Share

53

Author: 美桜
last update publish date: 2026-03-05 12:18:15

『こうして話すのは何年ぶりかな?』

「さぁな。お互い忙しいんだ。時々メッセージを送るだけでも十分だろう?」

准の声は冷たい。今回頼み事をしたいのは彼の方だというのにこんな態度を取ることができるのは、理那人が彼を慕っているからだ。そうでなければ、とっくの昔に痛めつけられて彼に従うよう強制されていたか、もしくは消されていたか…だ。

准の言い草に、理那人はフンッと鼻を鳴らした。

『なんだよ。相変わらず冷たいな』

「嫌なら付き合いをやめればいい」

『……』

電話の向こうから『ちぇ…っ』と拗ねたような舌打ちが聞こえた。

「有紗は元気なのか?」

話題を変えると、途端に『元気よ!』ともう一つの声が割り込んできた。

どうやらスピーカーにして2人で聞いていたらしい。

『准!あなたまだA国にいるの?』

「ああ。年末には戻る」

『本当!?』

その期待に満ちた声に、准は苦笑した。

『なによ?』

敏感にそれを聞き分けて、有紗が不審げに問いかけた。

『まさかと思うけど…恋人ができたんじゃ、ないでしょうね?』

その疑わしげな、探るような口調に准は笑った。

「いや。それはない」

そう言うと、向こうから『あ〜よかった
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   140

    「真田准……もしそうなら、絶対に許さない…」「……」聖人は、なぜか急に怒りだした妻に、目をパチパチとさせて驚いた。え…なんで…?さっきまであんなに不安そうにしてたのに…?彼は訳がわからず首を捻り、とりあえず彼女の頭をよしよしと撫でた。「落ち着いて。きっと、准にも事情があったんだよ」「そう?でもそうだったとしても、あれはないわっ」「あ〜…」〝あれ〟ね。確かに。あれはないな。聖人もそこはうんうんと頷いた。彼女の言う〝あれ〟。それは、あの最後に見た、結婚式の映像だった。どんな意図があったにせよ、あれはない。聖人の同意に、尚も「そうでしょう!?」と勢い込んだ。その時、2階の奥にある書斎のドアが開閉する音がした。「怜士」美月が呼ぶと、彼は一つ頷き皆の顔を見回した。芽衣の顔に目を留めた彼はふ…と笑うと、「体調はいいのか?」と問うた。「だいじょぶよ」大好きな伯父の優しい表情に、芽衣はにっこりと笑った。怜士は階段を降りて近づいてくると、弟の聖人とその妻、尚に向かって言った。「お前たちがここにいることは、准に報告した」「は?」素早く反応した尚が美月を見ると、彼女も驚いたような顔をしていた。「怜士、どうしてそんなことを?」「そんなこと?」困惑気味に尋ねる美月を見て、怜士は彼にしては珍しく強い調子で告げた。「確かに当主の座は譲ったが、俺は別に死んだ訳じゃない。一族の者が行方不明だと聞いて、知らん顔ができるとでも?」「それは……」口ごもる美月に、更に言った。「お前たちは昔からあれのことを知っているからか、子供扱いしすぎだ。あれの人脈は、今となっては俺よりも多いし、思っている以上に強大だ」「つまりー」既に俺たちの居場所は知られてた…てこと?聖人が尋ねると、怜士も頷いた。だが、「嘘…」「なぜ?」尚の呟きに反応した。「だって!知ってたなら、どうして迎えに来ないの!?」その言葉に、怜士の眉が跳ね上がった。「あれは恋愛だけして生きていられるほど、暇な人間じゃない。巨大企業を抱えるグループの総裁で、一族の全責任を負う当主なんだ。お前たちは、それをわかってない」皮肉げな口調に、尚はハッとして唇を噛みしめた。確かにそうだ…。そんな尚を見ながら、怜士はふんと鼻を鳴らした。「あれは全ての業務をこなしながらお前たちを捜す手配も

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   139

    「ちょっと待ってよっ」その時、それまで黙って事の成り行きを見ていたミアが割り込んできた。「ミア!?」「みぁちゃ…?」リオンと芽衣が同時に口を開いたが、彼女はそれを無視して美月に突っかかった。「あなた、何なの!?いきなり来てっ。私たちはずっと前から約束してたのよ?それをー。失礼だわっ」ずいっと顔を近づけてそう文句を言う彼女にリオンは慌てたが、言われた美月は恐れるでもなく、淡々と言い返した。「それについては謝るわ。でも…こちらも呑気にしてられないの。なんせ彼女たち、家族で行方をくらませてたんだかー」「はぁ!?」「……」目の前で叫ばれて、美月は眉を顰めた。言葉を遮られたことに不快感を覚えたらしい…。尚は思った。なんか…怜士さんに影響されてない?彼ほどの傲岸不遜さはない。ないけど…なんか…。尚はチラリと親友の顔を見て、視線が合ったことにギクッとした。「なに?」問われて、咄嗟にブルブルと首を振った。怖……。一見しらっとした表情だったが、長年の付き合いで分かる。彼女は怒っている。それも、とても…。尚はこれ以上彼女の機嫌を損ねたくなくて、にっこり笑うとリオンに言った。「ごめんね。彼女さんも。また会いましょう?」「は?ちょっとー……んぐっ…」素早く纏めた尚の言葉に反論をしようと乗り出したミアに、場を読んだリオンが咄嗟に口を塞いだ。「ンー…ッンン…ンーッ」もがもがと藻掻くミアを抑えつけ、リオンが言った。「じゃあナオさん、メイちゃん、またね!」それに尚は笑って手を振り、芽衣は首を捻りながらも手を振った。ハナは最後まで意味が分からずに首を傾げていたが、リオンの彼女のように口を出してはいけないことくらいは察していたので、そのまま黙って手を振った。三人三様の別れの様相を見送って、美月はコホンと咳をした。「もう少し後からでもよかったのに。…車で来たの?」それに首を振った2人を連れて、彼女は自分の運転手を呼んだのだった。*街の中心から外れた、比較的静かな場所にその邸宅はあった。ここは、以前准がこの国にいた時に住んでいたところだ。「わ〜、お花がいっぱい咲いてるね〜」芽衣は車を降りた途端に目に入った花々に、歓声をあげた。中心部を離れたところに建てただけあって、邸宅の前には広い庭が広がっていた。准が、芽衣が遊びにでも来た時の為

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   138

    「尚…?」不意に呼ばれて、振り向いてしまった。「美月!?」そこにいたのは長年の親友で、今となっては義理の姉となった美月だった。「どうしてここに?」尋ねると、彼女は遠くに見える建物を指さした。「あそこの楽器店に用があったの。……で?あなたは?なんでここにいるの?」彼女は優しく微笑みを浮かべていたが、その目はまったく微笑っていなかった。「ずっと、A国にいたの?」「…えっと……」尚がモジモジと指を弄っていると、美月は深いため息をついた。「分かってると思うけど。すっごく心配したのよ?」「……」眉を顰めて諭されると、尚は何も答えられなかった。ただ…「ごめんなさい…」小さな声でそう呟くと、彼女はもう一度ため息をついた。「いいわ。じゃあ…こうしましょ。今日はうちに来て。怜士に事情を話して」「それは……」上目遣いで断ろうとすると、美月はわざとらしく睨みつけてきた。「ダメよ。もう決めたの。怜士にも言っておくから、絶対に来なさい。来なかったらー」「行く!行きます!」尚は美月の怖さを知っていた。だから、反射的にそう答えていた。学生時代もこれまでも、彼女は的確に尚の弱点を突いてくる。普段は無害な女なのに、一旦やり込めると決めたら本当に容赦ないのだ。尚は渋々と了承し、はぁ…とため息をついた。「美月…准くんには言わないで…?」「それは、あなた達次第よ」呆れたように告げる彼女に、尚は眉を寄せた。「困ってるの?」「困ってる」「そう。自業自得ね」「……」美月〜と縋りついても、彼女はふんっとそっぽを向いた。どうやら、今回は本気で彼女を心配させてしまったらしい…。尚はこれ以上の抵抗をやめた。諦めた。どうせ美月には敵わないのだ。学生時代から、彼女に助けられてから、尚は美月にだけ弱かった。といっても、美月が尚を頼ってくることもある。つまり、自分たちはWin-Winの関係なのだ。そう納得して、尚は「ま、いいか」と一人呟いたのだった。*「美月ちゃ?」尚と話していると、芽衣が戻って来た。彼女の側には小さな女の子と、少し年上なのか?大人っぽい女の子がいた。「芽衣ちゃん、久しぶりね。後でおばさんのお家に皆でおいでね?」美月は優しく微笑んで、芽衣の髪の毛をそっと撫でた。その言葉に芽衣は「うんっ」と瞳を輝かせ、美月の手を両手でぎゅっ

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   137

    リオンには一つ年上の彼女がいる。その彼女Mia(ミア)に自分も紹介してほしいと言われ、後で来る予定なのだと教えられた。「あ〜…もしかして、誤解されてる?」尚にそう訊かれ、リオンはハハ…と気まずげに笑った。確かに。今までは長い休みの時にしか帰省しなかったらしいのに、ここのところ彼は毎週末帰って来ていたのだ。何かある。そう思われても、仕方なかった。「私から説明しようか?」「あ、いえ…会えばたぶん、理解してもらえると思います」「?」リオンの言葉に尚は首を傾げたが、まぁ、本人がいいと言うならいいんだろう…と納得することにした。芽衣たちは今、リオンが学校に申請して発行してもらった〝面会カード〟を首からぶら下げている為、比較的自由に校内を見て回ることができた。彼女はハナを連れて早速あちこち見て回り、裏庭にあたる場所で「わ〜っ」と歓声をあげていた。そこには大きな花壇がいくつもあって、色とりどりの花々が咲いていたのだ。所々には小さなテーブルや椅子が置かれていて、ここに座って日向ぼっことか気持ちよさそうだなぁ…などと想像させた。ハナはここに来た途端に走り出し、あっという間に奥の方まで行ってしまった。「ハナ〜っ」呼びかけると、「いるよ〜っ」と返事が返ってきて、芽衣も安心して周りの景色を楽しむことにした。「いっぱい咲いてる」芽衣は嬉しくなってふふっと笑った。尚からの言いつけで触ったりはできないけれど、見ているだけで楽しかった。その時ー。「こんにちは」カサ…という足音の後、優しく声をかけられて芽衣は視線を上げた。「こんにちはっ」ニコッと笑って応える彼女に、その女性は曖昧な微笑みを浮かべた。「一人?」「ううん。お友達、と一緒…だよ」庭の奥を指差してそう言う芽衣に、女性もそちらの方に目を向けて「そう…」と答えた。「?」芽衣は、自分に声をかけてきたこの見知らぬ女性が自分に用があるとは思わず、そのまま目の前で風に揺れる花に目を戻した。「綺麗ね〜」花壇の前にしゃがんで花を見つめる少女は、とても可愛らしかった。肩にかかるくらいの髪の毛はサラサラのツヤツヤで、風が吹く度に優雅に揺れていた。彼女は花々を嬉しそうに見て、時々声をかけていた。日差しが彼女の頭頂部に綺麗な輪っかを作り、その姿はさながら天使のようだった。「花、好きなの?」尋ねる

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   136

    「わ、私…」何か言わなければ…。そう思って紗英が口を開きかけると、ふ…とそれまであった准の凍るような、威圧的な雰囲気が嘘のように霧散した。「…?」見上げると、彼は身体を起こし、空になったグラスを手摺の上にトン…と置いて、ワインで濡れた指をハンカチで拭っていた。彼の側にはいつの間にかあの、本田とかいうか秘書が立っていた。准は汚れたハンカチを彼に渡し、サッサッ…と服の埃を払う仕草をした。「まぁ、いいさ。今日の主役は、君たちじゃないからね」「……」紗英の髪の毛から、ぽたり…とワインの雫が落ちた。ここまでやっといて…まぁ、いい…って…?呆然とする彼女の唇は薄っすらと開き、はく…と何かを言いかけるように動いた。だが准はそれらを全て無視して会場を見渡すと、〝今日の主役〟の俳優に目を留めた。「悪かったね」そう言って微笑むと、彼は本田を連れて去って行ったのだった。「……」残された桐谷兄妹は、英明に指示された使用人たちによって会場から控室の方に移動させられ、そこで身支度を整えた。そして英明からの伝言だと伝えられた言葉は、「車の手配をしたから、帰りなさい」という丁寧な拒絶だった。匠はこの事で英明へと繋がる糸を断ち切られ、おそらく今後、この業界で大成することは難しいだろう…と思った。紗英の我儘に頷いてさえいなければ…。今更ながら後悔しても、何の役にも立たなかった。匠は、濡れた髪を使用人によって乾かしてもらいながらも呆然と座る妹をチラリと見遣って、深くため息をついたのだった。*その頃准はー。本邸に戻る車の中、逸る気持ちを宥めるようにシートを指で叩いていたところ、本田から待ちに待った報告を受けた。「芽衣さんたちを見つけました」その言葉を聞いた時、彼はハッと顔を上げ、本田に向き直った。「本当か!?どこにいた!?無事なのか!?」矢継ぎ早に問いかけると、本田は苦笑して頷いた。先ほど会場で、彼から「急ぎの報告がある」と聞かされた時、准の中に予感がしたのだ。芽衣のことに違いない…と。だからあの兄妹を放って会場を後にした。だが不思議と顔色のあまり良くない本田に、准は眉を寄せたのだった。「何かあったのか?」まさか、外に出たことでまた何かに感染したのか…?彼の不安を察したのか、本田は一つため息をつくと言いにくそうに口を開いた。「詳しくは戻

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   135

    「ひどいわっ…」眉をきゅっと寄せて泣きそうな声で訴えるも、准は首を傾げるだけだった。「ひどい?私のことか?」「そうよ!」「紗英、やめろっ」そのとぼけた声に腹が立って、紗英は兄の匠が止めるのも聞かずに言い放った。「ちょっと映像をイジっただけじゃないっ。大したことじゃないでしょ!?」「ちょっとイジっただけ…?」彼女の言葉が放たれた瞬間、准の雰囲気が変わった。「お前のその行動が、俺の婚約者の命を奪う結果になるかもしれなくても…そう言えるのか…?」「え……」命を奪う?なにそれ。まさか…あんなことくらいで、自殺でもしたっていうの?紗英が戸惑いに眉を顰めると、准がジリ…と一歩踏み出した。「答えろ。言えるのか?」「っ…」紗英は咄嗟に恐怖を感じて一歩下がる。とー。「キャッ!」「紗英!」下がったところがちょうど階段の縁で、彼女の身体がグラリと傾いた。匠が飛び出して彼女に駆け寄って来たが、紗英は慌てて自力で手摺を掴み、事なきを得た。その間、准はといえば、慌てるでもなく、ただ冷たく彼女の様を見ているだけだった。助けるつもりもない。いっそ、このまま落ちてしまえ…とでもいうように、手摺に掴まってホッと胸を撫で下ろしている彼女に向かって、ふん…と鼻を鳴らすことさえした。「あなた……」青ざめた顔で紗英が呟くと、准はつまらなそうに息をついた。「惜しかったな…」「!!」小さな声で残念そうに吐き捨てる彼に、紗英はゾッと血の気が引くのを感じた。正気なの…?彼女の唇が微かに震えるのに、准は僅かに口の端を上げて嗤った。「お願い……」許して…。懇願するように呟くと、彼は明らかにバカにした視線を向けてきた。「今更か?」「……」恐ろしかった。そしてー。紗英が恐怖に思考を手放したその頃になって、この祝賀会の主催者で真田エンターテインメント社長、そして准の叔父でもある真田英明がやって来た。「何事だ?」「あの…っ」「なんでもないよ」紗英の言葉に被せるようにして平然とそう言った准に、英明はチラリと階段に蹲る彼女を見て、そして言った。「ここではやめといてもらえるかな?」「!?」紗英はその言葉に愕然とした。助かったと思った瞬間に、そのまま地獄へ落とされた気分だった。だが准は、気に入らない…とでもいうような顔で口を開いた。「場所は選ばな

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   106

    海は、そんなサシャに言った。「同一人物かどうかは…まだわかりませんよ?なにせ、彼女の名前は〝Anna〟(アンナ)なんですから」「アンナ……」それを聞いて、サシャはもう一度スマホの画面に見入った。間違いない。ノアだ。そう確信して、彼は顔を上げた。「ノアだ」「……」海は、その確信に満ちた声と表情に「そうですか…」と呟きながら、複雑そうに微笑んだのだった。*S国。入院病棟にある中庭の、少しひらけた場所にあるベンチに座って、芽衣は日向ぼっこをしていた。サーッと吹く風が彼女の短くした髪の毛をそよがせ、その頬をくすぐった。芽衣は子猫のように気持ち良さげに目を細め、口元は優しく微笑

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   98

    会場に戻ると、皆が2階からの螺旋階段の方に注目していた。そして司会者の男が言い放った「本日のゲスト、L国ノア殿下のご登場です!」という声と共に、一斉に拍手が鳴り響いた。見ると、真田准は階段上で王女に手を差し伸べ、恭しく彼女の手を取ってエスコートをしていた。ワーッという歓声と拍手、それからあちこちから囁かれる「綺麗…」「素敵っ」という声が耳を掠め、陸も、階段を優雅に降りてくる王女に目を奪われていた。「ノアだ。よろしく頼む」微笑みながら、だがやはり上に立つ者特有の傲慢な物言いにも、彼は気を呑まれていた。なんて綺麗なんだ…。こんなにも綺麗な人、見たことがない…。ぼうっとして、王女の気品

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   92

    「准さん…どうして、私まで…?」その時、顔を腫れ上がらせながらも気丈にその視線を准に向ける女がいた。橋本莉緒だった。准はその問いに眉をピクリと跳ね上げ、嫌悪の表情を露わにした。「なぜ、お前が見逃されると思うんだ?」「だ…だって…っ」莉緒は必死に言い募った。自分は彼女たちがやり過ぎないように監視をしていただけで、手なんか出してない。それなのに、どうして自分が打たれるのかー。そんなことを言った。ハッ!その言葉の途中で准は怒りを込めて息を吐き、彼女を睨みつけた。「お前ほど虫唾の走る女はいないな」「な…っ!?…どういう……」彼女は怒りなのか羞恥なのか、一瞬にして顔を赤くして

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   7

    3年生の終わり、相変わらず仲良くしていた華子が慌てたように教室に駆け込んで来て、周りをキョロキョロと警戒した後、コソッと麻沙美に耳打ちした。「真田くん、卒業するんだってっ」「え…!?」麻沙美は信じられないことを聞いたというように少し身を引き、マジマジと華子の顔を見た。「どういうこと?」真剣な顔で尋ねる麻沙美に、華子も真面目な顔で口を開いた。「真田くん、この前の試験、進級試験じゃなくて卒業試験受けたって」「伯父さんが言ってたの?」そう訊くと、華子は大きく頷いた。そして麻沙美は、それを見て呆然とした。嘘でしょ?卒業なんて…。確かに彼なら試験にも受かるだろうけど、そんな…。あと

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status