりますし……僕は優和さんの家族構成も知らないですから」「なるほど。そう言えば話してなかったな。──家族構成については、俺の家族と無理に親しくなろうとしなくていい。マンションで一人暮らししてる身だしな」 ──え?て事は優和さんと二人きりで生活する? 余計に緊張してきた。 その勇人の狼狽を見て取った優和が、からかいがちに笑う。「良かったな、邪魔者なしで二人の絆を深められるぞ?運命かどうかも、その分早くに分かるだろ」「え、その……絆って……」「おい、初対面の時と態度が違いすぎるぞ。あんなに必死に縋りついてきたくせに」「それは、必死でしたけど!今と状況が違うと言うか、あの」 ──この人実はドSスパダリとかなんじゃ……。 思わず疑惑を抱いてしまう。優和は余裕の笑みだ。「──さて、ひとしきり遊んだ事だし行くか。お前の父親にも挨拶しておきたかったが、仕事で出てるんだろ?」「あ、はい。よろしくお伝えして欲しいと言ってました」「分かった。──ほら、乗れよ」「はい」 言われた通り助手席に座り、シートベルトを着ける。優和はそれを確認してから走り出した。 下手なフレグランスで車内を誤魔化さないし、加速は緩やかで、スピードもそんなに出さない運転は乗っていて勇人の心に落ち着きをもたらす。
최신 업데이트: 2025-07-19
좋은 소설을 무료로 찾아 읽어보세요
GoodNovel 앱에서 수많은 인기 소설을 무료로 즐기세요! 마음에 드는 책을 다운로드하고, 언제 어디서나 편하게 읽을 수 있습니다
앱에서 책을 무료로 읽어보세요
앱에서 읽으려면 QR 코드를 스캔하세요.
DMCA.com Protection Status