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53.*****

Author: よつば 綴
last update Last Updated: 2025-07-10 17:00:00

 何やら、芯が酷く落胆している。大きな溜め息を吐いて、両手で顔を覆ったまま停止してしまった。

 まさか、本当に今の今まで自分がマゾだと気づいていなかったのだろうか。だとしたら可愛すぎる。

「芯、顔見せて」

「····やだ」

「どうして?」

「なんか恥ずい」

 僕は、そっと芯の手を退けた。耳まで真っ赤にして、目にいっぱい涙を溜め、それが今にも溢れ出しそうだ。

 小さく一息吐いて、芯の涙を啜る。なんて愛おしいのだろう。

 奏斗さんは、芯のナカをゆっくり捏ねくり回す。きっと、自分がマゾであることを思い知らせるつもりなのだろう。

 涙の引っ込んだ芯は、腕で再び顔を隠してしまった。余程、精神的にダメージを受けているらしい。

「これ、気持ちい?」

 ねっとりと絡みつくような声で尋ねる奏斗さん。トロッとふやけた顔に堕ちた芯は、素直に答える。

「ん、気持ちぃ」

「ホント?」

「うん。····なに?」

「もっと奥に欲しい?」

「んぇ?」

「もっとガツガツ突いてほしい?」

「····欲しくない」

 どう見ても強がっている。奏斗さんは、呆れたように溜め息を吐き、子供を宥めるように話し始めた。

「芯さぁ、ハニーはどっちだと思う? M? S?」

「え····S?」

「それは芯にだけ」

「は?」

「例えばさぁ····、ハニーおいで」

 おずおずと近づくと腰を抱き寄せられ、乳首を甘噛みされた。

「やっ、はぅっ、あっ、んんっ」

「な? ハニーが芯にする時、こんな顔しないでしょ。ハニーは俺にだけドMになんの」

「·&mi

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  • crisis   56.*****

     お尻から僕の体液を噴出したままの芯。そして、僕のナカに収まったままの奏斗さん。 僕は、芯のお尻の具合を確認し、奏斗さんのをそぅっと抜いて薬を塗る。「芯のケツ、大丈夫?」 バッと振り向くと、奏斗さんが寝転んだまま煙草に火をつけていた。伏せた目がいやに色っぽく、不覚にもときめいてしまう。「はい、もう血はでてません。お、おはようございます」「それさ、いつまでそんな畏まってんの? 芯ですらタメ口なのに。お前もいい加減タメ口でいいから。····なんか遠いんだよ」「え、でも····」 “遠い”事を気にするような人だったのか。けれど、僕はその距離を縮めるつもりはない。そもそも、奏斗さんへタメ口だなんて不可能だ。 けれど、奏斗さんがそれで良しとするはずはなかった。「じゃ、命令。敬語やめろ」「は····うん」 便利なものだ。命令だと言われれば、不可能だと思っていた事もできてしまう。 そう、命じればいいのだ。僕が奏斗さんを愛するように。名前を呼ぶのだってそうだ。きっと僕は、息絶えながらでも平気なフリをするだろう。 けれど、決してそれだけはしない。彼なりのプライドなのだろうか。「芯が起きたら話そうか。俺たちの結論、お前が決めるんだよ。覚悟しておきなね」 奏斗さんは答えを急ぐ。芯も、早くハッキリさせたいようだった。当然だろう。  しかし、僕にその決断ができるのだろうか。いや、心は決まっている。 夕べ、乱れ狂った思考に過ぎった、狡く浅ましい願望。それこそが僕の本心なのだろう。 それを伝えられるだろうか。伝えてしまって良いのだろうか。果たして、それが正解なのだろうか。 2人に、僕を委ねてしまっても良いのだろうか。 芯が目を覚まし、狭い風呂へギュウギュウ詰めで3人同時に入る。バカじ

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    「っはぁぁぁ~····あったま固ぇのな、めんどくせぇ。俺がいいつってんじゃん」 芯はよっこいせと起き上がり、僕の隣に座る。僕より低い位置から、僕に顎クイをして格好つける。「奏斗に突っ込まれて可愛くヨガってる先生に犯されんの、正直マジでゾクゾクすんの。奏斗の命令聞いてアヘってんのに、俺には酷くすんのもすげぇクるんだよ。俺、奏斗はただのディルドだと思ってるからなーんも問題ねぇし。俺がそうシてほしいつってんの。ダメ? なぁ、セーンセ♡」 格好をつけた割に、言っている事はただの淫乱だ。そんな可愛い芯に、脳髄を沸き立たせられたかのような欲情をする。 僕は、無意識のうちに芯を押し倒していた。「芯··、僕は芯を愛してる。どれだけ身体が奏斗さんを求めても、僕のコッチは芯だけのモノだよ」 クズなセリフを吐きながら、僕は芯のアナルにペニスを捩じ込ませる。「俺は完全にディルド扱いなのね。ま、今だけ大目に見てあげるよ。で、俺への気持ちは? 怒んないから、正直に言ってみな」 僕のお尻を鷲掴み、大きな亀頭をにちにちと押し当てながら言う奏斗さん。期待なのか恐怖なのか、アナルがきゅぅっと締まる。 けれど、奏斗さんはその締まったアナルを押し拡げ、くるくる撫で回すように亀頭を押し込んでくる。「僕は··奏斗さんの、お、おちんちんが好きです。ん、ふぅ··昔みたいに、酷く犯されたい。けど、僕の心は芯のも──ん゙ん゙っ」 奏斗さんは一息に奥まで突き挿れ、勇気を振り絞った僕の言葉を断ち切る。「やーっぱ聞きたくないなぁ~。俺のおちんちんが好き··ってのは可愛かったよ。昔みたいに、上手に愛情表現できたね」 そう言って、後ろから頭を撫でる。擽ったいようなこの感情は何だろう。心がザワついて落ち着かない。 僕の不細工な顔を見て、芯はムッとした表情を見せる。 奏斗さんのピストンに合わせ、僕も芯のナカを抉る。可愛い声を

  • crisis   54.*****

     僕が気持ちを受け入れられていない、と言う芯。その言葉の意味が分からない。僕は、芯の全てを受け入れているつもりなのに。「··っ、ねぇ芯、どういう意味? 僕は芯のこと──」 ガバッと起き上がり、問い詰めるように芯へ言葉をぶつける。が、それを奏斗さん遮った。「ハニー、そうじゃないよ。あのねぇ··ハニーは自分の事がそっちのけなんだよ。自分の気持ちに疎すぎる。芯はそう言いたいんじゃない? それは俺も同意見」「なんでアンタが言うんだよ。先生に自分で気づかせたかったのに」「自分で··ねぇ。コイツには難しいよ、そういうの。俺が全部ぶっ壊してきたんだから。····ごめんな」 奏斗さんの口から飛び出したその一言に、心臓が強く脈打った。名前を呼ばれた時のような、息苦しさと目眩が身体をフラつかせる。 奏斗さんが、力無く倒れかけた僕を支えてくれた。力強い腕に、鼓動がほんの少しだけ跳ねる。「大丈夫? ····なぁ、俺が名前呼んでみていい?」 どうして呼べると思ったのだろう。奏斗さんの思考が分からない。苦しむ僕を見たいのか、それとも、いっそ殺してしまいたいのか。「いいわけねぇだろ。それは俺がやるつってんじゃん。奏斗は危ない事すんなっつぅの」「なんで? 俺、優しくしてるしそろそろいけるかもじゃない?」 僕と芯は、心底ゲンナリした表情を見せてしまった。まさか、本気で言っているのだろうか。「アンタ、マジで頭悪いんじゃねぇ? 優しくって、どこがだよ」「えー? 気遣ったり、芯に構うのも邪魔しなかったり、最近意地悪してないでしょ?」 あぁ、この人は根本的に何かを知らないのだ。僕はそう確信した。きっと、芯も。そして、僕も。「もうアホは置いとこ。なんつぅんだろうな····。先生はさ、自分の気持ち&

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  • crisis   52.###

     朝方、目が覚めたら、先生が俺の上で四つ這いになって喘いでた。涙と涎が駄々漏れなんですけど。  どうやら、俺が気絶した後は先生をオモチャにして遊んでたらしい。ぐちょぐちょじゃん。何されたんだよ。「おい、先生限界だろ。休ませてやれよ」「あぁ、起きたんだ雑魚マンコくん」「あ? 誰が何だ──っでぇ····」 力んだ瞬間、ケツに強烈な痛みが走った。そうだ、エグいバイブでケツ壊されたんだ····。 俺は、恐る恐るケツを確認する。カピカピになったローションが気持ち悪ぃ。 中から溢れてくるザーメンを指で掬って見る。ちょっと血ぃ出てんじゃん。いてぇし絶対切れてんだろコレ。後で先生に手当てしてもらお。 って思ってたら、先生と俺を強引に上下入れ替えやがった。で、先生に突っ込んだまま俺のケツを弄ろうとしてくんの。 ローションがすげぇ滲みる。「ちょ待っ、無理! ち、血ぃ出てっから····」「えー、生理?」「····アホなの? アンタがあんなワケわかんねぇエグいの突っ込むから切れてんの! イテェの! くそっ、叫んだらいってぇ····お前のケツも切れろ」「あっはは~。芯クン超ご機嫌ナナメだねぇ。で、誰にそんな口きいてるか分かってんの? 1回死んでみる?」「1回死んだら生き返んねーんだよバーーーーーーッカ。やってみろクズ」「ふーん。反抗期? ぶっ殺してやっからケツ出せ」「だから切れてんだって。耳ねぇの? 理解できねぇの? できねぇつってんじゃん」「お前のケツが切れてようが抉れてようが知らねぇよ。俺が出せつったら出すんだよ。早く」 限界だ。これ以上煽れねぇ。怖すぎんだろ。でも、これで先生に矛先は向かねぇよな。 

  • crisis   51.###

    「先生、何してんの?」「芯の匂いを鼻腔と肺に取り込んでる。いつもの事でしょ」「うん··そうじゃねぇの。時間見ろよ。いつまでやってんの?」「あとは脳に取り込んだら充電完了かな」「····キモ」 毎朝、儀式的にこの“俺吸い”をしてから学校へ行く。学校では、そこそこ人気のデキる生徒指導の先生だから、俺に触れる暇は1秒もないらしい。 そろそろ進学の事も真剣に考えねぇとって時期。おかげで毎日、超多忙なんだとゲンナリしてる。成績良好だけど問題児の俺は、それなりに生徒指導室に呼ばれ、真面目に進路について指導を受けている。 学校では完全に先生の顔をして、弱みは一切見せない。別人格かと思うくらいだ。 で、その反動が、この“俺吸い”らしい。学校で先生を演じてる間、俺に触れらんねぇのが辛いんだって。学校でガミガミ言ってくるから、ちょっとざまぁって思ってんのは内緒。 必死に俺を摂取しようとしてる先生は可愛いから、かなり大目に見てやってる。 夜は相変わらず激しいし、遠慮なくいてぇ事シてくるけど、それはもう身体が悦ぶように躾られてるから問題ない。結構早い段階で諦めてる。 それに、だ。 俺らは変な関係を続けたまま、存外平和に過ごしてる。週末に奏斗が来ること以外は、これまでと殆ど変わんねぇ。 奏斗が来ない時は、これまで通りの鬼畜でイカれた先生だし、卑屈なのもそんなに直ってねぇ。けど、週末になるとすげぇ可愛くなる。 奏斗にそうさせられてんのはムカつくけど、それよかもっと見たくなっちまうんだからどうしようもねぇよな。 俺を責める時ですら平日とは違うイカれっぷりで、それがちょっとクセになってきる。ってのは絶対教えてやんねぇけど。 そんで迎える週末、今日も今日とて。俺は先生に跨って、後ろには奏斗が居て、くそデケェの2本突っ込まれてんの。先生は、アナルパール突っ込まれてアンアン啼いてる。 ケツでイキまくってわけ分

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