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第6話

Author: 安住とき
最後の引き継ぎは、直哉の父の命日だった。

毎年この日になると、彼は一晩中眠れなくなる。

私は慰めの言葉をかけることも、何を考えているのか尋ねることもしなかった。

ただ、温かいお茶を入れたポットを書斎に置き、彼の父が生前好きだった古いレコードをかけた。

リストの注意書きを見た沙耶が、私に尋ねた。

「どうして話し相手になっちゃいけないの?」

「つらいところを、人に見られたくないのよ」

「でも、昔は私、ずっとそばにいたわ」

「それなら、自分のやり方でやればいい」

その夜、沙耶は昔の写真が入った箱を書斎に持ち込んだ。

直哉と一緒に、思い出話をしたかったのだ。

30分もしないうちに、カップの割れる音がした。

沙耶が泣きながら飛び出してきた。

「少しでも楽になってほしかっただけなのに」

私は中には入らなかった。

午前1時、直哉からメッセージが来た。

【レコードはどこだ?】

私は返信した。

【沙耶に渡したわ】

数分後、また届いた。

【今どこにいる?】

【ホテル】

【帰ってこい】

その文面を見つめたまま、返信はしなかった。

結婚して7年、彼がいちばんつら
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