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囚われの俺-2

Author: よつば 綴
last update Last Updated: 2025-02-28 06:37:55

 その成り行きは単純にして愚鈍。俺は、救いようのない阿呆だったと自覚している。

 学友達に、肝試しだと連れてこられた旧王魔団の廃城。肝試しと銘を打っているものの、浅ましい自己アピールの場にすぎない。

 女達は俺の容姿と家名を求め群がる。あざとく媚びて、か弱いフリをして見せる。俺の庇護欲を駆り立てようと尽力しているのだ。男共はおこぼれを狙っている。友とは上っ面だけのクソどもに、心底虫唾が走る。

 吹き晒しになった最上階。そこで、密かに城を塒《ねぐら》にしていたヴァニルとノーヴァに出くわした。月明かりに照らされて、危うい存在の彼らは透けて見える。それはさながら、噂通りの幽霊の様だった。

 その場に居た全員が恐れおののき、パニックになって走り出した。腰を抜かして動けなくなった俺は、無情にも置いてけぼりをくらう。流石、友達ごっこだ。

 ぺたっと座り込んだ俺の頬に、ノーヴァが手を添えて微笑む。胸が高鳴り、背筋をゾクゾクと何かが走り抜けた。

 俺がマヌケだったんだ。絶世の美男の姿で現れたノーヴァに誘われ、ちょっとばかし見目麗しいからと、ホイホイと奴らの居住区《テリトリー》に立ち入ったのがマズかった。

 あれよあれよと犯され、言葉巧みに屋敷へ招き入れてしまったのだから。我ながら、実にちょろかったと思う。

 世界に名を轟かせるヴァールス家の嫡男ともあろう俺が、吸血鬼の小僧と変態ジジイに良いようにされる日々を送る羽目になるとは。なんとも不甲斐ない。

 かくして、この2匹の生き残り吸血鬼を、格式高い我がヴァールス家にて養う事になった。

 奴らは洗脳の様な力で、家の者の意識を操れるらしい。なんの違和感もなく屋敷をうろついているし、俺並みの扱いを受けている。良いご身分だ。

 そして、俺は囲われの身。逆らう事もできず、それどころか俺の方が離してやれないというのが本音だ。2人には絶対言わないが。

 俺がとっくに快楽の虜と知れば、さらに好き勝手に弄ばれるのだろう。あの、愉悦が全てと宣《のたま》うバカ2人のことだ。俺が毎夜潰されるであろう事は、火を見るより明らかである。

 俺の本心が関係しているのか、吸血鬼の能力なのかは知らないが、俺は決して2人に逆らえない。頭と身体が、別々の意識を持っているかの様に。

 俺の都合とは関係なく、夜な夜な2人が俺の部屋に訪れる。そして、今宵もこの身を弄ばれるのだ。

 俺の身体を差し出すことで、俺の周囲の安寧は守られている。そういう大義名分だと、自分に言い聞かせているわけだが。実際はそうではない。

「──ヴェル、ヌェーヴェル? ヴェル! 聞いてる? もう、またトんでたでしょ」

「ん····いや、トんでない。ちょっと考え事してただけだ」

「へぇ··。ボクのおちんちんねじ込まれてんのに、考え事する余裕あるんだぁ。へぇ~」

「違っ、悪かった。ぼーっとして、余裕なんか··んんっ、ないって──んあ゙ぁ゙ぁ!!」

「これ、本当に潰してあげようか?」

 ノーヴァは入り口をこねくり回し、グッと押し込むと前立腺を抉るように潰す。

「痛゙ぁぁっ、待て! 待って! そんなに強く、何度もしたら、痛いんだって。だから、も、やめて····」

 悔しいが、俺は涙を浮かべて懇願するしかない。

「痛いの好きだよね? いつも涎垂らして喜んでるくせに」

 ノーヴァは、俺の亀頭を指先でこねくり回して言う。

「なっ!? 喜んでな──んぐぁっ!! も、やだ····痛いんだって··んっ」

「声、甘くなってきたよ? ほら、悦くなってきたんでしょ?」

「んぁっ、そんなわけ····ひあぁぁ!!」

「まだまだお漏らししてね。ヴェルが快楽に堕ちれば堕ちるほど、沸き立つ血が美味しくなるんだから」

 ノーヴァは俺の首筋を舐め、トドメと言わんばかりに前立腺を押し潰した。

「イ゙ッ··ぎあぁぁぁ!!! 痛゙ぃっ、もう出ないぃ!! やだ、もうやめろって!!」

「ノーヴァ、そろそろ解放してあげなさい。ヌェーヴェルが泣いてしまったじゃないですか」

「本当、ヴェルは泣き虫だなぁ」

「だっ、誰の所為だと思ってんだ! この変態幼──むぐっ」

「まーた言おうとしたね。お仕置きだよ~」

 ノーヴァの見目が麗しく、どこからどう見ても女児なので“幼女”と揶揄って殺されかけたことがある。これを言うとノーヴァがキレることは知っているが、腹が立つとつい言ってしまう。

 そして、まさに今これから、酷く仕置きをされるのだ。恐怖とともに、ゾクゾクと込み上げるものがある。

 しかし、そんなに甘い事は言っていられない。あまりにも容赦のない責めが続くのだから。

「ひぐっぅあ゙ぁ゙ぁぁぁぁ!! お゙え゙ぇ゙ぇぇっ····ごめっ、奥、やめ゙て··くらしゃい····もう、許ひて····」

「ヴェルはおバカだから、ボクが怒るのわかってて言おうとするんでしょ? 何回目? いい加減、こうなるって学習しなよね」

「ノーヴァ、程々にと言ったでしょう。私ができなくなるじゃないですか」

「··ふんっ、いいよ。代わったげる。朝までヴァニルに抱かれたらいいんだ」

「朝··まで··そんなの、死ぬってぇ····。お前、ら··俺の血が目的だったんだろ····」

「貴方の血は勿論。しかし、その躯の全てをむしゃぶり尽くしたくなってしまったのですよ。それほどに、貴方が美味しいという事です」

「ふっざけんな····」

「いい加減慣れなよ。いつまで初々しいフリしてんのさ」

「フリじゃねぇよ! こんなもん、慣れてたまるか!!」

 とまぁ、こんなふしだらな関係を、かれこれ1年近く続けている。

 毎日、幼女みたいなクソガキに弄ばれ、死ぬ寸前までド鬼畜絶倫イケメンに抱き潰されるのだ。このままでは、本当に身が持たないだろう。

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