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27話-3 討伐後のご褒美は。

ผู้เขียน: 空野瑠理子
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-25 20:01:00

* * *

――翌日の朝。

ユリシーズの第1部隊、ハロルドの第2部隊、ゼインの部隊、エルバートの部隊により3名ずつ優秀な者だけを残し、

全4部隊が山奥付近の魔の討伐に入った。

魔の討伐は順調に進んだようで、夜には瘴気で腐敗させる魔は全て討伐したとアベルよりエルバートは報告を受けた。

しかし、エルバートはどこか腑に落ちない。

山奥付近の魔が本命の魔より例え弱かったとしても、

第3、第4部隊が全滅した程の魔、討伐完了するのが早すぎる。

(私とゼイン殿下の援軍部隊が強かった影響もあるかもしれないが)

この天空山、何かあるのかもしれない。

「ご主人さま、少し宜しいでしょうか?」

特別なテントの外からフェリシアの声が聞こえた。

「入れ」

エルバートが許可を出すと、フェリシアが特別なテント内に入ってくる。

「どうした? 何かあったか?」

「あの、ご主人さま、明日より本命の魔の討伐に入る為、ユリシーズ殿下に今日の高貴な者の夕食はわたしに作って欲しいとお願いされたのですが、作っても宜しいでしょうか?」

「わたしもご主人さま達の力になりたいです」

断りたいところだが、フェリシアにそう言われてしまっては仕方ない。

エルバートは息を吐く。

「分かった。許可しよう」

「ありがとうございます」

それから間もなくして、フェリシアの夕食、シチューが出来上がり、ユリシーズの広いテントでエルバートはフェリシア、ゼイン、ディアム、ハロルド、サフィラと共に夕食を食べることとなった。

「ユリシーズ殿下、如何でしょうか?」

「温かく、心に沁み渡り、とても美味しいです」

ユリシーズがフェリシアに返すとハロルドが深く頷き、サフィラが歓喜の声を上げる。

「美味しすぎて涙が出てきました!」

ゼインとディアムが、はは、と笑う。

フェリシアの料理はやはり美味い。

特にこのシチューは寒い夜には格別だ。

だが、皆の心まで捉えてしまう。

本当に厄介なものだな。

* * *

そして翌日の朝。フェリシアはエルバート達と共に歩いて山奥へと向かう。

するとフェリシアは魔除けコートを両手を通さず羽織るエルバートを見て、とあることに気づく。

(あれ? わたしが前に帝都の時に渡したブローチ、コートに付いていない?)

(いつも付けていて下さったのに)

「フェリシア、どうかしたか?」

「い、いえ」

ブローチを付けていてくれるのが当たり前のように思うだなんて。

いつの間にか、こんな独占欲を抱くようになっていた自分が恥ずかしい。

歩き続けると山道は次第に険しくなっていき、山奥寸前まで辿り着いた頃には夕刻前となっていた。

ハロルドの目の合図でフェリシア達は山奥に足を踏み入れる。

すると魔の気配を感じ取ったのか、エルバートの顔つきが変わった。

黄昏時に入り、空は奇妙な夕日に照らされ、やがて魔が姿を現す。

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