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いつか風になる想い
いつか風になる想い
Author: 爽やかな男子

第1話

Author: 爽やかな男子
父が亡くなって三日経っても、大野裕也(おおの ゆうや)は姿を見せなかった。

「部長、決心がつきました。父の遺志を継ぎ、国の外交にこの身を捧げます」

その言葉に男は一瞬虚を突かれ、諭すように言った。

「本気かね?今の国内外の情勢は依然として厳しく、外交官は危険な仕事だぞ。

それに、一度赴任すればいつ帰れるか分からない。ご主人は納得しているのか?」

その言葉に私は一瞬固まり、父の形見である腕時計に視線を落とした。

これは、父が遺してくれた思い入れの品だった。

「困難は覚悟の上です。七日間だけお時間をください。身辺を全て片付けてまいりますので」

外務省を出た私は、その足で裕也のオフィスへと向かった。

ドアを開ける前に、中から裕也が彼の秘書と話す声が聞こえてきた。

「課長、奥様が出かけられてからもう何日も経ちますが、少しも心配じゃないんですか?」

裕也は顔も上げず、冷ややかに言った。

「彼女はただの外出だけだ。帰ってこないわけでもあるまいし、別に大して気にすることでもないだろう。

それに最近は公務が山積みで、そちらを片付けるだけで手一杯だ。そんなことを考えている暇はない」

裕也の秘書はため息をついた。

「では三浦さんのことは?彼女はただ足を捻っただけなのに、七日間も入院に付き添われる必要があったのですか?」

男は眉をひそめ、持っていた万年筆を乱暴に置いた。

「直美は特別なんだ」

そう、三浦直美(みうら なおみ)は特別だ。

裕也の幼馴染であり、妹のような存在なのだから。

では、私は?

私はただの、妻という肩書があるだけの他人なのだろう。結局、彼にとって私は妥協の選択肢に過ぎないのだ。

そう思いながら、目頭が熱くなるのを堪え、私は息を深く吸い込んでドアを開け、やつれた顔で彼の前に出た。

私の姿を見るなり、秘書は慌てて口実を見つけてオフィスを出て行った。

裕也は私をチラッと見ると、何気ない口調で尋ねた。

「何か用か?」

七日間も家を空けていたというのに、彼は私がどこに行っていたのかも、なぜやつれた顔をしているかも、気に留めることがなかった。

他の書類と混じれて私は離婚届を机の上にさりげなく置き、静かに口を開いた。

「これにサインして」

彼は一瞬戸惑い、私の冷たい態度に面食らったようだった。

「なんのサインだ?それだけのために来たのか?てっきり……」

彼は言葉を途中で切り、書類を受け取って、内容に目を通そうとしたその時、電話が鳴った。

病院にいる直美からだった。

「裕也さん、もう仕事終わった?病院にいて、退屈で仕方ないの。付き添いにきてくれない?」

理由も口実もいらない。ただそんな甘えた一言で、男は途端に慌てた様子を見せた。

「ああ、すぐ行くよ」

電話を切ると、裕也は書類をめくり、ちゃんと目を通すこともなく、さっさとサインをした。

「先に帰って休んでてくれ」

そういうと彼は急ぎで部屋を出ようとしたが、出て行く直前、彼はふと足を止め、私の方を振り返った。

「俺を……引き止めないのか?」

彼は眉間を寄せ、信じられないという顔をしていた。

私はただ、首を横に振った。

「もう、疲れたから引き止めないよ」

裕也はしばし黙り込んだ後、どこかぎこちなく言った。

「直美の体調が戻ったら、お父さんのところへ見舞いに行こう。ずいぶん会っていないし、君のことを恋しがっているはずだ」

それを聞くと、私は一瞬涙が溢れそうになった。

「ええ」

裕也が去った後、私は空気に残るジャスミンの香りを嗅ぎながら、皮肉な笑いを浮かべては目頭を赤らめた。

それは、父が海外から私に送ってくれた香水の香りだった。

私がもったいなくて使えずにいたものを、裕也は私に断りもなく直美に渡してしまったのだ。

どうやらこの七日間、二人は相当親密に過ごしていたらしい。

七日前、父は海外で暗殺者に襲われ、生死の境を彷徨っていたのだ。
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