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第9話

Author: めぐる
彼は学生会長の座を私に引き継ぎ、そして同じ日、私に告白した。

「僕の彼女になってくれない?

断られても構わないよ、来年また告白しに来るから」

「はい。私でよければ、喜んで」

私は一秒も迷わず頷いた。もちろん、私だってずっと惹かれていたから。

湊は笑いながら身をかがめ、私にキスをした。

なぜか懐かしい感覚がよみがえり、私は疑問を口にした。

「私たち、以前どこかでお会いしたことありませんでしたか……」

湊は私の鼻先を指先でちょんと突くと、少し拗ねたような口調で言った。

「今ごろ気づいたの?つれないなあ」

彼の整った顔立ちが、記憶の中の小さな男の子と重なっていく。

湊は隣の家に住んでいた子だ。子供の頃の彼は色白で華奢で、よくいじめられていた。

当時の私はガキ大将で、正義感からいじめっ子たちを追い払っていた。

あの時、湊は服の裾をギュッと掴みながら、恥ずかしそうに、大きくなったら結婚しようと言った。

当時の私は彼が女の子だと思い、冗談半分でその場でOKしてしまった。

まさか、彼はこの約束をずっと覚えていてくれたのだ。

大学卒業後、私は学生時代の活動やインターン経
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    彼は学生会長の座を私に引き継ぎ、そして同じ日、私に告白した。「僕の彼女になってくれない?断られても構わないよ、来年また告白しに来るから」「はい。私でよければ、喜んで」私は一秒も迷わず頷いた。もちろん、私だってずっと惹かれていたから。湊は笑いながら身をかがめ、私にキスをした。なぜか懐かしい感覚がよみがえり、私は疑問を口にした。「私たち、以前どこかでお会いしたことありませんでしたか……」湊は私の鼻先を指先でちょんと突くと、少し拗ねたような口調で言った。「今ごろ気づいたの?つれないなあ」彼の整った顔立ちが、記憶の中の小さな男の子と重なっていく。湊は隣の家に住んでいた子だ。子供の頃の彼は色白で華奢で、よくいじめられていた。当時の私はガキ大将で、正義感からいじめっ子たちを追い払っていた。あの時、湊は服の裾をギュッと掴みながら、恥ずかしそうに、大きくなったら結婚しようと言った。当時の私は彼が女の子だと思い、冗談半分でその場でOKしてしまった。まさか、彼はこの約束をずっと覚えていてくれたのだ。大学卒業後、私は学生時代の活動やインターン経験を活かして、大手企業から内定をもらった。一方、湊は彼の父親の会社を継いだ。もともと上場企業だったが、彼が引き継いでからは利益が倍増した。株主たちの期待はますます高まり、より多くの資金が投じられ、時価総額も何倍にも膨れ上がった。社会人としての最初の頃は少し大変だったが、仕事に慣れてくると、すっかり要領の良い会社員になっていた。仕事中に同僚とこっそり抜け出し、タピオカミルクティーを飲みながらおしゃべりに花を咲かせた。お正月、私は湊を連れて実家に帰った。両親は湊が私の幼馴染だと知ると、ますます気に入った様子だった。「湊くんは昔から真っ直ぐな子だったし、佳乃を任せるなら安心だよ!」だが、その温かな時間を招かれざる客が壊した。航が私の実家の玄関に立っていた。スーツをきっちり着こなし、たくさんの手土産を手に提げている。「佳乃、ご両親に挨拶に来たよ。あの時は本当にすまなかった。お前の真っ直ぐな気持ちに応える資格なんてなかった。でも、今は俺も少しは成功して、自分の会社を立ち上げたんだ」彼は私の傍らにいる湊を一瞥し、その目に敵意をむき出しにした。

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