Viking Wolf: Odyssey of a hybrid Luna

Viking Wolf: Odyssey of a hybrid Luna

last updateLast Updated : 2025-07-31
By:  R. S. Paradise Completed
Language: English
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Lyra is a weak Omega who has been forced into exile by her Alpha mate after her true identity of being a generational maid and courtesan (the fore-women/ancestors of her lineage were known to be maids) was put out. Unknown to her, she was already carrying the heirs of the Howl Valley Pack and sons of the wicked Alpha Maverick. Lyra finds shelter at an all rogue pack where she is constantly tormented by the leader of the group, Alerik. After having her twin sons, Arik, the ruthless rogue leader keeps forcing himself on her until she escaped with her pubs and into the arms of Alpha Viking, an old warrior with nothing left to his name after losing his only son and heir to a pegan war. Following the death of Alpha Viking, Lyra becomes the Viking Alpha, bestowing all powers into her. Years later, Alpha Maverick would come back seeking for Lyra after hearing rumors of her being a Viking Lord, and to claim his sons. But with his new interference in their lives, and the truth between reality and myth blurs, one thing is clear: a new future is uncertain.

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Chapter 1

Chapter 1

穂香を秘書としてそばに置くようになってから、慎吾はいつもそうだった。

忙しくて家に帰る時間もない。奈月の話を聞く時間もない。家庭のことに気を配る余裕もない。

家具を買い替えるような些細なことから、引っ越し、娘の進学先まで、奈月が相談しても返ってくる言葉はいつも同じだった。

「好きに決めてくれ」

スマホの画面をもう一度、さっきのSNSの投稿に戻した。

そこに書かれている慎吾は、まるで奈月の知らない人のようだった。穏やかで、辛抱強くて、そこにはかすかな愛情さえ感じられた。

奈月はその文章を見つめ、それから顔を上げた。

ICUの病室を隔てるガラスには、自分の姿が映っていた。

ひどくやつれ、目は真っ赤に腫れ、今にも息絶えそうなほど憔悴している。

奈月はその場にずるずると座り込み、冷たい壁に後頭部を預けた。スマホを握る指先は、力が入りすぎて白くなっていた。

母が慌ただしく駆けつけ、奈月が一人きりなのを見るなり、真っ先に尋ねた。

「慎吾は?」

奈月は首を横に振り、小さな声で言った。

「お母さん、私、離婚したい」

「どうして?」

母は理解できないという顔をした。

「あなたたち、大学を卒業してすぐ結婚したでしょう。二人で会社を始めた頃は、隙間風の入るような古いアパートに住んで、前の日の残り物で食いつないでたじゃない。あんなに苦しい時期を二人で乗り越えてきたのに、今は何もかも手に入ったでしょう。それなのに、どうして離婚なんて……」

そうだった。

あの頃は、わずかな食べ物さえ相手に残そうとするほど貧しくて、水を飲んで空腹をごまかしながら、それでも二人で馬鹿みたいに笑っていた。

何ひとつ持っていなかった。

あったのは、何の足しにもならない愛だけだった。

けれど今は、何もかも手に入った。

住む家はどんどん広くなり、車も増え、暮らしは豊かになっていった。

それなのに、二人の心だけは少しずつ離れていった。

奈月は静かに言った。

「慎吾の秘書ね、きれいで頭もよくて、人混みにいても目を引くような人なの」

「それがどうしたの?」

「お母さん、私はどこにでもいる普通の女だよ」

奈月は口元を歪めた。笑おうとしているうちに、唇に苦くしょっぱい味が滲んだ。

「何年も家のことばかりしてるうちに、平凡で、面白みもなくて……今じゃ、何の価値もないような普通の女になった」

母の声が厳しくなった。

「慎吾、浮気したの?」

奈月はゆっくりと首を横に振った。

慎吾が実際に浮気をしたわけではない。

少なくとも、奈月の知る限りでは。

けれど、裏切りは浮気だけではない。

心がほかの誰かに向くことだって、同じだった。

慎吾と一緒に会社を立ち上げた頃、奈月は彼の一番頼りになる右腕だった。慎吾が安心して背中を預けられる、かけがえのない仕事のパートナーだった。

事業が軌道に乗ってからは家庭に入り、慎吾を支える妻になった。

彼の成功を陰で支える、なくてはならない存在だった。

そして付き合い始めて10年目の今、奈月はただ、彼と日々の生活を回していく相手でしかなかった。

波風ひとつ立たない毎日の中で、慎吾の心を動かすこともない、ただそこにいるだけの存在。

奈月が慎吾にとって、もう特別な意味を持つ存在ではなくなった頃、穂香が現れた。

奈月と慎吾は夫婦なのに、いつからか互いが何を喜び、何に腹を立て、何を悲しんでいるのかさえ分からなくなっていた。

相手が毎日何をしているのかも知らない。

たまに顔を合わせても、黙っているか、穂香のことで言い争うかのどちらかだった。

やがて慎吾は、喧嘩をすることすら嫌がるようになった。

険しい顔のままドアを閉めて出ていき、奈月と顔を合わせようともせず、その声さえ聞きたがらなくなった。

夫はいるのに、夫がいないのと変わらない暮らしだった。

母はやはり娘が心配だった。

「だったら離婚しなさい。あなたもあの人と一緒に何年も頑張ってきたんだから、それなりに財産だってあるでしょう。離婚したって、これからちゃんと暮らしていけるわ」

奈月は娘の看病をしながら、離婚協議書の準備を始めた。

奈月も会社の創業者の一人だった。保有している株式は、慎吾より1%多いはずだった。

かつて株式を分けたとき、慎吾は真剣な顔で奈月に約束していた。

「奈月、俺たちのことを最後に決める権利は、ずっとお前に持っていてほしい。もし俺がいつか間違ったことをしたら、俺が築いたものを全部壊せるくらいの権利を、お前に渡しておく」

そう言ったあと、慎吾は笑って冗談めかして続けた。

「妻を大事にできない男なんて、失敗して当然だからな」

奈月は慎吾を破滅させたいわけではなかった。

ただ、自分のものを取り戻したかっただけだ。

ところが財産を整理している最中、弁護士から電話がかかってきた。

相手は戸惑った様子で確認してきた。

「宮本さん、現在、会社に宮本さん名義の株式はありません。こちらで確認したところ、宮本さんがお持ちだった株式は3年前に、ご主人によって川口穂香さん名義へ移されています。この件は、ご存じなかったのでしょうか。それとも、お忘れになっていたのでしょうか」

奈月はスマホを握る手に力を込めた。頭の中が真っ白になった。

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