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39話 Part3

Author: 九重有
last update publish date: 2026-09-03 15:59:20

「麻里亜!」

聖がすぐに答えました。

麻里亜は内側のつまみへ手を伸ばします。

拓哉が扉の前へ入りました。

「開けるな」

「どいて」

「まだ終わってない」

「終わった」

「麻里亜」

「終わったって言ってるの!」

麻里亜は拓哉の胸を押しました。

拓哉は動きません。

「今ここから出たら、全部終わるぞ」

「それでいい」

拓哉が黙りました。

麻里亜の目に涙がにじみます。

「もう、あなたのために黙らない」

「俺のため?」

「そうだよ」

麻里亜は一度、唇を噛みました。

「好きだったから黙ってた」

扉の外の聖も何も言いませんでした。

拓哉は麻里亜を見ています。

「でも、もう無理」

「……何が」

「怖い」

拓哉の眉が動きました。

「あなたが怖い」

麻里亜は足元の赤いスカーフへ目を向けました。

腰をかがめ、手に取ります。

拓哉が腕を伸ばしかけました。

麻里亜はその前に窓へ走りました。

細長い窓の下、透明になっている部分へ赤いスカーフを押し当てます。

「何してる」

拓哉が近づきます。

麻里亜はスカーフを左右へ振りました。

外階段にいた
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    「麻里亜!」 聖がすぐに答えました。 麻里亜は内側のつまみへ手を伸ばします。 拓哉が扉の前へ入りました。 「開けるな」 「どいて」 「まだ終わってない」 「終わった」 「麻里亜」 「終わったって言ってるの!」 麻里亜は拓哉の胸を押しました。 拓哉は動きません。 「今ここから出たら、全部終わるぞ」 「それでいい」 拓哉が黙りました。 麻里亜の目に涙がにじみます。 「もう、あなたのために黙らない」 「俺のため?」 「そうだよ」 麻里亜は一度、唇を噛みました。 「好きだったから黙ってた」 扉の外の聖も何も言いませんでした。 拓哉は麻里亜を見ています。 「でも、もう無理」 「……何が」 「怖い」 拓哉の眉が動きました。 「あなたが怖い」 麻里亜は足元の赤いスカーフへ目を向けました。 腰をかがめ、手に取ります。 拓哉が腕を伸ばしかけました。 麻里亜はその前に窓へ走りました。 細長い窓の下、透明になっている部分へ赤いスカーフを押し当てます。 「何してる」 拓哉が近づきます。 麻里亜はスカーフを左右へ振りました。 外階段にいた愛梨沙の目の前で、赤い布が揺れます。 「誰かに見せてる」 「誰に」 「誰でもいい」 拓哉が窓を見ました。 「聖か」 「違う」 麻里亜は窓の外を指しました。 「外に誰かいる」 拓哉の顔が窓へ向きます。 曇りガラスの向こうに、人の形がありました。 愛梨沙は反射的に一段下がります。 見つかる。 胸が速く鳴りました。 それでも、足は階段を下りません。 (見て 拓哉さん こっち見て) 拓哉が窓へ近づきました。 愛梨沙は壁へ身体を寄せます。 その時、スマホが震えました。 瑠璃子からの着信です。 愛梨沙はすぐに切りました。 室内で麻里亜が拓哉の横を抜けました。 今度こそ扉へ向かいます。 「麻里亜」 拓哉が振り返りました。 「触らないで」 麻里亜はつまみを回そうとします。 拓哉が腕を掴みました。 「やめて!」 その声を聞いた聖が、扉へ身体をぶつけました。 ドン、と廊下に響きます。 「麻里亜!」 「開けて!」 もう一度。 扉の枠が軋みました。 拓哉が麻里亜を扉から離そうとします。 麻里亜は必死につまみへ手を伸ばしました。 指先

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  • あなたの罪まで愛してる   Part3

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