Share

chapter20

Penulis: 水沼早紀
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-17 08:37:13

* * *

「……んっ」

 翌朝朝ゆっくりと目を覚ますと、昨日まで隣にいた課長の姿はなかった。

 その代わり、書き置きしてあるメモが置いてあった。

《瑞紀へ

瑞紀は今日仕事休みだよな。

俺は今日大事な仕事があるので、もう仕事に行きます。

気をつけて帰れよ》

「……課長」

 疲れてるのに、心配してくれてるんだ。 課長、私はずっと、課長のそばにいますからね。

 課長に"愛してる"って言われると、なんだか恥ずかしい。 でもその言葉、すごく嬉しいんだ。

 その後私も、ホテルをチェックアウトして家に帰った。

「ただいま」

 家に帰ると、留守電が入っていた。

「あれっ……留守電?」

 誰だろう。……もしかして、課長かな?

 私は、スーツの上着を脱ぎながら留守電を再生した。

「もしもし瑞紀?お母さんだけど。アンタ最近全然連絡よこさないけど、元気にやってるの? ちゃんと食べてるの?それと、あんまりムリはしちゃダメよ。たまには、連絡よこしなさいよ」

 なんだ、お母さんか……。でもお母さんにも色々迷惑かけちゃってるんだな、私。

 ごめん、お母さん……。

 私はお母さんの留守電を聞いた後、お母さんに電話をかけた。

「もしもし瑞紀?」

「あ、お母さん? 留守電聞いたよ。心配してくれてありがとね」

「それはそうと、アンタちゃんと食べてるの? ちゃんと寝れてるの?」

「大丈夫。ちゃんと食べてるし、ちゃんと眠れてるから」

 お母さんは電話越しに、「そう?ならいいんだけど」と心配してくれる。

「ありがとう、お母さん」

「え?どうしたのよ、いきなり」

「なんか、いつも心配ばかりかけちゃって、悪いなって」

「なに言ってるのよ。いいのよ、そんなこと」

 お母さんの存在が、今になって本当にありがたいと感じる。

「……私今まで、お母さんは私の心配なんてしてないんだと思ってたよ」

「なに言ってるのよ。そんな訳がないでしょ」

「ほらお母さんはさ、私が一人暮らししたいって言っても、反対はしなかったでしょ。自分のやりたいことをしなさいって、言ってくれたし」

 お母さんは本当に、心強い存在でしかない。

「それはアンタのためを思って、言ったことよ。アンタがお母さんに初めて、自分のしたいと思うことを話してくれたんだから」

「……お母さん」

 お母さんがいてくれるおかけで、私は頑張れる気がする。

「アンタなら一人でも
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。   chapter20

    * * *「……んっ」 翌朝朝ゆっくりと目を覚ますと、昨日まで隣にいた課長の姿はなかった。 その代わり、書き置きしてあるメモが置いてあった。《瑞紀へ瑞紀は今日仕事休みだよな。俺は今日大事な仕事があるので、もう仕事に行きます。気をつけて帰れよ》「……課長」 疲れてるのに、心配してくれてるんだ。 課長、私はずっと、課長のそばにいますからね。 課長に"愛してる"って言われると、なんだか恥ずかしい。 でもその言葉、すごく嬉しいんだ。 その後私も、ホテルをチェックアウトして家に帰った。「ただいま」 家に帰ると、留守電が入っていた。「あれっ……留守電?」 誰だろう。……もしかして、課長かな? 私は、スーツの上着を脱ぎながら留守電を再生した。「もしもし瑞紀?お母さんだけど。アンタ最近全然連絡よこさないけど、元気にやってるの? ちゃんと食べてるの?それと、あんまりムリはしちゃダメよ。たまには、連絡よこしなさいよ」 なんだ、お母さんか……。でもお母さんにも色々迷惑かけちゃってるんだな、私。 ごめん、お母さん……。  私はお母さんの留守電を聞いた後、お母さんに電話をかけた。「もしもし瑞紀?」「あ、お母さん? 留守電聞いたよ。心配してくれてありがとね」「それはそうと、アンタちゃんと食べてるの? ちゃんと寝れてるの?」「大丈夫。ちゃんと食べてるし、ちゃんと眠れてるから」 お母さんは電話越しに、「そう?ならいいんだけど」と心配してくれる。「ありがとう、お母さん」「え?どうしたのよ、いきなり」「なんか、いつも心配ばかりかけちゃって、悪いなって」「なに言ってるのよ。いいのよ、そんなこと」 お母さんの存在が、今になって本当にありがたいと感じる。「……私今まで、お母さんは私の心配なんてしてないんだと思ってたよ」「なに言ってるのよ。そんな訳がないでしょ」「ほらお母さんはさ、私が一人暮らししたいって言っても、反対はしなかったでしょ。自分のやりたいことをしなさいって、言ってくれたし」 お母さんは本当に、心強い存在でしかない。「それはアンタのためを思って、言ったことよ。アンタがお母さんに初めて、自分のしたいと思うことを話してくれたんだから」「……お母さん」 お母さんがいてくれるおかけで、私は頑張れる気がする。「アンタなら一人でも

  • あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。   chapter19

    ✱ ✱ ✱「お疲れ様です。課長、これに印鑑お願いします」 仕事をしてる時の瑞紀と、俺と二人で会ってる時の瑞紀は、全然違う。  会社での瑞紀は、部下に対して正確に、そして尚且つテキパキと仕事を教えたりしている。  会社での瑞紀はまさに"出来る女"って感じだ。  仕事は仕事、プライベートはプライベートときちんと公私を分けている。  俺は仕事中でも、瑞紀が気になって仕方ないというのに……。プライベートの瑞紀は、仕事の時と全く別人で、驚くほど違う気がする。「いいでしょう。これで提出してください」「はい。では失礼します」 仕事中の瑞紀は、本当に俺と会ってる時よりも真剣そのものだ。 まあ、仕事なのだから当たり前なのだが。 俺だって一応、公私を分けているつもりではあるのだが……。それに瑞紀とのことは、会社にはバレないようにしてるつもりだ。  でもハッキリ言って、正直辛い。 本当にどうしたらいいのか分からないし、瑞紀のことになると、なぜかいつも頭がいっぱいになる。    ムキになってはイケないと分かっているが、心の中で瑞紀を取られたくないと思っている。  瑞紀のことを悲しませてるくせに、取られたくないなんて、欲望に狩られる。 俺は、どうしたいのだろうか。「……佐倉さん」「はい?なんでしょうか」「ちょっと、お話があるんですが」 瑞紀を呼び出そうと、瑞紀に声をかける。「話……ですか?」「ここではあれなので、別の場所で話しましょう」「はい」 瑞紀は少し、戸惑っているようだった。「あの、お話しとはなんでしょうか?」 瑞紀は俺と、目を合わせようとはしない。「この前の返事、聞かせてくれないか」「……え?」「瑞紀、君が好きなんだ」 俺は泣きそうになっている瑞紀を、思わずそっと抱きしめてしまう。「……課長、離してください。ここは仕事場ですよ?」 瑞紀を離したくないと、思ってしまう。「課長……?」「もうちょっとだけ、こうしてたいんだ」「……じゃあ、もう少しだけですよ?」 瑞紀も俺の背中に腕を回してくれる。「ありがとう、パワーがチャージされたよ」「それは良かったです」 しかし俺は、本当に瑞紀のことが好きなんだな……。「英二、それ出来たら、課長に見てもらってね」「はい」 本当に瑞紀は、仕事熱心で、真面目だな。 俺の前でも後

  • あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。   chapter18

    「……多分、好きだと思う」「好きなのに? それじゃあアンタは、その人に対してなんて言ったの?」「時間がほしいって、言った」 続けて私は「私はその人のことが好きなの。彼はいい人だし、すごく優しい人なのよ。……でも今はまだ、彼と向き合う自信がなくて」と告げる。「自信、ねぇ……」「……なに?」「自信っていうか……それは単に向き合うのが怖いだけなんじゃないの?」 怖い……?「多分だけど、アンタは自信がないんじゃなくて、きっと自分が傷つくのが怖いだけだと思うな」「……傷つくことが、怖い?」 言われてみれば、確かに……。「確かに傷つくのは怖いし、辛いかもしれないよ。……でもね瑞紀、どんなに怖くても、私は傷つくことに意味があると思うな」「傷つくことに、意味がある……?」    それ、どういう意味……?「つまり、傷つくことで得るものがあるってことよ」 傷つくことで、得るもの……?「……傷つくことで得るものって?」「それは自分で向き合わなきゃ、分からないことよ」「向き合うことで、その答えが見えてくるってこと?」 私がそう聞くと、沙織は「つまり、そういうこと」と言葉を返す。 傷つくことでもし何かが変わるとしたら、それは自分のためになるのかな……。  もしそれで答えが見えたら、それは正しい答えと思っていいのかな?「ねぇ瑞紀、これだけは分かってほしいんだけど」 「うん……なに?」 「傷つくことが決していい答えになるとは、限らないのよ」 「……うん、分かってる」 分かってるよ、そんなこと。 それが決していい答えになるとは限らないし、傷つくだけしか得るものがないとしても。  私はそれでもちゃんと、向き合わなきゃイケないような気がする。  いつまでも課長のことを考えてたって、課長を困らせるだけ。 それにいつまでも課長から逃げてると、自分が情けなくなるだけだし。 やっぱりきちんと、向き合うべきだと私も思う。  それが正しいかなんて、私には分からないけど、答えはきちんと出したい。  自分が虚しくなるだけだってことは分かってるけど、向き合う自信だけじゃきっと……自分に素直にはなれないような気がする。「……沙織、ありがとう。少しだけ勇気出たよ」「そう。ならよかったわ」 安心したような声の沙織に、私は「……私、やっぱりちゃんと向き合

  • あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。   chapter17

    「それは分かります。……でも、不安なんです」 「不安……?」  気持ちは、ちょっと複雑だ。 課長がどこかに行ってしまうような気がして、急に不安になる。「……瑞紀、不安にさせて悪かった」「いえ……そんな」「でも俺は、もう静香とは何の関係もないし、もう会うつもりもない。……だから俺を、信じてほしい」 課長は私を優しく抱き寄せる。「それでも私は、課長のこと……信じたいです」「ああ、ありがとう瑞紀」 課長が信じてほしいと言うのなら私は、課長のことを信じたい。「瑞紀、俺はもう瑞紀のことを、不安にさせたりはしない」  私は、課長のことが好きだ。 好きだって思うから、信じたいと思うんだ。「だからこれからも、俺もそばにいてほしい」「え……?」「俺のそばに、いてほしい」「……でも」 私なんかで、本当にいいのかな……。「瑞紀には悲しい思いをさせてしまったことは、申し訳ないと思ってる。……でも今の俺には、瑞紀しかいないんだ」 本当に……? 本当に……いいのかな?「俺を"課長"としてじゃなく、"男"として見てほしいんだ」「男と、して……?」「そうだ。身体だけの関係じゃなくて、ちゃんと"恋人"として、俺のそばにいてほしいんだ。俺を見てほしい」 課長の恋人と、して……そばに?「……それって」「瑞紀、俺と付き合ってくれないか」 その言葉を聞いて、嬉しくない訳じゃなかった。 本当は、とても嬉しいんだと思う。 でも……。「……少し、考えていいですか」「え?」「少しだけ、考えさせてください。すみません」 私は、そんなすぐに返事を返すことが出来なかった。 課長の気持ちは、すごく嬉しいの。 でもそんなにすぐに、課長のことを信じられる訳じゃない。 課長の過去を聞いた所で、どうにかなる訳じゃないけど、今は少し時間がほしかった。  それに、藤堂さんのこともあるし……。私はまだ多分、課長のことを傷つけたくないんだ。「私はまだ、課長のことを完全に信じた訳じゃありません。……でも課長のことは、本当にいい人だと思ってます」 課長は複雑そうな顔をして、黙り込んでいる。「私は課長を信じたいんです。……課長が私を信じてくれてるように、私も課長を信じたいんです」「なら……どうしてだ?」 課長が口を開くけど、私は「でも今は、課長と向き合う自信が、私にはな

  • あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。   chapter16

    ✱ ✱ ✱ 「おはよう、佐倉さん」「課長!……お、おはようございます」 会社に出勤すると、ちょうどバッタリ課長と遭遇した。「どうした?」「いえ……なんでもありません」 どうしよう……。昨日のことが気になって課長と顔を合わせるのが気まずいな……。「昨日は、電話ありがとう」「……いえ」 課長は私の肩を叩いてから、仕事場へと歩いて行った。「あら、おはよう瑞紀」「おはよう、沙織」 すると、私の顔を見た沙織が「ねぇアンタ、今日メイク濃くない?」と、自分のデスクに座った途端に、沙織にいきなりそう言われた。「えっ!そうかな?」 いつも通りに、メイクしてきたんだけど……。「どう見ても濃いわよ。アンタ一体、どうしちゃったの?」「どうもしないよ? ちょっと寝不足で、クマが出来てたから、クマを隠したくて……」 そう言うと、沙織は「寝不足って……アンタなんかあった?」と、私の顔を見る。「え? あ、いや……。べ、別に!? ただ友達と電話してたら、遅くなっちゃっただけ」「ふーん……?」「え……な、なに?」 なんか、怪しまれてる……?「なんか怪しいわね、アンタ」「えっ!怪しい!?」「怪しい」 すると沙織は、「アンタ、なんか隠してるでしょ?」と私を見る。「えっ!?や、やだなぁ……なにも隠してないって」 ごめん、沙織……。本当は、沙織に相談したいんだ。 でもね、沙織やみんなには迷惑をかけたくない。 だって、課長のことが気になってるなんて言えないよ……。それこそみんなに迷惑かけちゃう。「ウソつくんじゃないよ。バレバレだよ」「……やっぱり?」 沙織は、なんでも分かっちゃうんだな。 「やっぱりって……やっぱ何かあったのね、アンタ」「うん……まあ」 やっぱり沙織には、正直に話した方がいいよね……。「なに? 好きな人でも、出来た?」「好きっていうか……。ちょっと、気になるんだ」「気になるって?」「その人のことが。何ていうか……その人の前だとドキドキしたり、胸が苦しくなったりするの」 すると私は、「そんなの当たり前じゃない。恋って言うのは、そういうものなのよ」と言う。「え……?」「いい瑞紀?恋って言うのはね、ドキドキしたり胸が苦しくなったりするのが、普通なのよ」 やっぱり、そうなのかな……。「だからそんなことで、悩まなくて

  • あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。   chapter15

     瑞紀は多分知らないし、気付いていないと思うが、俺は瑞紀に惚れている。 あのバーで会ったのも、実はあの時が初めてじゃない。 本当は瑞紀があのバーに通い始めた時からずっと、瑞紀を見ていた。 初めて見た瑞紀の第一印象は"かわいい"だった。お酒を飲む姿はやけに上品で、しかも色気があった。 おまけにお酒が入った瑞紀は、やけに色っぽくて、そこら辺の女なんかよりずっとイイ女だと思った。 だからあの日、俺は瑞紀に声をかけた。 そのまま成り行きで瑞紀をホテルのベッドの上で抱いてしまった時、俺はすぐに瑞紀に惚れているのだと自覚した。 瑞紀の全てが可愛くて、愛おしくて、瑞紀の全てをほしいと思った。 もちろんあの時は静香のことも好きだったし、結婚したいとも思った。 でも瑞紀は、それ以上の感情だった。 静香の時よりも、ずっと瑞紀が欲しいと思った。 瑞紀は俺の部下だけど、このままじゃ本気で瑞紀を愛してしまいそうで怖い。 でも瑞紀は俺の部下で、俺は瑞紀の上司。 俺たちの関係は、それ以上でもそれ以下でもないって、ことだ。「……はあ」 一体なにをしてるんだ、俺は……。あの時"身体だけの関係"と言ったことを、今頃になって後悔している。 俺はなぜ、あんなことを言ってしまったのだろうか。 きっと、それで瑞紀を傷つけてしまったかもしれない。 最近瑞紀は、なんだか元気がない。 仕事中でも上の空な時があるし、ずっとため息をばかりついている。 おまけに普段は、滅多にしないミスをしたりする。 瑞紀が元気のない原因は、きっと俺にある。 最近色々と忙しくて、瑞紀のことをちゃんと見てなかったせいかもしれない。 ガチャと家のカギを開けて中に入ると、部屋の中は静まり返っていた。「……はあ」  とため息をつき、ソファーに腰掛けネクタイを緩める。「……瑞紀」 今無性に、瑞紀に会いたい。「ああ……くそっ」 なんで俺は、瑞紀のことをこんなに苦しめてるんだろうか。 好きな女を苦しめている俺は、最低だな。 瑞紀が好きで仕方ないのに、俺はいつも瑞紀を傷つけてばかりだ。 どうしたら、俺は瑞紀を傷つけずに済むのだろうか……。どうしたら瑞紀に悲しい想いをさせずに、済むのだろうか。 考えてみても答えなんて出なくて、結局どうしたらいいのか分からない。 俺はもう三十三だ。 一度静香との結婚を

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status