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329話

Auteur: 籘裏美馬
last update Date de publication: 2026-03-31 19:34:23

地鎮祭を、遠くから見つめる人物が居た。

その人物──女は、スマホを取り出すと誰かに電話をかける。

「ええ、お願い。そこの交差点で。ええ……決して跳ねては駄目よ。ひやっとさせるだけで大丈夫だから。目を向けさせる事が重要だから」

電話を切った女は、にんまりと笑みを浮かべ、その場を離れた。

「お腹が空きましたね、どこかでご飯でもどうですか?」

地鎮祭は何事もなく終わり、ちょうど昼食時だ。

私は腕時計を確認し、お父様と苓さんに話しかける。

「そうだな……。この後急ぎの仕事もないし、どこかで食事をしてから社に戻ろうか」

お父様も私の提案に頷いてくれる。

私は苓さんに振り向いた。

「もちろん、俺もご一緒しますよ。この付近だと……和食料理と中華が近場にありますね。どこにしますか?」

「私は和食がいいが、茉莉花と苓くんはどちらがいい?」

「私も和食が良いです、苓さんは?」

私とお父様に問われた苓さんは、笑顔で「俺も和食がいいので、そこにしましょう」と答えた。

和食料理店は、交差点の向かい側にある。

私たち3人は会話をしつつ、赤信号で足を止めた。

「そう言
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