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みゃー
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Romane von みゃー

いなくなった愛犬を探していたら異世界で獣人王になっていて、俺は愛妃になれと攫われた!(交際0日で獣人王と婚約しました))

いなくなった愛犬を探していたら異世界で獣人王になっていて、俺は愛妃になれと攫われた!(交際0日で獣人王と婚約しました))

「ただ、一緒にいたいだけなのに……やっぱり異世界同士、人間と獣人は結ばれないのかな?…」 理久は、以前から犬をどうしても飼いたくて、保護施設から訳アリの、でも、キレイな長い黒毛の大型犬を引き取った。 そして、理久と、理久から「クロ」と名付けられたその犬は、一人と一匹、毎日毎日仲睦まじく暮らしていた。 しかし、ある日、そのクロが突然失踪し、理久は悲しみとパニックの中で探し回る。 そして、そのクロ捜索中の悲しみに暮れる理久の目の前に突然、キレイな長い黒髪の長身のイケメンが現れた!
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Chapter: ベッドでは野獣
気を失っている翼は、クロにおんぶされ、王城内の客人用にしつらえられた絢爛豪華な部屋に運ばれ、シルクのように軽く白く輝くカーテンのある天蓋付きの大きなベッドに寝かされた。真夜中で、灯はベッドサイドのランプの仄かな光だけ、獣人と人間の体の作りが近い事から、熊獣人の医師が眠ったままの翼を診察した。アビから、理久はメイド、クロは城の衛兵の扮装から魔法が解かれいつもの姿に戻り、ベッドサイドからその様子を見守った。幸い、翼は、胸の傷以外はどこも治療は必要なかった。医師が退出して、ならと、意識の戻らない翼をクロが再びおぶって、理久と共に理久の世界に戻る案もレメロンから出た。しかし、翼の意識がないままの異世界転移は人体にどんな影響があるかわからないとアビが反対して、やはり、今は理久もクロも翼も動けなくなった。理久の世界では、理久の両親、翼の両親が、息子達が夜中になっても帰らないのを心配してるだろう。でも、翼がいつ目覚めるかわからないので今すぐは帰れない。そして、もう夜明けも近い。アドオン国王がこのクロの城に入り、クロと調印式を行う時間も迫っている。これからどうするのか?クロと話しあう必要があり、アビもレメロンも退出し、部屋には理久とクロと翼だけになる。どうしようか理久は頭を悩ますが、穏やかな息をして心臓の動く翼の寝顔を見るとほっとした。「翼は、代わりの者に看護させる。理久、これからどうするか話し合おう。今から俺の部屋へ行こう。それからお前も少し休め」クロが、理久の背後から理久の肩に手を置き、やさしく囁く。「でも……翼が……」「ここではお前と話し合えない。大丈夫。この部屋にはアビが魔物が入らないよう特別結界を張っているし、外の廊下や部屋にも衛兵を入れる」確かに、こんな状態の翼の横で話し合えない。それに、クロにも休息が必要で、理久は頷いた。クロに強く肩を抱かれながら、昨日の夜も一緒に過ごしたクロの寝室に入った。やはりここは流石にこの王城の主の部屋で、更に広く、カーテンから家具に至るまで極めて華美で品質が良いのが誰にでもわかるのに、気品と威厳に満ちている。翼も大変な時で、調印式まで時間も無いのに、理久は、すでにクロに肩を抱かれ二人きりになる事に心臓の鼓動がうるさいくらいに高鳴っている。途端に、クロは理久をお姫様抱きし、天蓋付きの大きなベッドに
Zuletzt aktualisiert: 2026-03-12
Chapter: もう一つのプロポーズ
クロは、すぐに理久とアビを、広い北棟側の一番端に連れて行った。 そこは丸々2階階まで吹き抜けになった外国の要人をもてなすための巨大な宴会用のホールになっていた。 広い南棟と北棟全てにアビが結界を張り、魔物がこのホール以外の部屋に入ったり、窓から逃げる事も出来ないようにした。 結果、魔物が取り憑いている翼も、廊下や階段を逃げながらホールに行くしかない。 そしてクロは、魔導通信機器で連絡を取り合い、密かに獣人騎士達に翼をこのホールに向い追い込ませ始めた。 しかし、アドオン人の使者達に気づかれないよう静かに翼を追い立てるのは、やはり獣人騎士達の知力、体力が高い必要があった。 メイド姿の理久は、学校の体育館ほどあろうかという広さのホールの真ん中に立ち、一人囮になり翼を待つ事にして、クロとアビは柱の陰に潜む事にした。 天井には沢山のシャンデリアがあった。だが、クロとアビを隠すためにも、その幾つかにしか魔法由来の明かりは無く、ホール内は仄かに明るいくらいでしかない。 アビはすぐに隠れた。 しかし、クロはそうする前に再び理久を抱き締めた。 「必ず、必ず、お前を守って、翼を捕獲する」 クロが、再び理久に約束してくれた。 そしてクロは、理久にそっと口付けした。 一瞬、理久の心臓が止まるかと思うくらいに大きく爆ぜた。 そして、アビが遠くから見ているかも知れなかったが、もう女装の自分に嫉妬の無かった理久は、キスを従順に受け入れた。 クロは、いつも理久への愛情が直情で昂ぶると、いつもの国王としてのクロの冷静さが嘘のように、本当の犬のように誰が側にいようとどこだろうと理久にそれを表してくる。 恥ずかしがりの日本男児の理久は、未だにそれに戸惑う時はあるし、クロにちょっとは人前での愛情表現の待てを教えないとと思うが、出来るだけクロの想いは受け入れたかった。 そして、二人きりなら、いくらでもクロの愛情表現は受けたいし、理久とクロには体格差がかなりあるが、クロのあの大きな体全ても理久の体全てで受け止めたい。 そして今はこんな時なのに、クロの唇が離れると寂しくて心がギュっとなった。 すると、クロの頭の獣耳がピクピクした。 「どうしたの?」 理久が聞いた。 「翼がこっちに来てる、微かな音がする」 流石に五感の能力
Zuletzt aktualisiert: 2026-02-26
Chapter: 囮(おとり)
クロが先頭になり、理久、アビと続き、翼を助けに城の赤絨毯の廊下を早足で向かう。アビがついさっき魔法をかけたので、今、クロとアビは城の警備兵の格好をしていて、アビは、魔法の杖も消して隠し持っている。そして、一階に下りる為に大階段の前に来て、みな一旦立ち止まる。理久の着るメイドドレスは、スカートはいかなる作業もしやすいよう、長さは足首より少し上で歩きやすい。しかし、理久がいつもの男子の理久でズボンを履いていようが、クロはどんな時も階段や歩き辛い所では理久を気遣い手を差し出してくれる。そう、大切な姫君にするかのように。そして今回も、クロは立ち止まり横にいる理久に手を黙って差し出した。さっきまでの、女装している理久に妬いていた理久なら、このクロの手を拒んだかも知れない。しかし、今は、理久は笑顔で素直に頷きクロの手を握りクロと並んで階段を下り始め、アビがそれに続いた。もう、理久にこだわりは無かった。クロが女装した理久をキレイだと言ってくれたのは、女装した理久ではなく、理久本人に言ってくれたとわかったから。クロは、階段で何度も理久に視線をやり、ギュっと理久の手を強く握ってくれた。一階のエントランスに着くと、そこにいたのはレメロンだけて、集まっていたはずの獣人騎士20人と上級魔法師長がいない。「陛下。先程また理久様の従兄弟殿の目撃情報があり、このままではアドオンの使者達に従兄弟殿が勘付かれるのも時間の問題ですので、騎士達を数グループに分けて先にアドオンの使者達のいる棟に捜索に行かせました。上級魔法師長は、念には念を入れ他の魔法使い達と城内の結界の確認に向かわせてございます。騎士達全員を捜索に向かわせましたので、私はここで何かあった時の為に待機いたします」レメロンが、クロに頭を下げながら冷静な声で報告した。クロが頷いた。「うむ。流石レメロンだな。それで良い。我々も後を追う」こう言う時のクロは、獣人王の威厳に満ちた声を出す。レメロンがよく出来た臣下であるのは、理久もなんとなくわかっていたが、それを新ためて今感じ取る。そこに、レメロンが、クロに何か差し出した。「では、これを……騎士達にはすでに渡しておりますので」それは、まるで理久の世界のイヤホンのような物一つと、何か小型の長方形の機械だった。「これは?」思わず理久がクロに尋ねた。「ああ
Zuletzt aktualisiert: 2026-02-13
Chapter: 波動
理久は、翼を助ける為に、率先してクロの祖父の秘密の部屋から赤絨毯の長く広い廊下に出た。獣人女性に化けた理久の、ロングメイドドレスのスカートとポニーテールと、白のもふもふの尻尾がふわりと揺れた。廊下を挟み左右の壁には、等間隔にランプが設置され、その中で、魔法由来の他に燃え移らない火事にならない赤い炎が揺らぐ。辺りは静まり返っている。さっき、理久がクロに取った態度で、二人の間に変な空気が流れている。そして、理久の横顔に、クロの熱の籠った視線が向けられている。しかし、理久は、それを素直に受け止められず、一度チラッとクロの青い瞳を見詰めてすぐにそらしてしまった。それでも――クロは、理久を見詰め続けて、理久の心臓は、クロの理久へのその眼差しに早る。それでも――今は、翼の事に集中すべきと思いながらも――こんな気持ちのままでは、翼を助けられないと思いながら――どうしても、クロが理久ではなく、理久そっくりの獣人女性に愛情を向けているという風に、理久の頭の中で変換されてしまう。クロは、やはり理久の様子が変だと、頭の獣耳をピクピクっとさせて反応させた。そこに、アビが背後から声をかけてきた。「理久さん。時間も無いので、ここで一度さっきお教えした魔法を使ってみましょう」アビに振り返り、理久は不安な表情になる。「えっ?でも、それじゃあアビさんが危ないんじゃ……」それに、いくら城の広い廊下とは言え、大丈夫だろうかとも思う。だがアビは、クスっと笑った後返した。「大丈夫です。理久さんが従兄弟殿に襲われた時にお命まで奪わないように反撃できるような、あくまで理久さんを守る為の護身用レベルの魔法の力にしてあります。それにそれくらいの魔法なら、僕は手前で消滅させられますし。ただ……この魔法が一時期にせよ、僕から得たとは、他言なさらないで下さい。あくまで、理久さんが元々持っていた力にして下さい」「えっ?……」理久は、戸惑った。アビの表情は、急に固くなる。「陛下は、僕の魔法系統一団が魔法を使えない普通の者に魔法を与える事が出きるのを知っておられましたが、普通の生活を送る普通の者達の多くはそれを知りません。もし多くの普通の者達がそれを知れば、自分にも魔法を与えてくれと我々魔法使いに殺到するでしょう。魔法を欲し得て悪用しようと言う者も多いのです。我々は、本当に
Zuletzt aktualisiert: 2026-01-23
Chapter: 嫉妬
だが、理久が変わったのは、そこだけじゃ無かった。 「理久……頭に、耳が……」 クロが、抱いている理久を見詰めながら唖然としたような声を発した。 「えっ?何?!」 理久の右手が、自分の頭にいく。 触ると、明らかに理久の頭にも、毛のある獣耳が生えていた。 そして、声も、女性のものになっていた。 「見てみろ……理久……」 クロは、目を細めた優しい視線を理久に向け呟くと、理久を抱いたままくるりと反転した。 すると、少し離れた壁に、縁の部分の美しい花の紋様に色とりどりの宝石を散りばめた大きな丸い鏡が飾ってあり、そこに、城の黒のメイドドレス姿の理久と、その彼女?を抱くクロが映る。 「えっ?!」 理久の頭にはやはり、ほわほわの白毛の獣耳が生えていて、黒のメイドドレスのスカートの部分の細工から、もふもふの白い尻尾も上手く出ていた。 しかも、何も練習しなくても、自然とその獣耳も尻尾もピクピクと動かせる。 「う……そ……」 理久自身が目を見開き驚く程違和感無く、理久は女性になっていたし、獣人になっていた。 だが、よくよく鏡の中の女装した理久とクロを見ると、次に理久の胸に去来したのは―― やはりクロの横には人間の男子の理久ではなく、獣人の女性の姿が本当にピッタリでよく似合ってるという事だった。 特に、堂々とした獣人王のクロの横には、華やかなドレスに身を包んだ美しい獣人女性のお妃様がよく似合っている。 そして、今さらながら新ためて思い知るのは、男の理久では、クロとどんなに深く身体も心も交わり合い愛し合っても、クロの赤ちゃんを産めないという現実。 すぐに理久の胸に、翼が理久に言い放った「違う世界の者同士は一緒に生きていけないし、幸せにはなれない!」と言った言葉が蘇り突き刺さり、掻き乱される。 途端に、鏡に映る理久は下を向き表情が曇った。 だが、それを見たクロもアビも、理久が女装姿にただ戸惑っているだけだと思った。 だから―― クロは、理久を抱く腕に更に力を入れて、理久の耳元で甘く囁いた。 「理久……凄くキレイだ……」 すると、理久の心に、雷に打たれたような衝撃が走った。 (信じてたのに……クロって……本当は、獣人の女の人好きなんじゃ?……) 思わず理久は、クロの腕の中でクロに顔を向けて
Zuletzt aktualisiert: 2026-01-10
Chapter: 魔法
アビは、すぐに異世界同士を繋ぐ魔法陣の近くに行き、呪文を唱えた。 すると、すぐに魔法陣の赤い文字や図形が黒く変色した。 理久は、これが魔法陣の力が停止したという事だと―― 理久の世界とこちらの世界が、完全に行き来不可能となったと悟った。 わかっていて魔法陣を止めたが、理久自身が元の世界に帰れ無い事より、今一時期にしても翼を帰してやれなくなった事に新ためて背筋が凍り、目眩がしそうだった。 「理久……理久……大丈夫か?」 クロが、クロの胸の中の表情の固まる理久を強く抱き締めた。 クロがいれば、理久は強くなれる気がして、出来るだけ気丈な声を出した。 「大丈夫……」 理久も、クロを抱き締締めた。 そこに、部屋に戻ったレメロンの冷静な報告が部屋に響いた。 「陛下。間もなく上級魔法師長と腕に信用のおける騎士20人が参りますが、理久様の従兄弟殿らしき姿が、アドオン国の使者達が宿泊している棟の方に消えたと言う情報がありました」 理久がクロに抱かれたままクロの表情を見上げると、沈着な中にも状況の厳しさが伺えた。 「やはり……あの魔物か何かはアドオン国の仕業かも知れないな。だが、まだアドオンの仕業と決まった訳でないし、間違い無く怪しまれるから、こんな深夜に無闇に王としての俺と騎士の大人数でアドオン国の者達がいる棟に踏み込めない。明日条約を締結すると言っても、アドオンと我が国はそれ程友好関係は無い。一旦ここでアドオン国と何かあれば、すぐに大きなモメ事にもなる。俺と騎士達は城の警備兵に化けて、少人数に分かれて慎重に潜入する。レメロンは連絡対応でこの部屋に残れ」 クロは、動揺一つ見せずレメロンに指示しすると、レメロンは「御意」と一言の後頭を下げた。 理久は、今もクロに抱かれながら、クロのこういう所が、獣人王だと実感する。 「どうした?」 クロが、クロを見詰める理久に視線を向けた。 「クロって、本当強い王様だと思って」 素直な理久の言葉。 それがクロの頭の犬耳に入った途端、又クロは、褒められて反応した本当の犬の時のクロのように体をビクってさせて、犬耳と尻尾がピンと立った。 そして、クロは理久を抱いたまま体を屈め、クロの唇を理久の耳元に寄せ問う。 「強い、王なだけか?」 「えっ?……」 理久が戸惑う。
Zuletzt aktualisiert: 2025-12-26
私を裏切った億万社長、今はもう一度愛して欲しいと求めてくる

私を裏切った億万社長、今はもう一度愛して欲しいと求めてくる

「もう一度、あなたを愛していいですか?」 ズタズタにされた初恋からの再会愛… 子供の頃から不遇に耐えてきた鈴木智也は、就職してからやっと空間デザイナーとしての道を歩き始め、今はやっとの事、順調な生活を手に入れ安定した生活を送っていた。 しかし―― 過去、最も智也を苦しめ深い地獄に落とした男が、今になって再び智也の前に現れた。
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Chapter: 指先
それは、6月の終わり、大成が転校してきてすぐに始まった期末テストが終わった日だった。智也は、美術部に入っていて、三時間目のテスト終了すぐに美術教室に入った。昼まで絵を描くつもりだった。元々智也は、小さな頃から絵が得意だったが、母に富裕層の愛人が出来た事で、今はアルバイトせずにクラブ活動が出来ていた。だが、やはりテスト終わりもあり、部員は今日は智也だけ。智也は、シーンと静まり返る美術室で、一心にキャンバスに向かっていた。智也は、なんでも描いたが特に建物の絵や室内の絵が得意で、シャープな都会のビル群を今も描いていた。どれくらい集中して描いていただろう?智也は、ふと、背中に視線を感じ、椅子に座ったまま振り返った。すると――教室の後ろの入り口近くの壁にもたれかかって腕を組み立っている大成が、智也の事をじっと見ていた。「?!……」智也は、無言で驚き心臓が跳ねると、振り返ったまま体を固めた。大成は、教員室に寄った後もう帰宅するはずだったのに――そこに、クスっと笑い大成が歩み寄って来て、智也の背後から絵をしげしげと見詰めた。大成の体が智也にこれ程に近いのは初めてで智也の体は緊張にガチガチになり、心拍が異様に速くなる。だが、それを悟られないよう、智也は平静を装う。智也は――昔、何度か男性に襲われかけて、その度に必死で逃げて回避した過去があり、他人に近寄られるのは、ましてやこれ程に接近されると恐怖を感じる。しかし、今はいつもと違う感覚もあった。顔や首、耳、それ所か、体全体が、熱くほてるように感じる。胸の奥に、恐怖だけで無い、何かが昂ぶるような感覚もある。そこに――「前からお前の絵見たかったんだ。今日は部員が他に誰もいないからチャンスだと思って。へぇー……凄く上手いな」まだ絵に視線を集中させる大成が言った。「えっ?本当に?!……」智也が、驚き大きく目を見開きながら、信じられないと言った様子で返す。「本当」大成は、智也に向かいクールに目を細め、口元を僅かに上げた。智也の胸に、喜びが込み上げた。これ程のうれしさを感じたのは、生まれて初めてだった。絵は小、中、高校の授業やこの美術部に入って何回先生に褒められたが、その時の言葉は心に残らなかったのに。それとは比べものにならなかった。絵は、小学生1年生の時一度大賞を取ったが、そ
Zuletzt aktualisiert: 2026-03-04
Chapter: 出会い
「実は不破は、先月までアメリカ留学していたんだ。さあ、不破、みんなに自己紹介してくれ」教師から促され、大成は転校生なのに、このクラスの誰より堂々とした態度で自己紹介を始めようと、一段高い造りの教壇からクラスメイト全員を見下ろすように尊大に見渡した。しかし、その時――智也の視線は大成に強烈に奪われた。抗う事も、考える事も出来なかった。息を飲むような端正な大成の容貌にくっきりと浮かび上がる、高貴で意志の強そうな鋭利さ。その瞳から鼻から唇から――そして眉にいたるまで、全てがそうだった。すると――沢山のクラスメイト達も大成をひたすらじっと見詰めてるのに、何故か大成が智也にだけに視線を向けた。こんなに沢山人のいる教室で、その瞬間――智也と大成は見詰め合った。その刹那――智也の胸がドクっとし激しく乱れたかと思うと締め付けられた。それは、智也が生まれて初めて感じた――心を揺さぶられる感覚だった。そして、智也の時が完全に止まった。しかし――すぐにそれを教師の声が破った。「不破?……」「はい……」大成は、智也から視線をそらすと、何事も無かったかのように冷静に自己紹介を始めた。すでに声変わりは完全に終わった大成の声は、同級生の誰より落ち着いていて低く、すでに大人の艶もあった。それに加え、大成の完璧に整った容姿、逞しい体型、溢れ出すカリスマ性で、教室にいる男女のクラスメイト、智也も含め全員、そして教師すらも、大成から視線が外せなくなる。そして、大成の自己紹介は、言い淀みもなくスラスラと完璧に終わった。だが次の瞬間――大成は、智也に再びチラリと視線を向け、一瞬再び智也と目が合った。(えっ?!)智也はビクっとし大成に戸惑い、すぐに今度は智也から視線を外した。大成の方は、再び何も無かったように、自分に与えられた席に着いた。(別に……さっきも今も、たまたま少し視線があっただけ……)智也はそう自分に言い聞かせ、自分の戸惑いや動揺を払拭しようとした。そして、元々、智也は人付き合いが得意な方ではないために、大成の事は気にしないようにしようとした。だが――休み時間、智也が不意に遠くから視線を感じると――すぐにクラスメイトに受け入れられ囲まれた大成がじっと智也を見詰めていたり――授業中も大成が時折こちらを見ている雰囲気を察し、智也は戸
Zuletzt aktualisiert: 2026-02-04
Chapter: 迷い
(なんだろう……この体の節々の痛みは?……で、今いつだろう?……) そう思いながら、横向きに横たわる智也がゆっくりゆっくり瞼を上げると―― 少し離れた所にあるテーブルの上のスタンドライトの仄かな明かりに照らされて、すぐ目の前に大成の顔が見えて、智也をじっと見詰めていた。 「おはよう……智也」 大成の、少し掠れた低い艶声。 そして大成は、静かに目を細めて智也の髪を優しく撫でた。 「たい……せい……」 智也は、大成のその穏やかな表情と、そして寝起きで意識がまだ彷徨っていたせいで完全に時間の感覚がズレた。 ―錯覚してしまった― 今、目の前にいる昨日再会した大成が7年前の高校生の時代の大成だと思い込んでしまい、恋情で胸を一杯にして彼を呼んでしまった。 「智也……」 大成がそう囁いた唇が、智也のそれにゆっくり近づき、重なる。 今、智也自身も7年前の高校生だと思っている智也は、あの当時は当たり前だったそのままに口付けを従順に受け入れた。 7年前と、変わらない―― 触れるだけのくすぐったくて甘酸っぱくて、心から泣きたくなるような優しいキス。 だが、しかし―― (えっ?!) 智也の意識が急に明確になりだした。 そして目を見開き、一瞬、今の状況に体がガチガチに固まった。 そして、昨日のプレゼンから今までの回想が脳内に急回展した。 そしてやっと、大成も智也も、今は高校生ではない大人の社会人だという事―― 今、ホテルのスイートルームの柔らかいキングサイズベッドの上で朝を迎えた事―― 昨晩、大成とセックスしてしまった現実を全て思い出した。 途端に智也に、自分がやってしまった事への激しい混乱が押し寄せた。 智也も大成も、白のバスローブ姿。 「うっ……」と、智也の下半身の孔に痛みが走り自分を抱き締めるように背中を丸めると、昨夜の激しい行為が現実だと思い知る。 「智也!大丈夫か?」 その大成の言葉を聞き終ると、智也は痛みを堪えガバっと飛び起きベッドを出た。 そして、壁の時計を見るとまだ午前の5時を回った所で、カーテンの閉まった窓の外も暗い。 ガシッと、大成が智也の腕を掴んだ。 「お前の中に出した俺のものはキレイに俺が掻き出してある。だから、もう少し一緒に寝よう」 しかし、智
Zuletzt aktualisiert: 2026-01-15
Chapter: ベッド
「うっ……ううんっ…!」ベッドに仰向けのまま、顔を真っ赤にした智也が快感と戸惑いの入り交じる泣きそうな声を出した。その声を聞き大成は、智也の下半身に顔を埋め満足そうに目を細め、智也の陰茎の先端を口内に入れたまま、そこを舌を使って全体を強弱を付けて舐め始めた。そんな事を他人に初めてされた智也は、更に仰け反り、しかし、声を抑えようと必死で唇を噛んだ。ペチャっ……ペチャっ……クチュ……クチュ……クチュ……だが、大成の温かくぬめる粘膜と舌は、ねっとりと絡みつき執拗に舐め回す。その淫靡な水音と、智也と大成の熱い息が部屋を満たす。 智也はふと、高校生の智也と大成が、誰もいない静かな夕方の教室でキスした時の事を思い出す。あの時、智也がひたすら恋し焦がれに焦がれた大成の唇が、今は智也の陰茎を舐めている事に頭がクラクラする。 「ああっ!……あっ……ああっ!……」智也が今まで知らなかった、他人から与えられる快感が全身に甘く強引に広がってゆく。智也は、ベッドで更にのけぞりながら、足の指先をピクピク震わせた。我慢出来なかった。智也の声に甘さが混じり始め、自然と声も大きくなる。 すると、智也の下半身から凄まじい快感がせり上がってきた。だが、それだけでなく、心の底から湧き上がる激しい熱と共に智也は絶頂の階段を駆け上った。「ああっ!大成ぇぇっっ!……」智也は、目の前が真っ白になり、本能のまま叫んだ。右手は、大成の髪の毛を掴んでいた。そして、つま先をキュッと丸め、腰を小刻みに痙攣させながら、智也は陰茎から熱を吐き出した。大成は、智也のそこから唇を離さず、智也のそれを口内で受け取った。 ごくっ……と言う音が響いた。―大成が、智也のそれを飲み込んだ―その衝撃的な現実が、達した余韻の波に漂う智也を我に返した。しかし、大成は、まだ執拗に先端部分やそこの孔までを舐めて、智也の吐き出したもの、残滓まで全てさらえようとしていた。「ダメ!……大成!……やっぱり、ダメだ!……」一度体内から吐いて冷静になった智也は、上半身だけ起き上り、智也の下半身から顔を上げた大成の肩を押して逃れようとした。しかし、大成は、その智也の手を強引に掴むと大成の唇に持っていき、何度も甲や手の平に口付し舌で舐めた。チロチロと蠢く大成の厚い男の舌を見る度に、さっき智也のあそこを
Zuletzt aktualisiert: 2026-01-02
Chapter: 火花
智也と大成がいるハイヤーの後部シートに緊張感が走る。 大成は、智也と唇同士を近づけたまま、前の運転席とを仕切る黒ガラスを下げるボタンの上に指をかけたまま、再び優しく智也に囁き甘く追い詰める。「どうする?……」その、滴るように甘く残酷な声に、智也の心臓は締めつけられ、下肢が震えた。そして同時に、智也の体の底から衝動が吹き上げた。抗えない、逃げられ無い衝動――智也の右手は、本能のまま大成のスーツの上半身をギュっと強く掴んだ。それが――智也の答えだった、ハイヤーの中で絡み合うように大成と甘い口付けを繰り返しながら、智也はフォルセスホテルに戻って来た。智也は、大成に肩を抱かれながら最上階の広い豪奢なスイートルームに入った。まだドアは閉まってないのに、廊下から誰に見られるかわからないのに、大成は正面から再び智也の唇に大成の唇を強く重ね奪った。「ふっ……んんんっ……」トロンとした視線の智也は、唇と唇の接合の合間から甘い呻き声を上げた。大成は、智也のそれさえも奪い取るように口付けを繰り返す。智也の頭がクラクラクラクラする。そして、熱い――熱過ぎる―― 焼けてるように、頭の中も体の中から全体が――しかし――パタン――ドアの閉まる大きな音で、智也は一瞬でハッと我に返った。シャンパンの酔いも、徐々にではあるが引いていたかも知れない。頭の片隅に少し思考が戻る。それを発端に、大成に流されて、いつもの自分の慎重さを失っていたと、智也の中に大成への警戒心が蘇る。次にこの状況に、自分のやってしまった事に、智也の背筋は氷のように冷え震えた。(やっぱ、ダメだ!帰らないと!)智也は、部屋を出ようとドアノブに右手をかけた。だが、それを大成の右手が上から押さえ、大成の強い左腕が智也を背後から抱き締め止めた。「帰るな……」背の高い大成が背を屈め、背後から智也の耳元に低く囁く。智也は、その艶のある低い声だけで一瞬腰から崩れ落ちそうになったが、背中を震わせながら必死に自分に繰り返す。「ダメだ……こんな事……ダメ……ダメだ……」智也は、拒否し大成から逃れようと足掻こうとしたが、大成の力に智也の胸を強くガッチリとホールドされ身動き出来ない。 そこに大成の唇が、背後から智也の耳朶に何度か口付け、やがてそれを甘噛みし始める。 胸から下の強引
Zuletzt aktualisiert: 2025-12-23
Chapter: 告白
リムジンの車内。車窓に映る、降り出した雨に濡れて淡く幻想的に輝く街の灯。後部シートの智也と大成と運転席とを隔てる黒のガラスにより作られた、まるで智也と大成二人だけのような静かな秘めやかな空間。ずっと智也の身体に触れつづける大成の肩から感じる熱。それら全てが智也を更に酔わせるようにすら感じる。智也は、そんな心と身体の昂ぶりを隠すように窓を見詰め続けた。 だがそこに、大成の静かな声がした。「鈴木さん。君は明日からAJの本社で働いてくれ」「えっ?!」智也は、自分の聞き間違いかと耳を疑いながら大成に視線を向けた。しかし、間違いでは無かった。「鈴木さんが仕事がやりやすいよう、その才能を充分発揮出来るよう、AJのホテル建設のプロジェクトチームをAJ本社に作った。君専用の部屋も用意したし、必要な数、いくらでもAJの人間を君に付けるし、明日から送り迎えの車も君に付けるから電車通勤の必要はない。君がさっき一緒に来た部長とゼイン側には、私の部下からすでにその旨は伝えて了承は得ている」あまりに突然で壮大な提案に、智也は思考が追いつかず混乱した。「あっ……その……」だが大成は智也を見詰めて、諭すように、まるで懇願するかのように言った。「鈴木さん。AJには、君の才能が必要だ。そして、智也……私には……君自身が必要だ」「?!」その言葉から身も心も焼くような熱を感じ、智也は言葉が出ないまま体を硬直させた。すると大成は智也と視線を交わらせながら、智也の様子を伺うように、座席のシートに置かれていた智也の右手を上からゆっくり大成の左手で覆い握り、囁いた。「俺は、君と離れ離れになったあの時からこの7年間、1日も君を忘れられなかった。そしてこの7年間、毎日君に対して後悔し続けた」大成の指に更に力が込められ、智也の手を強く握る。大成の懺悔はつづいた。「本当にすまなかった。頼む、もう一度、君とやり直すチャンスを私に与えてくれないか?」「智也……」大成の喉がかすかに震えた。「あの頃の俺は若すぎて、本当に愚かだった……自分がどれほどお前を好きだったのかさえ、分かっていなかったんだ」 智也のまつ毛がわずかに揺れる。 「俺、あの頃は強がってばかりで……お前が近づくたびに心臓が壊れそうなくらい跳ねてたのに、平気なふりをして、わざと傷つくようなことばかり言って……
Zuletzt aktualisiert: 2025-12-22
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