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第1366話

ผู้เขียน: 夏目八月
燕良親王と淡嶋親王は揃って城門から押し出され、無相自らが見送った。

淡嶋親王は引き渡しの瞬間、無相が解放の合図を出すものと信じていた。ところが朝廷軍の兵士たちが進み出て二人を拘束しても、無相は何も言わない。

胸騒ぎを覚えた淡嶋親王は身をよじって無相を見つめた。その眼差しは問いかけるように。

無相はわずかに頷いて安心させようとしたが、淡嶋親王には違和感が拭えなかった。事前の話では、形だけ一緒に縛られて出るが、実際に引き渡されるのは三兄だけのはずだった。

今や自分も朝廷軍に身柄を渡されている。まさか――まさか自分も見捨てられたのか?

その思いが頭をよぎると、淡嶋親王は狼狽した。「私は無実だ!燕良親王を捕らえたのは私だぞ。放せ!」

十一郎は冷ややかな視線を向けた。「愚か者が」

「無相!」淡嶋親王の心は氷の底に突き落とされた。振り返って無相を見据える眼差しは、凶暴さから哀願へと変わった。「無相先生、私が無実だとご存知でしょう。私に謀反の意などありません。天方将軍に説明してください!」

無相は目を伏せ、淡々と言い放った。「我らが陛下は洞察力に優れた御方。誰に罪があり誰が無実かを必ずや見抜かれましょう。殿下はご安心を」

彼は「我らが陛下」という五文字に特に力を込めた。この言葉に淡嶋親王はかすかな希望を見出した。

そうだ――やがて秋本が軍勢を率いて攻め入れば、朝廷軍の命運は尽きる。自分も当然解放されるはずだ。

だが、それならなぜ無相は事前に説明しなかったのか?

不安を抱きながらも、淡嶋親王は自分を慰めた。自分は彼らの計画をすべて知っている。無相が自分を切り捨てるつもりなら、直接殺せばよいはず。なぜわざわざ天方十一郎の手に委ねる?秋本蒙雨の大軍襲来を暴露される危険を冒してまで。

再び無相を見上げると、男はわずかに頷いてみせた。淡嶋親王の心に安堵が戻る。

どのみち朝廷軍も燕良州から逃れることはできぬ。無相を疑うべきではない。

二人を拘束した後、天方十一郎は素早く軍勢を率いて入城した。

燕良州から五十里離れた官道では、激戦が繰り広げられていた。

秋本率いる大軍が伏兵の襲撃を受けていたのだ。実際のところ、それまで兵力は分散して進軍しており、合流してからまだ数時間しか経っていない。燕良州に向かい、朝廷軍を包囲殲滅する算段だった。

天方十一郎の本隊が城外に
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